絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 #02 2015.10.27


160か所のジムがトレーニングを採用ということなんです。
≫これ多いか?1万3000枚って。
≫でも、ここからまた人気になって海外で大人気ということですよ。
(アナウンサー)《先ほど荒川区町屋の印刷工場から異臭が発生し従業員や近隣住民が体調の異常を訴える事件が起きました》《警視庁はひとつき前に起きた地下鉄サリン事件との関連も含め捜査を進める方針で異臭の…》
(冬樹)《誰か!誰か!だっ誰か!》
(志保)《日向先生処置室着きましたよ頑張ってください》
(志保)《移動しますよ。
123》
(医師)《挿管準備》
(志保)《佐々木さんコールして》
(看護師)《挿管準備します》・
(心電計の警告音)
(千秋)《日向先生日向先生日向先生》・
(心電計の警告音)
(冬樹)《あっあっ…》
(刑事)《野宮冬樹さんですね》《日向葵さん殺害の件で署までご同行願えますか》
(冬樹)《葵葵…》
(職員)あ〜ひでえな。
(職員)何が欲しくてこんなに拾ったのかね死んだばあさん。
(職員)ていうか役所の仕事っすかごみ屋敷の片付けなんて。
あ〜。
(職員)あっ?何だこれ。
(白石)作り直さなきゃ駄目だな。
(桜木)もしかして白石さん。
言うな。
この事件が起きたときには老眼鏡なんか必要なかったんだけどな。
(桜木)八王子事件ですか。
ああもう13年だ。
あと2年で時効を迎える。
わたしにもできることがあったら何でも言ってくださいね。
おっじゃあ頼むか。
ホントですか?肩もんでくれ。
最近凝りがひどくてな。
じじい。
あっ?えっ何でもないです。
う〜ん。
(三井)捜しましたよ。
招集です。
(白石)再捜査か?
(三井)はい。
桜木さん資料お願いします。
1995年の富士見医大研修医殺害事件です。
分かりました。
1995年。
(倉田)被害者は富士見医大の研修医だった日向葵当時25歳。
自宅で数カ所を刺されて殺された。
容疑者容疑者…。
(白石)容疑者は野宮冬樹。
第一発見者で日向葵の恋人だ。
事件前2人の口論が目撃されてるわ。
あった。
(高峰)別れ話がこじれて衝動的に殺したっていうのが捜査本部の読みでしたよね。
(白石)ほかに怨恨の線はなかったからな。
(深沢)しかし野宮冬樹を決定づける証拠はなかった。
(倉田)現場が保存できなかったのも痛かったようだな。
どういうことですか?証言によれば野宮冬樹は瀕死の彼女を発見。
止血しようと必死で部屋ん中かき回した。
それで犯人の痕跡もかき消しちまったんだよ。
(塚本)その事件って確か地下鉄サリン事件のせいで捜査が手薄だったんすよね。
(白石)ああそれも未解決になった理由の1つだな。
(深沢)で何か新しい物証でも出たんですか?
(倉田)当時発見できなかった凶器が見つかった。
ここに付着した血痕と日向葵のDNA照合が一致した。
科捜研が今ほかの手掛かりを探ってる。
(塚本)えっ?えっ?ちょっと待ってくださいよ。
地下鉄サリンのころって15年前の春っすよ。
ああ。
日付が4月16日にかわるときこの事件は時効を迎える。
(塚本)あと1週間じゃないすか。
(深沢)今ごろ気付いたんですか?時効まで1週間。
凶器に犯人の血痕も付着してたってことですか。
(大森)最初に心臓を刺す。
大量の血が噴き出る。
また刺す。
犯人は興奮状態。
返り血を浴びながら刺す刺す刺す。
うわっ。
(大森)その顔が見たかった。
(竹林)ドSのアラサーが。
(大森)めった刺しは被害者の血で凶器を握る手が滑って犯人自身も刃の付け根部分で傷を負うことが多い。
それで血痕が付着してたってことか。
(白石)その血痕関係者のDNAと照合できないよな。
(秋山)15年前はDNAがデータベース化されてませんからね。
おっ師匠英語できるのか。
