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 エジプト東部シナイ半島で31日、ロシアの民間旅客機が墜落した。墜落現場付近では過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力が活動を強め、軍と激しく衝突している。エジプトの当局は事件・事故の両面から墜落の原因を慎重に調査する構えだ。

 墜落機が到着予定だったサンクトペテルブルク国際空港。到着予定時刻をわずかに過ぎた午後1時(日本時間午後7時)すぎに記者が到着ロビーに入ると、インフォメーションコーナーにロシア緊急事態省の職員が詰めていた。乗客を迎えに来たとみられる人たちは、緊急事態省が用意したバスに案内されて、待機場所に向かっていた。ショックを受けた人のため、医療拠点も設けられた。

 エジプト政府の発表によると、墜落現場となったシナイ半島北部アリーシュ付近には、救急車50台以上が派遣された。軍は現場に通じる道路を封鎖。イスマイル首相を筆頭に、関係閣僚や治安・外交当局による作業チームが組織され、首相らも墜落現場へ向かった。

 墜落現場では、同機のブラックボックスが発見されたという。民間航空省の調査チームが原因の解明に当たる。

 エジプトの治安当局によると、撃墜されたり爆発したりしたことを示す情報はないという。イスラム過激派組織などの犯行声明も今のところ出ていない。