≫たたいたりしたらいけないそうなんですよ。
（成美のため息）
（リポーター）《長い黒髪の女性を立て続けに４人も殺害し世間を震撼させた通称神の処刑事件》《ここで田口成美さんが殺害され遺体が発見されたのを最後に犯行は突如止まりました》・
（古賀）佐久間管理官。
現場から立ち去った男の身元が割れました。
レンタルビデオ店店員安岡浩二４０歳。
（佐久間）詳しく話せ。
（古賀）被害者はストーカーの被害届を出しており被害者宅には脅迫状めいた手紙が送られていました。
その手紙の指紋と殺害現場のものが一致しました。
（佐久間）身柄確保に全力で当たれ。
（古賀）はい。
（キャスター）昨日２３日大田区の多摩川河川敷でインテリアデザイナーの内山寛子さん２８歳が…。
（高峰）おはようございます。
（白石）おう。
（桜木）ヤバいみんな来てる。
３分前。
（塚本）蒲田のみんな元気してっかな。
白石さんさ俺が蒲田南署にいたときの話なんすけどすげえ面白えやつがいて…。
三井ちゃん三井ちゃんちょいちょいちょいちょい…。
ちょい待ちちょい待ち。
ちょい待ちちょい待ち。
三井ちゃんさスワローズのファンでしょ？今度一緒にどう？
（三井）その日予定があるんです。
また今度誘ってください。
アハ。
（塚本）おい寝ぼすけ。
２枚で６，２００円のところ６，０００円で譲ってやるよ。
えっ？俺は根っからの阪神ファンなんだよ。
はいおまけ。
いや別にわたし野球とか興味ないんですけど。
たっ高峰さん。
（高峰）あっ駄目駄目うちの子文化系だから。
白石さん。
（白石）彼氏とでも行ってきなさい。
忙しくて３カ月連絡してないんですよ。
（塚本）フフじゃあその恋はもう終わっちゃってるね。
（白石）ハハハハ。
誘ってみます。
（白石）おう。
あっおはようございます。
（高峰）おはよう。
（白石）深沢。
深沢。
（長嶋）ほれ。
（倉田）また買っちゃったんですか。
だから言ったじゃないですか。
（ノック）
（深沢）失礼します。
室長お話があります。
何だいやけに深刻な顔して。
・
（アナウンス）「おかけになった電話番号は現在使われておりません」番号変えられた。
・
（塚本）アハハハハハ。
（舌打ち）・
（倉田）みんな聞いてくれ。
再捜査だ。
（高峰）どの事件ですか？
（倉田）８年前の神の処刑事件だ。
昨日起きた蒲田の事件と同一犯かもしれない。
証拠品すごい量ですね。
（高峰）被害者４人もいたからね。
（白石）犯人はてっきり死んだものだと思っていたがな。
８年間何してたんだろ。
刑務所で服役してたとか？あっ海外に逃亡していて日本に戻ってきたとか。
（高峰）そもそも同一犯なのかわたしは疑問ね。
（白石）本部発表の概要によれば今回の蒲田の被害者は手足を縛られ刃物で刺されていた。
（高峰）８年前神の処刑事件の犯人は遺体にナイフでＧＯＤとしるし髪を切り落として持ち帰った。
でも今回の事件はそれがないわね。
（白石）それに過去の４件と違って被害者を椅子に縛り付け処刑スタイルで殺害していない。
今回だけどっか別の場所で殺害してから河川敷に遺棄してるって点も違いますよね。
（深沢）しかし一致点も多くあります。
２０代後半の長い黒髪女性という被害者の特徴。
両手両足をひもで縛りナイフで殺害しているという点。
それと独自につかんだネタが１つあります。
ひもの結び方。
結び方？
（深沢）桜木座れ。
今回の蒲田の被害者も過去と同様の結び方で縛られていたらしい。
（深沢）こうやってちょうちょう結びのわっかになった部分をもう一度止め結びをする。
スポーツ選手などが靴ひもがほどけないようによくやる結び方だそうです。
第１発見者の中学生を見つけて聞き出しました。
野球部に所属して同様の結び方をよくするので気が付いたそうです。
（塚本）でもそれだけで同一犯って言い切れるのか？
（深沢）今回事件が起きたのは４月２３日です。