イギリス人の彼女がいるんで教えてもらってるんすよ。
ちなみに彼女読モっすヤベえっすカワイイっす。
毒グモ。
お前虫と付き合ってんのか。
白石さん読モって読者モデルのことですよ。
(大森)ちょっとあんたそれ解析終わったの?
(白石)証拠品なのかその新聞。
(竹林)凶器が包まれてたんすよ。
あっ被害者の血痕のほかに花粉が出ました。
黄色と赤のバラ。
黄色と赤のバラ。
分かりました手掛かり。
速っ。
犯人の動機は怨恨です。
今ネットで調べてみたんですけど黄色いバラの花言葉って「嫉妬」なんです。
じゃあ赤いバラの花言葉は?「愛」ですね。
愛と嫉妬の花束か。
三流のサスペンス劇場だな。
あれ?バカにしてます?ハハハ。
(大森)白石さんこれ見て。
病院内の捜査難しそう。
(白石)おっ桐山義之富士見医大の脳外科部長か。
(大森)ウイルス動脈輪って難病の血管バイパス手術を確立した名医。
厄介だなこりゃ。
どういうことですか?
(桐山)あれはひどい事件でした。
日向君には将来を期待してたんですよ。
再捜査が決まって何よりです。
(倉田)では病院内の捜査を承諾していただけますね。
(桐山)申し訳ありませんがそれはご遠慮いただけますか。
(塚本)何かやましいところでもあるんですか。
(桐山)刑事さん平和な病院と警察がうろつく病院どちらに安心感を覚えますか?わたしは患者さんが不安になるようなことはしたくないんですよ。
(澤井)失礼します弁護士の澤井です。
(桐山)後のことは彼に任してあります。
何かあるときは彼を通してください。
わたしはこれからオペがありますので失礼します。
ホントに患者のためなんですかね。
仕方ない有名な大先生だ対応はナーバスになる。
(冬樹)《何で救急車が来るのにそんな時間かかるんだよ》《異臭騒ぎ?もういいよ》《大丈夫だからな葵。
俺が病院連れていく。
なっ》《えっ?何だよ葵。
葵?》・
(白石)野宮冬樹さんですか。
捜査一課の白石です。
15年前の日向葵さん殺害の件で…。
(冬樹)あんたも刑事さん?はい捜査一課の桜木です。
(冬樹)今度かみさんに内緒でさデートしようよ。
あの野宮さん。
軽くご飯でも食べてさ気分乗ったら行くとこまで行っちゃうみたいな。
どう?あのお話よろしいですか。
まさかまだ俺疑われてるんじゃないですよね。
(白石)とんでもない。
その後事件のことで何か思い出したことありませんかね。
(冬樹)そう言われても15年も前だからな。
どんなささいなことでもいいんですよ。
よく思い出してください。
部屋に入る前入った後。
刺された彼女を発見したとき。
何か思い出しましたか。
(千夏)武表でお父さんのお手伝いしてあげて。
(武)はいいらっしゃいませ。
こんにちはお邪魔してます。
どうも。
(千秋)妻の千秋です。
奥まで聞こえました殺人事件の話なんて。
子供がいるんです気を使ってください。
すいません。
(白石)おわびに買わせてください。
凶器の包丁も英字新聞に包まれてましたよね。
やっぱり怪しいですよあいつ。
子供がいなかったらDNA鑑定できたのに。
(白石)あのかみさん当時富士見医大の看護師だったな。
今は確か看護師長になってる。
ホントだ。
(白石)何かあるな。
子供を餌に聞き込みを妨害した。
そう言われれば。
(白石)まっ野宮冬樹の線はおのずと答えが出る。
そのバラ奥さんにあげるんですか?
(白石)お前刑事に向いてないな。
笑顔で言われるとかえってへこむんですけど。
(千秋)《ちょっとちょっと》《趣味悪いですよ東海林先生。
行きましょ》
(東海林)《しっ俺は富士見医大のCIAと呼ばれる男だぞ》《同期の痴話ゲンカ見逃すわけにいくかよ》・
(冬樹)《何だよそれふざけんなよ》
(東海林)当院ならまぶたの整形なんて8万ですよ。
この業界じゃ価格破壊です。
刑事さんもいかがですか?この機会に。
(高峰)間に合ってますからこの顔で。
