NHKニュース7 2015.10.27


アメリカのイージス艦が航行するのは、中国が主権を主張する人工の島から12海里以内の海域です。
緊張が高まることが懸念されます。
詰めかけたファンのお目当ては。
ラグビーの五郎丸選手。
お決まりのあのポーズは見られたのでしょうか。
こんばんは。
ニュース7です。
中国が人工の島を造成している南シナ海で、大きな動きです。
こちらの模型、南シナ海です。
この海域の南に位置するのが、南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島です。
この中で赤く示しているのが、中国が造成している人工の島です。
アメリカ政府はきょう、中国が主権を主張する人工島から、12海里以内の海域で、イージス艦を航行させました。
今後、米中間の緊張が高まることが予想されます。
日米外交筋によりますと、アメリカ政府は、中国が浅瀬を埋め立てて人工島を造成している、南シナ海の南沙諸島で、軍の艦艇を人工島から12海里、およそ22キロの海域の中で航行させました。
航行したのは、アメリカ軍のイージス艦ラッセンです。
アメリカ政府は、人工島の軍事拠点化が進めば、地域の安全保障を不安定化させるとして、中国側に再三、すべての作業をやめるよう求めていました。
ではこちらで改めて説明します。
南シナ海の南の海域に位置する南沙諸島。
およそ200の島や岩礁、それに浅瀬があります。
この南沙諸島を、中国やフィリピン、ベトナムなど、6つの国と地域が、領有権を主張しています。
特に中国は、こちらの領域で囲われた海域、すべてを管轄するなどと主張して、中国の赤い舌などと呼ばれています。
さらに中国は、おととしからことしにかけて、こちら、赤で示した7つの岩礁を一気に埋め立てて、人工の島にしました。
こちらがその状況です。
こちらをご覧ください。
人工の島には、戦略爆撃機も離着陸できる、滑走路なども建設され、周辺海域への軍事的影響力を強めようとしていると指摘されています。
こうした中、アメリカ軍のイージス艦はきょう午前、こちらのスビ礁の12海里、およそ22キロの海域内を航行したと見られています。
アメリカ軍艦の航行は、何を意味するのでしょうか。
12海里とは、国際法で定められた領海の範囲です。
中国は人工島の12海里以内に入った場合、主権の侵害に当たると主張しています。
これに対しアメリカは、人工的に造られた島は、国際法上、領海の基点にならないとして、これを認めない姿勢を示していて、今回のように、軍の艦艇を近づけても、問題ないとしているのです。
今回の航行について、中国外務省の陸コウ報道官は、アメリカの軍艦は、中国政府の許可を得ずに、不法に侵入したと非難し、中国の関係部門が法に基づいて、監視、追跡、警告したと述べました。
一方、領有権を争うフィリピンは、アメリカの航行を支持しています。
また菅官房長官は。
今後、事態が発展するおそれはあるのか。
専門家は。
では、アメリカと中国で取材している記者は、今回の事態をどう見ているんでしょうか。
まず、ワシントン支局の石山記者に聞きます。
石山さん、アメリカはなぜ、このタイミングでイージス艦の派遣に踏み切ったんでしょうか?