８年前最初に事件が起きたのも同様に４月２３日でした。
そこからエスカレートするように立て続けにさらに３人の女性が殺害されました。
（白石）相違点と同時に類似点もあるということか。
（高峰）深沢にしては緩い根拠ね。
だがもし同一犯だった場合新たな被害者が出るかもしれない。
可能性があるなら早急に調べる必要がある。
この事件が未解決になった理由は有力な目撃情報がなく被害者の外見的な特徴のほかに共通点が見つけ出せなかったところにある。
これを見てくれ。
（深沢）殺害現場居住地通勤地だけじゃなく交友関係など被害者に共通点はまったくなかった。
犯人は手当たり次第に狙ったってことですか。
土地勘がある方が犯行はやりやすいだろ。
犯人は都内全域を移動する仕事をしてるとか？
（倉田）すでに科捜研には過去の遺留物の再鑑定を依頼してる。
今回の捜査のポイントは当時見つけられなかった４人の何かしらの共通点を見つけ出し蒲田の事件と結び付くか検証することにある。
関係者への聞き込みは徹底的に行ってくれ。
レコーダーがあれば聞き込み楽ですね。
（倉田）いや後でお前が全部文章に起こすんだ。
えっ？室長がお前向きだと。
不満があるなら言っとくぞ。
あっいえいえわたし向きだと思います。
（深沢）俺は蒲田の事件現場の様子探ってきます。
（倉田）高峰も同行してくれ。
（高峰）はい。
（倉田）塚本と桜木は当時の関係者への聞き込みを頼む。
（塚本）はい。
（倉田）白石さんは８年前に容疑者だった人物が今回の事件の発生時にアリバイがあるかどうか調べてください。
（白石）はい。
あっあのちょっと待ってください。
同一犯の可能性があるんだったら当然今回の事件資料も必要なんじゃないでしょうか。
特捜本部にはすでに情報開示を求めたがまだ返答がない。
えっ何でですか？あっちょっとあの。
（倉田）何だ。
あの。
高峰さん神の処刑事件のプロファイリングチームにいたんですよね。
犯人像は３０代から４０代男性。
体力があり知的でもある。
自己顕示欲と支配欲が強い。
長い黒髪の女性に対して何か強烈なストレスを与えられたトラウマがある。
犯行後髪を持って帰ってるのは屈服させたことの証しね。
（深沢）どうして今回は処刑スタイルで殺害せず髪も切り落とさずＧＯＤと署名もしなかったのか。
（高峰）人間の趣味趣向性格はそう簡単に変わらないわ。
同一犯と決め付けるのは早計じゃない？何？この事件に個人的に何かあるの？別に。
単なる未解決事件の１つですよ。
（深沢）捜査一課特命対策室の深沢です。
うちで捜査中の未解決事件との関連を調べてる。
現場を見さしてもらいたい。
（捜査員）特命が何の用だ？勝手にうちのヤマ荒らすな。
（深沢）殺害現場の詳しい状況と鑑識結果が知りたいだけだ。
そんなものお前らに教えられるわけないだろ。
（深沢）メンツと縄張り意識か。
１つ忠告しといてやるよ。
あんたらじゃこの事件は解決できない。
深沢交渉下手過ぎ。
（田口）お願いします。
８年前連続殺人犯にうちの娘が殺されました。
何でも構いません。
どうか情報下さい。
お願いします。
（田口）警察か。
（田口）いまさら何の用だ。
わたしは警察には何も期待してない。
つい先日蒲田で起きた女性殺害事件ご存じですか？
（田口）えっ？
（塚本）われわれはその事件と８年前の事件の関連性を調べてます。
（芳江）《すごいじゃない赤坂のギャラリーなんて》
（田口）《あきらめないで頑張ってきてよかったな》
（成美）《うんでもまだこれからよ》
（芳江）《お父さんと毎日見に行っちゃおうかな〜》
（成美）《やめてよ恥ずかしい》
（良美）《それじゃわたしも見に行こっか》
（成美）《何よその言い方》
（一同の笑い声）すてきな写真ですね。
（田口）ありがとうございます。
散らかっていて申し訳ない。