(深沢)あなた被害者と野宮冬樹さんとの口論を目撃したと証言したんですよね。
(東海林)ええでも結局犯人じゃなかったんでしょ?あの野宮って人。
悪いことしましたよ。
(深沢)ほかに誰か日向葵さんを恨むような人に心当たりは。
(東海林)いるんじゃないの?いっぱい。
当時のお話では彼女を恨むような人はいないと。
だって病院の評判が下がるでしょ。
そんなこと言えないよ内部の人間は。
院内の立場が危うくなりますからね。
(深沢)恨んでる可能性があるとすれば例えば。
(東海林)僕。
あいつ仕事できるから言うこと正論なんだけどミスした人間を追い込むようなとこあったんで。
(深沢)佐々木千秋さんと日向さんとの関係はどうでしたか?
(東海林)千秋ちゃん?看護師の?まさか千秋ちゃんが容疑者ってこと?なるほどねそう来たか。
(葵)《知ってるよねわたしの夢なの》《小児科の脳外専門医》《カリフォルニアの留学は最短の道なの》
(冬樹)《何の相談もなく決めることかよ。
俺は葵と結婚するつもりだったんだ》《だから花屋だって継いで…》
(葵)《建築士の資格は?》《いつあきらめたわけ?自分が挫折したからってわたしの足引っ張らないでよ》《千秋ちゃん》
(千秋)《日向先生そんな言い方ないと思います》《野宮さんは本当に先生のこと思ってるんです》
(葵)《冬樹が好きなんだ。
それで盗み聞き?最低だね》
(冬樹)《やめろよ。
千秋ちゃんには葵と付き合う前から色々と相談に乗ってもらってただけだよ》《終わりにしようわたしたち》
(千秋)何なんですか?急に呼び出したりして。
(塚本)すいません。
まあどうぞどうぞお座りになって。
お子さんのいないところでお話を伺いたいなと思っちゃいましてね。
(千秋)手短にお願いします。
この後夜勤なんです。
あなただんなさんのために何か隠してますよね。
はっ?
(塚本)だんなさんと日向葵さんが恋人関係にあるころからあなたひそかに彼のこと思ってましたよね。
罪を犯した彼をかばって妻の座を射止めるなんてなかなかのやり手ですよね。
バカバカしい。
そんな見当違いの捜査しかできないんですか警察は。
(葵)《婦長ゲンさん知りませんか?どこにもいないんです。
まだ安静が必要だったはずなのに》
(志保)《さあそんな患者さん覚えてませんけど》
(葵)《えっゲンさんですよ。
外来でお願いしましたよね》
(志保)《外来に来た患者さん何人いたと思ってるんですか?》
(葵)《えっ婦長はいつもどんな患者さんも忘れないじゃないですか》《何でそんなこと》《ゲンさんに何かあったんですか?》
(志保)《悪いけど点滴の補充してきてくれる?》
(葵)《婦長ゲンさんに何かあったんですか?婦長》医療過誤。
(塚本)ええ今まで黙ってたのは確証もないのに病院の評判を落とすような証言はできなかったからだそうです。
(深沢)日向葵は病院ぐるみの隠ぺいに巻き込まれて殺された。
(高峰)口論の相手。
当時婦長だった立花志保ですが事件の半年後に富士見医大を辞めています。
辞めてるか。
ちょっとそれ違法捜査じゃないですか。
(高峰)どうしたの?白石さんが野宮冬樹の合意もなしにDNAを鑑定にかけちゃったんですよ。
やつが指切ったバラのとげ科捜研に送ったんだ。
まずいですよね。
非合法じゃ証拠能力ないしまずいですよね。
(深沢)くだらないどこが問題なんだ。
(高峰)もしDNAが犯人と一致したら適当な理由で任意同行させる。
そこで正規にDNA鑑定を依頼すれば合法の証拠になるわ。
何か釈然としませんけど。
(倉田)白石さん野宮冬樹とは別の線が出てきましたよ。
医療過誤隠ぺいの可能性があります。
(白石)そりゃまたずいぶんでかいですね。
医療過誤の隠ぺい。
やっぱりどこにも書いてないな仲のいい患者がいたなんて。
う〜んゲンさん。
あだ名で呼ぶぐらいだからみんな知ってるよな。
・特命4係桜木です。