中国に対し、これ以上の人工島の造成、さらには軍事化を、アメリカ政府としては絶対に認めないという姿勢を、はっきりと伝えるねらいがあったと見られます。
アメリカ軍内部では、予想を超える規模とペースで進む造成工事をこのまま放置すれば、複数の滑走路の建設を許し、その軍事的影響力が、南シナ海全域に及ぶ危険があると指摘されていました。
これまで、外交的な圧力で解決の糸口を探ってきたオバマ大統領ですけれども、先月の米中首脳会談でも、習近平国家主席が歩み寄りを見せず、国内的にも弱腰だと批判されていたこともあり、もはや、許容できる段階を越えたと判断したと見られます。
アメリカ政府は、さらに、緊張を高めることは避けながらも、今後も継続して、艦艇を派遣する構えも見せて、中国の出方を見極めると見られ、当面、双方の駆け引きが続くことになりそうです。
続いて北京にいる中国総局、高木記者に聞きます。
高木さん、中国は強く非難していますが、今後、どう出てくるのでしょうか。
中国外務省の報道官は、きょうの会見で、アメリカが緊張を作り出していると強く非難し、人工島で軍事拠点化を加速させる可能性を示唆しました。
領土主権を主張するための根拠をさらに強化していく姿勢です。
一方で、圧倒的な軍事力を持つアメリカと、これ以上の対立は望んでいません。
中国は最近、米中の軍事交流を演出しているほか、ASEANとの話し合いを進める姿勢を強調しています。
ただ、領土主権に関わる問題で、弱腰と見えれば、国内で共産党批判につながりかねません。
習近平指導部は、対外的に強硬な態度を取りながら、国際社会では、これ以上の孤立化を避ける方策を探っていくものと見られます。
次は、いじめを巡る異例の再調査についてです。
きっかけは、ことし7月、岩手県矢巾町で中学2年生の村松亮さんが、いじめを苦に自殺したと見られる問題でした。
担任の教諭とやり取りしていたノートには、死にたいなどと書かれていましたが、学校は、いじめはゼロと報告していました。
この問題を受けて文部科学省は、6月に回答を得ていたいじめの実態調査を、改めてやり直しました。
その結果、昨年度確認されたいじめは18万8000件余り。
調査をやり直す前に比べて、3万件近く増えたことが分かりました。
鳥取県倉吉市の市立西中学校です。
いじめは0件と報告していましたが、再調査では37件と報告しました。
件数が増えたのは、いじめに関するアンケートの回答を見直したからです。
これまでは、悪口を言われたとか、からかわれたなどのケースを、いじめにまでは至らないトラブルと判断していました。
しかし、調査のやり直しで、文部科学省が出した通知では、短期間に解消したケースも計上するよう求められました。
このため、からかわれたが今はされていないといった事例も計上し、件数が増えたということですが、現場では戸惑いも感じています。
いじめによる自殺で娘を亡くした小森美登里さんは、小さな出来事を見逃さない姿勢が大事だと指摘しています。
何をいじめと判断するのか。
子どもたちと一緒に考えていく取り組みも始まっています。
大阪・吹田市の豊津第一小学校です。
いじめ予防に特化した授業が行われています。
この学校では、いじめを4つのキーワードで定義しています。
1つ目は、人数の差など、力の差があること。
2つ目は、繰り返し行われること。
3つ目は、偶発的ではなく、意図的であること。
4つ目は、片方だけが嫌な思いをするなど、不公平な影響があることです。
授業を受けている子どもたちは。
こうした授業を通じて、子どもだけでなく、教員の意識も変わってきたといいます。
20年ぶりに釈放された、青木惠子さんら2人の裁判のやり直し。
検察が特別抗告しない方針を決めたことが分かりました。
今後、はじまる見通しの裁判では、検察が新たに出せる有力な証拠はないことから、2人の無罪が確定する公算が大きい見込みです。
きのう釈放された青木惠子さんは、奈良県内にある、娘の青木めぐみさんの墓を初めて訪れました。
当時、小学6年生だっためぐみさんは、平成7年に起きた火事で死亡しました。
青木さんはこの火事で、内縁関係にあった朴たつひろさんと共に、放火や殺人の罪で、無期懲役が確定しましたが、裁判のやり直しが認められました。
一方、2人の裁判のやり直しについて、検察が最高裁判所に特別抗告しない方針を決めたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
