アニメ 英国一家、日本を食べる「KAISEKI」 2015.10.27


(マイケル)
これは極東の国日本を訪れた我々家族の100日間の冒険の物語。
我々の目的は寺院巡りでも秋葉原でのショッピングでもない。
我々の最重要課題それは…
日本を食べ尽くす事だ。

(リスン)京都ってきれいな街ね〜。
京都の街は景観を維持するために建物の高さを制限したりデザインにも規制があるそうだよ。
だから東京に比べて空が広いし町並みが整っていて美しいのさ。
(アスガー)なんだまだ全然赤くなってないじゃん。
あら残念ね紅葉が見られると思ったのに。
この様子だと見頃はあとひとつきくらい先かな。
じゃあ私たちが日本にいる間は見られないのね。
え〜!がっかりだ。
ネットで見たモミジは真っ赤ですごくきれいだったのに。
そうだな。
…ただ日本人は紅葉の美しさだけを楽しむわけじゃないんだぞ。
どういう事?「もののあわれ」と言ってだなぁ日本人は自然やものなどに接する際にもうれしさや悲しさをしみじみと感じる心を持っているんだよ。
だから紅葉を見た時にも美しいと感じながらそこに人生のはかなさを感じたりするんだ。
あっすまん子供には難しいか。
なっ!何それ!子供扱いしないでよ!そのうち分かるようになるさ。
あっ…!ん?…ん?エミル!何してる!あっ!危ないぞ!下りてきなさい!わしらのモミジがぁ〜!やめてぇ〜!エミル!
(叫び声)エミルは!?無事着地したみたいだな。
ふぅ〜。
ん?
(カエルの鳴き声)うわあぁ〜!この季節でもまだカエルがいるんだなぁ。
感心してないで取って!エミル。
今のはよくないぞ。
みんなが大事にしてるものをめちゃくちゃにしたら駄目だろ?もしエミルの大事なオモチャを誰かに壊されたらどう思う?嫌だろ?何で2人だけで夕飯食べに行くの?エミルとママは?2人はホテルで留守番だ。
どうして?エミルを連れていくわけには行かないだろう?今から行くのは大人しか入れないお店だ。
え?わあ〜。
パパ今夜は何を食べるの?懐石料理だよ。
懐石料理?日本料理のある意味での頂点さ。
本来は茶席でお茶の前に主が振る舞う料理の事で茶懐石ともいう。
かの千利休が茶席で振る舞った料理は当初一汁三菜の簡素なものだったと言われているが料理屋の発展など日本の料理文化が成熟していく過程で茶事のための懐石から今日高級料亭などで出される料理そのものを楽しむ懐石へとつながったのだ
昔は一見客お断りなんていうところも多かったようだが最近はもう少し敷居の低いお店もあるんだ。
着いたぞ。
ここだ。
う…うん。
わあ…。
(助手)こちら本日の先付になります。
これっぽっち?懐石はコース料理なんだ。
先付というのはコースの最初の料理さ。
お詳しいんですね。
ええ。
少々勉強してきましたから。
じゃあアスガー頂こう。
うん!うん。
…ん?心の声随分控えめな味だなぁ。
心の声ただの蒸したカニか?いや違う。
ほんのりとした塩味にスダチの酸味と菊の花の苦み更にカニ独特の食感が絶妙なハーモニーを醸し出している。
そしてこれは京菜…。
しょうゆにもしやみりんが隠し味に入っているのか?なんて深みのある味だ。
お…おいしいね…。
まだお前には早かったか?そ…そんな事ないよ。
心の声さあてこれからどんな料理が出てくるのだろう。
期待に胸が膨らむな。
次は八寸になります。
八寸って何?一つのお盆の上に海の幸から山の幸まで季節の料理を数品載せたものだ。
まあ前菜の盛り合わせみたいなものさ。
ふ〜ん。
本日の八寸「秋のカワズ」です。
心の声カワズ…?この石は蓋なのか?という事はこの中に…。
カワズって何?あ〜…。
カエルの事だ。
うぇ〜!やだよカエルの料理なんて!シーッ!ご安心を。
味わって頂くのはカワズではありません。
(2人)え?カワズの心です。
カワズの…心?アッハハ…ハハ…。
アスガーそんな顔で相手を見るもんじゃない。
じゃあパパ!今の意味分かるの?う〜ん…。
心の声なぜ…カワズなんだ…。
(料理長)「去るときを知りて夜寒のカワズかな」。
ん?今のは俳句ですか?芭蕉?それとも一茶?恥ずかしながら私が詠ませて頂きました。
この一皿に添える一句この料理のテーマでございます。
テーマ…ですか。
その蓋を取ってお召し上がり下さい。
お〜。
これはキスですね?こっちはしめじこっちはぎんなん。
京都の味はいかがですか?油脂をあまり使わないので海外の方のお口に合うかどうか。
控えめな味付けが食材本来の味を引き立てて実に味わい深い料理です。
料理の基本は食材に味を付ける事だとばかり思っていましたが懐石の考え方は全く違う。
我々日本の料理人は食材が本来持っている味を引き出す事こそが自分の仕事だと思っています。
以前別の方にも同じ事を言われました。
食材は神様からの贈り物であると日本人は考えています。
だから手を加え過ぎないようにするのです。
日本料理は引き算の料理なんですよ。
引き算の料理…。
懐石料理というのは単純に高級な和食のコース料理だと思っていましたがどうやら違うようですね。
懐石にとって大切な事それは流れゆく季節をしっかりとつかまえる事です。
そのために懐石の料理人は季節の素材にこだわります。
そして心にも栄養を与える事料理を食べて腹を満たすだけでなく心も豊かになって頂く事です。