(千秋)野宮です。
野宮千秋です看護師の。
あっ今日は色々とありがとうございました。
・うちの夫そちらに出頭させられてませんよね。
えっいらしてませんけど何かありましたか?・それならいいんです。
失礼します。

(不通音)終電逃した。
あ〜またやってしまった。
(倉田)おはようございます。
(桐山)困りますね。
先日弁護士を通してほしいと申し上げたはずです。
(倉田)すいません時間が惜しかったもので。
(桐山)申し訳ないがわたしも朝一でオペを控えてましてね。
(倉田)すぐに済みます。
伺ったのは日向葵さんの殺害の日からさかのぼって1カ月分のカルテの開示をお願い…。
(桐山)お断りします。
患者さんのプライバシーもありますからね。
最近情報漏えいが問題になってるでしょ。
(倉田)実はですね医療過誤の隠ぺいが事件に関連してる疑いが出てきたんですよ。
(桐山)医療過誤の隠ぺい?うちにそんなことをする医師なんかいませんよ。
では潔白を証明するためにも。
(志保)医療過誤なんてありません。
ゲンさんなんて患者さんにも心当たりはありません。
(白石)なるほど。
あっよかったらつまんでくださいね。
大してうまかないけど。
ハハハ。
それで事件の半年後に看護師を辞められたのはなぜだったんすか?体力的にきつくなったからです。
(白石)へえ大変な仕事ですからね看護師は。
ちなみに聞いた話ですがねこの話ってホントなんですかね。
たとえ相手は研修医でも看護師は医者には反論できない。
ええ。
(白石)ほう。
しかしそうなると事件のあった日の午前中にあなたが日向葵さんと口論したのはよほどのことだったんすよね。
(志保)いえ別に。
(白石)んっ?口論は頻繁にあったんすか。
まあ。
彼女は研修医の中でもずばぬけて優秀で指導医の評価も高かった。
でもちょっとしたことで人を犯罪者みたいに追及するところがありましたから。
彼女のそういう性格がナースを萎縮させていました。
だから婦長としてあえて意見を言うようにしてたんです。
(白石)ああなるほどね。
刑事さん医療過誤があれば隠さず話しますよ。
今のわたしには病院を首になる心配はないんですから。
(白石)んっ?あなたをうたぐってるなんて一言でも言いましたかね。
立花志保どう見る。
ライターの位置を何度も直しました。
自分を曲げられない。
看護師の仕事に誇りもあった。
体力的な理由だけで辞めたとは考えにくいと思います。
鈍ってねえな。
今回の件が終わったら室長に頼まれてる捜査したらどうだ。
杉並の件。
いつまでも犠牲者面するな。
ひよってる間に時効迎えちまうぞ。
それで遺族に顔向けできるのか。
(くしゃみ)
(深沢)ではお先です。
(塚本)待てよお前もカルテ調べんだよ。
(深沢)その程度なら俺がいなくてもできるでしょ。
(倉田)悪いがカルテはそれだけじゃない。
桜木こっちだ。
はい。
(道尾)失礼します。
(白石)お疲れさん。
わっこれ全部カルテか。
(倉田)はい。
(白石)うわ〜徹夜だなこりゃ。
今日は布団で寝たかったな。
(道尾)不肖ですが道尾行成お手伝いを。
すまんな道尾。
重要書類だ遠慮してくれ。
(道尾)はい。
(塚本)おいお疲れ。
(道尾)お疲れさまでした。
(倉田)よ〜し始めるぞ。
修正の跡や日付は飛んでないか注意してくれ。
カルテ改ざんの可能性があるからな。
(一同)はい。
白石さんお願いします。

(高峰)改ざんの痕跡見つかりませんでしたね。
何のための徹夜だったんだよ。
白石。
そうか分かった。
科捜研からです。
野宮冬樹のDNA犯人と不一致でした。
もう一度一から洗い直すしかないな。
洗い直し。
う〜ん。
(道尾)桜木さん。
あっお客さまです。
あっ野宮さん。
(冬樹)おっ刑事さん1人。
まさか捜査に置いてかれちゃったとか?何の用ですか?わたし忙しいんですけど。
怒った顔もカワイイね。
刑事さんにほれたかも俺。
そんなことばっかり言ってると奥さんに愛想尽かされますよ。
全然大丈夫。
家出ちゃったからさ俺。
野宮さんいいかげんにし…。

