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【芸能・社会】

文化勲章の仲代達矢 「受章でスケベ心出てきた」

2015年10月31日 紙面から

文化勲章の受章が決まり、自ら立ち上げた「無名塾」で喜びを語った仲代達矢=東京都世田谷区で(五十嵐文人撮影)

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 政府は30日、2015年度の文化勲章をノーベル医学生理学賞受賞が決まった大村智(80)と、同物理学賞受賞が決まった梶田隆章(56)、俳優の仲代達矢(82)ら7氏に贈ることを決めた。文化功労者には歌舞伎俳優の尾上菊五郎(73)、脚本家の橋田壽賀子(90)、俳優・司会・エッセーの黒柳徹子、スポーツの川淵三郎(78)の3氏ら16人を選んだ。橋田さんはこの分野で初選出。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京都内のホテルで開かれる。

 「もうすぐ83歳、現役の俳優生活もそろそろかな、と思っていましたが、すてきな章を頂いてもう少しやるか、というスケベ心が出てきました。想像もしていなかった章を頂き本当にうれしいです。無名塾を興して40年、支えてくれたスタッフや若者たちとみんなで喜びを分かち合いたい」

 映画「用心棒」「影武者」などに出演し、重厚感あふれる演技で魅了してきた。俳優としては森繁久彌さん、山田五十鈴さん、森光子さん、高倉健さんに続き5人目の受章者となり、東京都世田谷区の「無名塾」で喜びを語った。

 1932年東京生まれ。52年に俳優座の養成所に。卒業後は映画、新劇、テレビでさまざまな作品に出演。自ら「雑貨屋のようにいろいろな役をやってきた」と振り返る。75年に後進を育成しようと、女優でもあった亡き妻、宮崎恭子さんと俳優養成所「無名塾」を立ち上げた。稽古場には96年に亡くなった宮崎さんのモノクロの遺影が壁に飾られ、宮崎さんが愛用した木製の椅子がいまも塾生たちを見つめる。

 俳優人生の指針となった映画監督黒澤明さん、演出家千田是也さんら恩師たち、父母への感謝の思いを語りながら「でもそれよりも、亡くなった私の相棒、宮崎恭子に感謝したい。すてきな章を頂いたよ、と仏壇にも報告しました。生きていたら? 『よくやったね』とほめてくれたと思います」とうれしそうに遺影を見つめた。

 82歳の今も精力的に仕事をこなし、役者魂を燃やし続ける。今月31日の石川・能登公演からは、全105公演を行う舞台「おれたちは天使じゃない」の旅公演が始まる。「体のコンディション? 良くないですね」と笑いながら「でも、私が倒れるとどうにもならない。体調だけは整えて頑張ります」と決意を語った。

 

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