【ソウル=永井央紀】中国の李克強首相と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は31日、ソウルの青瓦台(大統領府)で約1時間40分会談した。6月に署名した中韓自由貿易協定(FTA)の年内発効を目指す方針や、中国での人民元建て韓国国債発行で合意した。中国が主導する「一帯一路(新シルクロード)構想」のインフラ受注での協力推進でも一致した。
李氏の韓国訪問は2013年の首相就任後で初めて。韓国は中韓FTAの批准に向け国会で審議中だが、16年春の総選挙を前に反対論が強まる可能性もある。人民元建て国債の発行は中国・香港以外では英国に続き2件目で、中国が目指す人民元の国際化の後押しとなる。両首脳は会談後、経済や環境での協力に関する18件の合意文書の署名式に出席した。
中韓経済協力の主な合意事項 |
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○中韓FTAの年内発効目指す |
○中国で人民元建て韓国国債を発行 |
○上海に人民元とウォンの直接取引市場を開設 |
○第三国市場での共同インフラ投資を推進 |
○中国の株式・債券市場への投資規制緩和 |
北朝鮮の核・ミサイル問題は、非核化の目標堅持や6カ国協議の早期再開方針を確認。朴氏は「中国の役割を重視している」と応じた。中国の王毅外相は首脳会談後、記者団に「南シナ海の話はしていない」と述べた。
李首相の訪問は11月2日まで。韓国の黄教安(ファン・ギョアン)首相や鄭義和(チョン・ウィファ)国会議長らとも会談。韓国経済界とも交流する予定だ。
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