(千秋)《野宮です》《うちの夫そちらに出頭させられてませんよね》何かあったんですか?それよりさあしたで時効だろ。
犯人の目星付いたの。
あっすいません。
捜査のことはお話しできないんです。
だよねそりゃそうだ。
野宮さん奥さんと何か?これよかったら。
昔から帳簿に日記みたいなことつけてたから事件前の葵とのこと思い出しながら色々書き出してみた。
まあ手掛かりになるかどうか分かんないけどね。
ありがとうございます。
んっ。
でもどうして。
刑事さんたちが来た日の夜夢見てさ。
刺された葵見つけたときのこと。
遅れたんだよね俺。
約束の時間に。
花屋の仕事終わらなくて。
もし間に合ってたら。
あいつ俺に何か言おうとしてたんだ。
でも聞き取れなかった。
夢の中でも何度も何度も聞き直したのに。
何だかさ葵に責められてる気がして。
自分だけ幸せになるなって。
(冬樹)《何かあった》
(葵)《別に》《さっさと行きなよ配達の途中でしょ》
(冬樹)《まさかまたナース泣かしちゃった》《日向先生得意だもんな》《人のこと精神的に八方ふさがりにすんの》
(冬樹)《えっ?えっ図星?ごめん冗談だよ冗談》
(葵)《最悪なんだけど》《あんたに泣いてるとこ見られるなんて》
(冬樹)《何だよそれ。
ひでえな》
(葵)《聞いちゃってさナースたちが話してんの》《わたしと働きたくないって》《まあ当然だよね》《研修医のくせに生意気だしね》《患者さんの命を預かるから手を抜けない》《俺知ってるよ日向先生が他人と同じように自分に厳しいこと》《そういう姿見てたから俺もまた頑張ろうと思えたんだ》《3回も落ちた建築士の試験》《日向先生はいい医者になるよ絶対》
(冬樹)《俺さ日向先生と会ってから桜の花が一番好きな花になった》《ほら日向先生の漢字向日葵に似てるだろ?》《夏の花》《で俺は冬樹だろ?》《桜の咲く春は冬と夏をつないでくれる》
(葵)《ださっバカじゃないの?》《かわいくねえな》《うるさいな》あの奥さんとこには戻られないんですか?
(千秋)お店のお得意さんが教えてくれたの。
さっきあなたがここに入ってったって。
(冬樹)じゃあ刑事さん事件解決したらデートしような。
(千秋)あなた。
ごめん。
どうして15年もたってまた捜査なんか始めたんですか。
日向先生が亡くなってからあの人を支えてきたのはわたしなんです。
わたしの家族を壊さないで。

(長嶋)ああいたいた。
カメ差し入れだ。
ありがとうございます。
(長嶋)頼りない声だな。
しゃんとしろカメ。
カメカメ言わないでください。
バナナでも食って元気を出せカメ。
室長もし再捜査が関係者の今の幸せを壊してしまうとしたら刑事として何ができるんでしょうか。
難しいことで立ち止まるなカメ。
すいません。
何か分かんなくなっちゃって。
そいつは困ったな。
困ったなって人ごとみたいに。
与えられた答えに意味なんかないんだよカメ。
その寝癖頭を絞って自分の答えを探せ。
時効まであと31時間だ。
絶対にあきらめるなよ。
《4月15日午前10時》《日向葵は夜勤を終えて自宅アパートに向かう》《最初に立ち寄ったのは》《借りたらすぐ聴きたいよな》《この川沿いでマラソンを日課にする近所の住民の目撃情報》《その住民は日ごろから帰宅途中の日向葵とよく顔を合わせ事件当日もあいさつを交わした》
(男性)ちわ。
こんにちは。
(男性)早く来いよ。
(男の子)追い付いてるよ。
《ここで田舎の両親に手紙を出す》《親思いの娘》《目撃情報ではそれが10時15分ごろ》
(冬樹)《俺さ日向先生と会ってから桜の花が一番好きな花になった》・
(男性)何すんだよ。
(男性)うるせえ。
(男性)あたたたた…。
(男性)村長に仁義も通さねえで家なんて建てやがって。
ちょっと落ち着いてください。
(男性)ここはみんなの公園だろうが。
(男性)みんなの公園だからルールがあるんだバカたれ。
ここはな20年も前から村長が仕切ってんだよ。
20年前?ちょっと待ってください。
その村長って人20年前からここにいるんですか?
(男性)姉ちゃんとこんなに近いの何年ぶりだろう。
会わせてくださいその村長って人に。
(村長)テント建てたきゃ貢ぎ物出せ。
あっいやここで暮らしたいわけじゃなくて写真を1枚見てほしくて。
これ。
覚えてませんか?15年前ここに来たはずなんです。