これによりやり直しの裁判が始まる見通しになりましたが、検察が新たに出せる有力な証拠はないことから、2人に無罪が言い渡され、確定する公算が大きい見込みです。
次は消費税の軽減税率です。
自民、公明両党はきょう、およそ1か月ぶりに、与党協議を再開させました。
焦点の一つが、どの品目を軽減税率の対象とするのか、その線引きです。
財務省はことし5月、こちらの3つのケースを示しました。
酒類を除く飲食料品、生鮮食品、それに精米の3つで、それぞれにメリットやデメリットがあります。
例えば生鮮食品を対象にする場合ですが、線引きが難しくなります。
同じ刺身でも、サーモンの刺身だけなら生鮮食品ですので、軽減税率の対象になります。
しかし、サーモンにヒラメやタイなどを加えた刺身の盛り合わせにしますと、ひと手間かかった加工食品の扱いになるため、軽減税率の対象にならないのです。
自民、公明両党は、来月中旬までの合意を目指し、調整を急ぐことにしています。
本格化している軽減税率の議論。
消費者は今、どのように感じているのでしょうか。
消費税の軽減税率。
導入にあたって課題となるのが、対象となる品目の線引きと財源です。
財務省が示した3つのケースのうち、生鮮食品を対象にする場合は、線引きが難しくなりますが、対象を精米に絞れば、線引きの難しさはなくなります。
ただ、ほとんどの食品が軽減税率の対象外になるため、消費者の負担感の緩和にそれほどつながらないと見られています。
逆に酒類を除く飲食料品まで対象を広げると、線引きは簡単なものの、2%の増税分を軽減する場合、1兆3000億円程度の減収が見込まれます。
消費税の増税分を充てることとしている社会保障の財源が、確保できなくなりかねないと指摘されています。
さらにこのスーパーでは、軽減税率が導入されると、税率が複数になるため、経理事務の負担が増えるのではないかと心配しています。
こうした中、およそ1か月ぶりに再開された自民、公明両党の協議。
この中で公明党は、軽減税率の対象品目について、国民の税の負担感を緩和することが重要だとして、酒類を除く飲食料品とする案を念頭に、できるだけ幅広くするよう求めました。
その上で、軽減税率による減収が、社会保障の充実に影響しないよう、去年4月の消費増税後、一定の所得以下の人に現金を給付している、簡素な給付措置を取りやめるなどして、その財源を充てることなどを提案しました。
これに対し自民党は、簡素な給付措置などは、臨時的な措置であり、恒久的に財源に充てることはできないと難色を示し、あくまでも軽減税率による減収は、社会保障に影響を与えない4000億円程度にまでとどめ、対象を絞り込むべきだという考えを示し、平行線となりました。
両党はあさって、改めて協議を行うなど、来月中旬までの合意を目指し、調整を急ぐことにしています。
中央アジアなど、6か国を歴訪中の安倍総理大臣は、最後の訪問国のカザフスタンを訪れています。
ナザルバーエフ大統領との首脳会談では、カザフスタンの経済構造改革のすいしんにむけて、両国が協力していくことで合意しました。
首脳会談は、首都アスタナの大統領府で行われ、冒頭、ナザルバーエフ大統領は、両国には経済運営の面でも、政治の面でも、何一つ問題はなく、いろいろな分野で協力していくことが重要だ。
安倍総理大臣の中央アジア歴訪は、この地域にとって、非常に重要な意味を持つと述べました。
これに対し、安倍総理大臣は、次のように述べました。
そして両首脳は、資源依存型の経済から脱却するため、日本からカザフスタンに中小企業の育成に関する専門家を派遣したり、研修生を日本で受け入れたりするなど、経済構造改革の推進に向けて協力していくことで合意しました。
また両国が原子力協定を結んでいることを踏まえ、原子力発電所の建設実現に向けた協力関係を強化していくことや、カザフスタンに日本式のがんの診断センターを設立するなど、医療分野でも協力していくことで合意しました。
ロシアの影響力が色濃く残り、中国も存在感を増している中央アジア。
戦略的に重要とされるこの地域に対し、安倍総理大臣は、経済や安全保障など、さまざまな分野で、貢献を重ねる姿勢を強調し、日本の存在感を示そうとしました。
また、みずからが掲げる積極的平和主義や、国連の安保理改革などでも各国の支持を得ることができたと、成果を強調しました。
安倍総理大臣はこのあと、アスタナにある大学で、対中央アジア外交についての政策スピーチを行い、歴訪を締めくくることにしています。
次は、まずこちらを聞いてください。
ファイト!一発!