あの〜「カワズ」というのは一体…。
この八寸は秋に一匹だけ残ったカワズが見た情景です。
秋が深まるにつれカワズたちは姿を消し夕暮れ時にその鳴き声を聞く事もなくなります。
自らの孤独を知ってか知らずかただ石の上にたたずむカワズの目にも色づいた秋の情景が映っている。
料理長はそんなセンチメンタルな気分を表現したんです。
なるほど。
僕が今味わったのは単なる料理とは違うものだったようですね。
そうです。
あなたが味わったものは季節なんです。
心の声懐石は単なる料理ではなく知的で崇高ですらある何か…。
心のための料理。
心の声日本の秋だ。
秋が深まっていく。
実に美しい食事だったな〜。
色づいていく紅葉を見たような気分だよ。
アスガーお前にも見えたか?うっ…あぁ…うん…まあね。
心の声移ろいゆく季節を料理で表現する日本人…これもまた「もののあわれ」か…。
僕の息子にはまだ難しかったかもしれない。
でもいつか分かる日が来るのだろう。
ただいま!ただいま!おかえりなさい…。
どうした?エミルが御飯を食べようとしないの。
置いてかれてむくれちゃって。
あぁ…。
エミルただいま。
置いてって悪かったよ。
(エミル)許さない。
何食べてきたと思う?驚くなよ?秋のカワズさ。
信じられるか?カワズってのは…カエルの事だよ。
許す。
カエル?まあ間違っちゃいない。
はい。
ママにはお土産。
あら〜何かしら?さっき道端で捕まえた。
捕まえた?ジャーン!秋のカワズ!
(カエルの鳴き声)いやあぁ〜!ハッハッハッハッハ!こら!何やってんだアスガー!取って!取って取って!エミル取って!
(リスン)アスガー笑ってないで取ってって!あ〜あぁ〜!
季節の移ろいの物悲しさに浸るには今の我が家は少々騒がしすぎるようだ
あいつ本場京都の懐石料理を食べに行くとはなかなか感心だ。
どうもマイケルの友人トシです。
今日は本格的な茶事に招待されてやって来た。
うまい茶と茶懐石を頂くためだ。
今日の茶事の亭主木村定弘さん。
ようこそいらっしゃいました。
江戸時代から続く老舗料亭の料理長だ。
床飾りに触れるのが客の礼儀。
柿ですね?はい。
大徳寺の和尚の作品でございますね。
柿は秋の季語。
床飾りはその日の茶事のテーマを表す事が多い。
最初に出されるのがこの3品。
2つのお椀を同時に開けるのが決まりだ。
中身は御飯とみそ汁。
いきなり御飯が出るのには訳がある。
一服の濃茶をおいしく頂くために炊きたての御飯がつくんですね。
おなかに少しものを入れておくとおいしいんですねお茶がね。
みそ汁は赤と白を合わせたもの。
具は秋の食材カボチャに溶いたカラシ。
みそは夏は「赤」冬は「白」春と秋は「合わせ」を出すのが一般的だ。
次に振る舞われるのはなんと酒。
酒を頂き向付に箸をつける。
椀物の向こう側にあるから向付。
今日はヒラメの細造り。
米酢に薄口しょうゆを加えた二杯酢で味付けされている。
向付はお酒を頂戴するだけの酒の肴なんですね。
客をもてなすのは料理だけじゃない。
器も大事。
向付の定番織部焼。
美しい緑とユニークな文様が絶妙な味わいだ。
色絵が特長の九谷焼。
桜やぼたん菊など四季折々の花が美しい。
器の景色は料理を食べ終わったあとのサプライズ。
茶事をもり立てるんだ。
さあ料理に戻るか。
向付の次はこの煮物椀。
今日はハモの葛たたき。
黄色いゆずが香りを添える。
煮物椀というのはお茶事のお料理の中で一番ボリュームのあるもんですね。
大きなお椀にたっぷりした身そしてたっぷりしたおだしを張りますからだからいい材料を使わないとしんどいんですね。
煮物椀は茶懐石で一番の見せどころ。
3品目は焼き物甘鯛の若狭焼き。
みそ汁と3つのおかずこれが茶懐石の基本だ。
よく耳にする「一汁三菜」はここから来ている。
そして最後は濃茶を頂く。
この一服のために生まれたのが茶懐石。
マイケル茶の湯を知らずして日本料理は語れないぜ。
さあ今日はですね…懐かしいですか?2015/10/27(火) 16:05〜16:25
NHK総合1・神戸
アニメ 英国一家、日本を食べる「KAISEKI」[二][字][再]

イギリス人フード・ライターとその家族が、日本に滞在して各地の料理や食材を食べ尽くす!?「和食」をテーマに、一家の100日に渡る日本珍道中を描くコメディ・アニメ。

詳細情報
番組内容
京都の紅葉を楽しもうと、とある場所へやってきたマイケルたち。しかし時期が早すぎて、木々は部分的に色づき始めたばかり。がっかりするマイケルたちをよそに、エミルが無邪気に木をひっぱり悪ふざけを始めてしまう。すかさず弟を優しく諭すアスガーに感心したマイケルは、二人だけで懐石料理を食べに行こうと息子を誘う。父と二人の食事に期待を膨らませるアスガーだったが…。
出演者
【声】竹本英史,満仲由紀子,広橋涼,徳山靖彦,川上晃二,半田裕典,滝藤賢一
原作・脚本
【原作】マイケル・ブース,【翻訳】寺西のぶ子,【脚本】吹原幸太
監督・演出
【監督】ラレコ

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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