(男性)《村長!村長大変だ》
(村長)《大変ってどうした》
(葵)《酔っぱらって転んで頭を打ったみたい》《でも縫合すれば大丈夫》《すぐ病院行きましょう》
(村長)《よし》
(葵)《あっ婦長頭を打ったみたいなんです》《すぐ初療室に》
(志保)《外に出ててください》
(村長)《やだよ。
ここでこいつを待つよ》
(葵)《当直の先生はすぐにいらっしゃるんですか?》
(志保)《すぐに見えます。
大丈夫ですから》
(葵)《分かりました。
村長さんもう大丈夫。
行こう》
(村長)《公園で待ってるからなゲンさん》いました見つけましたゲンさん。
葵さんと立花志保の口論の元になったゲンさんです。
(塚本)おいちょっと待て。
何だこのにおい。
えっ?お前か?すいません。
(倉田)おい桜木悪いけどお前ちょっと。
(白石)でそのゲンさんってのはどこいたんだ。
ホームレスだったんです。
ホームレス?事件前日の日向葵の足取りを追ったんです。
その日の帰宅途中正午近くに彼女はケガをしたゲンさんというホームレスを富士見医大に連れてったんです。
ゲンさんは病院に行ったその後行方不明になっています。
そのときに日向葵がゲンさんを引き渡したのが看護師の立花志保です。
何か関係があるんじゃないでしょうか医療過誤と。
(深沢)新しい線が見つかりましたよ。
立花志保の夫はウィリス動脈輪閉塞症という病気にかかっています。
ウッウイルス動脈…。
(高峰)難病。
血管バイパス手術で完治するけど成功率はとても低い。
その手術の国内の第一人者は桐山だったな。
その桐山が立花志保の夫の手術に執刀します。
立花志保が頼み込む姿を病院の関係者が目撃してました。
(塚本)何だよやっぱ病院当たりゃよかったのかよ。
(白石)だから立花志保何も言わなかったのか。
立花志保と桐山義之。
ホームレスが運び込まれたのは4月15日の正午近く。
(倉田)どれも担当は桐山だ。
(塚本)カルテの不備はなかったはずですよね。
科捜研に回そう。
何か見つかるかもしれない。
桐山義之と立花志保を任意で引っ張ろう。
時効まであと12時間だ。
必ず犯人を逮捕するぞ。
(一同)はい。
(澤井)ちょっちょっと待ってください。
必要なことはわたしが先生の代わりに伺います。
そう申し上げたはずですよ。
桐山先生本人から話を伺いたいんですよ。
桐山先生。
警視庁捜査一課の桜木です。
ずいぶんとカワイイ刑事さんだね。
日向葵殺害の件でお話を聞きたいんですが。
日を改めてくれ。
被害者を救えなかった後悔で今の幸せが壊れてしまいそうな人がいるんです。
それがわたしに何の関係がある。
ちょっと待ってください。
これは任意じゃないのか。
強要するなら訴えるぞ。
(白石)お話は分かりました。
証拠揃えてまた伺いますよ。

(母親)先生。
今日の手術よろしくお願いします。
(桐山)大丈夫必ず成功させるよ。
10時間の長い手術だけど頑張ろうな。
先生は3時からあの子のオペに入ります。
あの子は手術を3年も待ったんですよ。
日本中のウィリス動脈輪閉塞症患者が先生を必要としているんです。
桐山の逮捕は立花志保の夫も犠牲にするってことですよね。
まあそうなるな。
(ため息)何なんですか?犠牲を生む逮捕って。
なら犯人を逃がすか。
3時から10時間か。
オペに入ったら終わりだな。

(看護師)すごいよね桐山先生。
日本人で初めてだって。
(看護師)ねっ。
でもうちの病院どうなんのかな。
(深沢)医療過誤の隠ぺいをネタにして桐山にだんなさんの手術を承諾させたんですね。
たばこを吸っても構いませんか。
だんなさんのために桐山をかばうんですか?たばこを。
悪いわね。