この音。
おなじみですよね。
そうですね。
こうした企業の商品やブランドイメージとして使われる音などを、新たに商標として登録できる制度が、4月から始まりました。
特許庁はきょう、登録を認めた最初の43件を公表しました。
映画が始まるときの、おなじみのマーク。
動画として会社のロゴの背景に光りが輝いている様子が、商標になりました。
コンビニエンスストアの店舗の正面の上の部分。
オレンジと白のラインのデザイン。
これが位置の商標になりました。
動画や位置、音など、合わせて43件が、商標として初めて、登録が認められました。
商標は、会社の商品やサービスが、ほかの会社のものと違うことを分からせるための、社名やロゴマークなどのことです。
登録されると、企業は独占的に商標を使うことができます。
日本ではこれまで、文字やロゴマークに限られていましたが、政府は、企業のブランド戦略を後押ししようと、新たに音や色、それに動画なども、商標として登録できるようにしたのです。
私たちがふだん使うジーパンにも、新しい商標が認められそうです。
この衣料品メーカー、ジーンズなどのポケットに付けられた赤いタグの位置が、商標として認められました。
海外では、この赤いタグを付けた模倣品のジーンズが出回っているため、メーカーでは、模倣品対策につながると期待しています。
おーい、お茶。
音の商標として認められたテレビコマーシャルに使っている、おーい、お茶のフレーズ。
このメーカーはこれまでも、商品名を文字として商標登録は取っていましたが、メロディーについても権利を守る必要があるとして、登録の出願をしたということです。
一方、今回は、色の登録は見送られました。
特許庁は、登録を認めるには、ほかの商品と区別できる必要があり、慎重に判断していると説明しています。
ニュースを続けます。
国土交通省が沖縄防衛局の申し立てを認めました。
名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消した、沖縄県の翁長知事の決定を、一時停止することを決めました。
さらに、知事に勧告や指示を行い、従わない場合、最終的に国土交通大臣が知事の代わりに承認する、代執行などの手続きに着手する方針です。
一方、沖縄県は、国と地方の争いを調停する総務省の国地方係争処理委員会に、審査を申し出る方針を固めています。
犠牲になった人は300人を超え、大きな被害が出ています。
アフガニスタン北部できのう起きたマグニチュード7.5の地震。
アフガニスタンと、隣国パキスタンの両政府は、山岳地帯などでの被害の状況の把握を進めるとともに、救助活動に全力を挙げています。
このうちパキスタンで被害を受けた住宅は、少なくとも2500棟余りに上り、倒壊した住宅などの下に、まだ多くの人が取り残されていると見られています。
2年ほど前から行方が分からなくなっていた不動産会社社長が、前橋市で遺体で見つかった事件。
遺体を遺棄したなどとして、知り合いの男2人が逮捕されました。
警視庁によりますと、調べに対し、殺害をほのめかす供述もしているということです。
また、おととし11月、土地の売買を巡るトラブルで、社長が2人のうちの1人から、暴行を受けていたことが、警視庁などへの取材で分かりました。
社長は、この直後に行方不明になっていて、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
ラグビーのワールドカップで、日本代表の中心選手として活躍した五郎丸歩選手が、所属チームで練習を再開。
大勢のファンが詰めかけました。
今月13日の帰国後も、行事などに追われた五郎丸選手。
ワールドカップでは、独特の構えからキックを次々と決め、4試合で58得点を挙げて、史上初の3勝に貢献しました。
久々の所属チームでの練習。
平日にもかかわらず、およそ120人のファンが詰めかけました。
全体練習のあとは、ファンも待っていたプレースキックの練習。
国内のトップリーグは来月開幕し、五郎丸選手が所属するヤマハ発動機は、14日が初戦です。
プロ野球の日本シリーズは第3戦。
今夜から舞台は神宮球場です。
試合は点の取り合いになっています。
ヤクルトの山田に、このシリーズ、初ホームランが出ています。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
今夜からあすの明け方にかけては、雷雨や突風に注意が必要です。
この前線に伴う発達した雷雲が今、次第に東へと移動してきています。
このあと、この雷雲は、さらに発達をして、陸地にかかる所、多くなりそうです。
特にどの辺りが注意が必要でしょうか。
このあと、日付が変わったころ、特に近畿や北陸付近で大気の状態が不安定となります。
雷雨となったらまた突風を伴うおそれがあります。
またこの南の海上の低気圧に伴う発達した雨雲が北上してきまして、伊豆諸島南部では激しく雨の降る所がありそうです。
この雨は、あすの朝にはやむ所が多くなりそうです。
そうしますと、日中は天気は快復してくるということでしょうか?
低気圧や前線は、日中は次第に東へと離れて、かわって、高気圧が移動してきますので、西日本から次第に天気は回復する見通しです。
ではあすの全国の天気です。
2015/10/27(火) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽南シナ海に米軍艦艇 ▽いじめ異例の再調査 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

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