(白石)カルテはどうだ。
何か分かったか。
師匠時間ねえんだよ!相変わらず声でかいっすね。
耳栓しといてよかった。
意外とずぶといよね。
(竹林)ヤベえカルテの上で何枚もメモったみたいっすね。
その筆圧でかすかなくぼみが残ってるんすよ。
こんなもん読めるのか。
(竹林)くぼみの深さがそれぞれ違うからその深さで文字を振り分けていけば解読できるっす。
ただ時間が…。
30分だあと30分で解読しろ。
耳栓取らなきゃよかった。
検事長無理は承知です。
今は証拠不十分ですが必ず間に合わせます。
起訴の準備を進めていただけませんか。
大田区の通り魔事件では…。
いやしかしこのままでは時効を迎えてしまいます。
とにかく逮捕状出していただけませんか。
(塚本)3時まで時間ねえぞおい。
(高峰)室長も係長も手を尽くしてる。
・特命第4係です。

(大森)大森。
鑑定結果メールで送ったから確認して。
科捜研から。
メールチェックして。
OK。
(深沢)日向葵さんがホームレスを運び込んだときに作られたカルテのコピーです。
担当医はそのカルテの上で別の用紙にホームレスに施した処置心停止までの様子をメモしたようです。
記録に残したかったんでしょうね。
(深沢)その後存在しない患者のカルテを作成し隠ぺいを図った。
メモの文字は鑑定の結果桐山のものと一致しました。
日向葵さんはその事実に気が付いたから殺害された。
桐山先生は何の関係もありません。
立花さん。
これ以上桐山をかばっても意味ありません。
見ていただきたいものがあります。
桐山は来月から半年アメリカのスタンリー大学病院に客員教授として招かれています。
脳外科では最高峰といわれる病院で日本人が選ばれたのは初めてだそうです。
ご主人の手術2カ月後でしたよね。
桐山はご主人の手術より名誉を選んだんです。
全て話していただけますね。
(桐山)《開頭オペしてみるか》
(志保)《えっこの人ただの打撲じゃないんですか?》
(桐山)《さっさと準備して》白石さんカフスボタンを科捜研に回してください。
鑑定結果が分かったらすぐに連絡を。
(白石)分かりました。
(倉田)高峰は裁判所に逮捕状の請求だ。
(高峰)はい。
(倉田)3人は病院に向かってくれ。
(3人)はい。
間に合ってくれ。
(心電計の警告音)
(志保)《どうするんですか?病院に知れたら》
(桐山)《血管バイパス手術一度やってみたかったんだ》《硬膜下血腫で処理するから問題ないよ》・
(心電計の警告音)
(塚本)待ってください桐山先生。
(桐山)またかいいかげんにしてくれ。
日向葵殺害の件で話を聞かせていただきます。
ホームレス殺しとの関連も。
(桐山)ホームレス殺し。
何の話…。
しらばっくれんじゃねえぞおい。
(葵)《ゲンさんを実験台に使ったんですね?》
(桐山)《人のデスクをあさったのか》
(葵)《告発します》
(桐山)《分かってるよね君の留学は指導医のわたしが…》《告発しますこの件は》行くのは構いませんがオペは中止になりますよ。
警察は逮捕状もなしに患者を犠牲にしろと言うのか。
(桐山)では患者さんがわたしを待ってますので。
《考え直してくれ。
あれは医療の発展のためなんだ》《あなた最低です。
メスを握る資格なんかない》《告発はします帰ってください》《ちょっと何するんです…》
(葵)《うっ!あっ!》
(桐山)時効成立しましたね。
犯人は逮捕できたんですか。

(母親)先生うちの子は。
(桐山)手術は成功ですよ。
お子さんはもう心配いりません。
(母親)ありがとうございます。
ありがとうございます。
(桐山)では失礼します。
(深沢)待ってください桐山先生。
(深沢)桐山義之日向葵殺害の容疑で逮捕する。
何の冗談だ時効は成立したはずだ。
(塚本)残念だったな。
立花志保が提出したボタンからあんたの皮膚片が検出されたんだよ。
で凶器に付着してた犯人の血痕とDNAが一致した。
検察はそれを証拠として認めて時効前に起訴状を裁判所に提出したってわけだ。
逮捕しなくても起訴ができれば時効は止まる。
わたしの患者たちから恨みを買うぞ。
救える命が何人も失われることになる。
この逮捕がどんなに大きな犠牲を払うか分かっ…。
どんなにたくさんの命を救えても2人の命を奪った罪は消えません。
(村長)《あんた何でゲンさんを助けてくれたんだ?》《普通ホームレスなんかほっとくだろ》《ある人に胸を張れる医者でいたいからです》
(村長)《ほう幸せ者だなそんなふうに思われて》《もう別れちゃったんですけどね》《つい思ってもないこと言っちゃって》
(村長)《まだ思ってんのそいつのこと》
(村長)《だったら伝えなきゃ駄目だその気持ち》だから15年前の今日葵さんはあなたに会おうとしていたんです。
(冬樹)今の俺は葵に胸を張れる人間じゃないな。
結局葵に何もできないままただ千秋を傷つけただけだ。
15年前葵を傷つけたときと何も変わってない。
自分勝手で救いようがないよな。

(千秋)ホントそうね。
(冬樹)千秋。
刑事さんが呼んだのか。
すいません。
(千秋)日向先生のことはわたしも一緒に背負っていく。
だから戻ってきて。
(千秋)武も待ってる。
ありがとう。

(長嶋)おうカメ。
何してるんだこんなところで。
勉強のために資料借りようと思って。
そうか。
カメお前立花志保の夫が手術を受けられるように助成金を当たってるそうじゃないか。
はい海外で手術するしかないみたいで費用がすごく掛かるらしいんです。
それで?お前の答えは見つかったのか?まだ分かりません。
ただやっぱり犯人は許せないってそう思いました。
そうか。
この部屋の事件は全て今でも1秒ずつ確実に時効に近づいてる。
最後の一瞬まであきらめるわけにはいかない。
何があっても希望を捨てたら終わりだ。
はい。
あっそうだ今日は終わりだろ?カメ。
付き合うか?すいません今日は先約があるんです。
先約。
(一同の笑い声)お待たせしました。
あっこっち?はいはいは〜いいっぱい買ってきたよ。
(一同)かんぱ〜い。
いや〜ハハハハハうまいうま〜い。
(男性)うまいよホント。
(男性)なあ。
ねえ桜の下でよ。
よっしゃ歌っちゃおうかな。
歌がないと。
2015/10/27(火) 14:55〜15:50
関西テレビ1
絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 #02[再][字]

「時効7日前の魔物」
上戸彩 宮迫博之 山口紗弥加 丸山智己 杉本哲太 北大路欣也

詳細情報
番組内容
 桜木泉(上戸彩)に、1995年4月に起きた富士見医大の研修医だった日向葵(原田佳奈)が殺害された事件の資料を持ってくるようにと伝言が入る。当時発見されなかった凶器のナイフが発見されたため、4係に再捜査依頼がきたのだ。この事件は時効まであと1週間になっていた。科捜研での検査の結果、ナイフには犯人の血が包まれていた英字新聞には花粉が付着していたことがわかった。富士見医大に向かった倉田工(杉本哲太)と
番組内容2
塚本圭吾(宮迫博之)は、葵の治療にあたった医師・桐山義之(大高洋夫)を訪ね、病院内の捜査を申し出るが拒否される。泉と白石晋太郎(中原丈雄)は、当時は容疑者として疑われたものの証拠不十分で釈放された恋人で第一発見者である野宮冬樹(ムロツヨシ)を訪ねた。白石の質問に微かに動揺する冬樹だが、妻であり富士見医大で看護師長をしている千秋(高久ちぐさ)が出てきて話が中断する。そこで、白石はあることに気付く。
番組内容3
深沢ユウキ(丸山智己)と高峰涼子(山口紗弥加)は、事件発生直前に葵と冬樹が口論していたことを証言した、医師の東海林光輝(中村靖日)を訪ねた。東海林は、葵を恨んでる人間はたくさんいたはずだと証言。後日、4係に呼び出された千秋が、葵と当時の看護師長だった立花志保(阿南敦子)が1人の患者のことで言い合いになっていたことを証言する。夜、1人残り捜査資料を前に頭を抱えていた泉。すると電話が鳴り…。
出演者
上戸彩 
宮迫博之 
山口紗弥加 
丸山智己 
北川弘美 
木村了 
中原丈雄 
杉本哲太
 ・ 
北大路欣也 

ほか
原作・脚本
【脚本】
酒井雅秋
監督・演出
【企画】
成河広明

【プロデュース】
森安彩

【アソシエイトプロデューサー】
瀧山麻土香

【演出】
村上正典 
岩田和行
音楽
【メインテーマ】
「Dry Town〜Theme of Zero〜」LOVE PSYCHEDELICO

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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