一人暮らしだといろんなことが面倒になって。
あの失礼ですけど奥さまは。
（田口）下の娘を連れて出ていきました。
（バイブレーターの音）
（呼び出し音）
（芳江の笑い声）
（田口）《あのときお前がテレビなんか見ていたからだ》《成美の電話に気付いて駅まで迎えに行ってやってれば》《お前のせいで成美は死んだんだ》
（田口）妻を責めないとやりきれなかった。
わたしは事件に執着した。
それがより妻を苦しめることに。
わたしは成美だけでなく全てを失ってしまった。
お疲れさまです。
（深沢）あっ桜木。
第１被害者の遺族から話を聞いたが今回の事件とは共通点はなかった。
こっちも駄目でした。
（高峰）情報開示がないとどこかで必ず行き詰まる。
弱気だね。
特捜本部出し抜く気持ちがねえと事件なんて解決しねえぞ。
（高峰）偉そうに。
・
（道尾）大変です。
あのあのめちゃくちゃ怒ってて。
（塚本）誰が。
（道尾）それがあの。
（古賀）うちのヤマの情報開示を求めたそうだな。
（倉田）８年前の神の処刑事件との関連を調べてる。
俺たち殺人犯係が扱ってんのは本流の事件だ。
すでに迷宮入りした事件と勝手に結び付けるな。
（倉田）おい古賀。
（古賀）おいお前だろ蒲田のヤマ荒らしたのは。
（深沢）荒らすも何も追い返されましたよ。
こっちはすでに犯人の目星も付いてんだ。
がたがたかぎ回られたら捜査に支障を来す。
迷惑だ。
（倉田）目星が付いてんなら教えてくれ。
こっちでもそいつのこと調べる。
だからその必要はないって言ってんだよ。
俺たちは現在進行形の事件山ほど抱えてんだ。
過去を振り返ってる暇なんかない。
だいたいなお前だってかつては殺人犯係にいたんだ。
情報を出せないことぐらい分かってんだろ。
（深沢）どうしますか。
（倉田）どうもこうもない。
うちでやれることをやる。
引き続き情報開示を求めていく。
（ラーメンをすする音）係長と古賀さんって。
（白石）倉田が殺人犯係にいたころ互いに一課を背負うライバルだった。
でももともと相いれない部分があったんだろ。
立場が変わってより犬猿の仲になった。
（高峰）白石さんかつての容疑者の方どうでした？
（白石）全員今回の事件が起きたときには何かしらのアリバイがあったな。
（塚本）結局手掛かりゼロか。
誰かさんが頭でこねくり回して同一犯だと結び付けただけなんじゃねえのか？
（深沢）それすらできない筋肉バカが。
（白石）おいおいいがみ合うなったく。
飯がまずくなる。
でももし同一犯だったら怖いですよね。
犯人は世の中に何げに潜んで普通に日常生活を送ってるかもしれないってことですよね。
今この瞬間もどこかに潜んで。
お疲れさまです。
皆さんよかったらこれどうぞ。
どうですか？
（大森）どうもこうも犯人が縛ったひもばっかり見てたらわたしまで縛られてる気になってきたわ。
（竹林）今日夢で絶対縛られますよ。
（大森）どちらかというとわたしは縛る方が好みだけど。
（秋山）お疲れさまです。
差し入れだ。
何だ。
（秋山）深沢さんってそういうことするキャラでしたっけ。
（大森）怪しいわね。
今回の事件何かあると見た。
（深沢）別に大したことじゃない。
俺が刑事として初めてかかわったのが神の処刑事件だ。
だから今回の事件が同一犯かもしれないってすぐに気付いたんですね。
（深沢）別段思い入れがあるわけじゃない。
（大森）最初に担当した事件ね。
そういうセンチメンタルなとこあるんだ。
それより何か見つかったのか？
（大森）あのねそんな…。
（竹林）あっヤベえ見つけちゃったかも。
えっ？
（竹林）あっこの粒子たぶん砂っすね。
当時発見されてないっすよね。
砂。
もしかして犯人はサーファーかも。
（竹林）よっ名探偵桜木。
砂イコール海とはかぎらないだろ。
砂の種類を特定しつつほかの３件にも付着してなかったか調べてくれ。
（竹林）はい。
（雅子）「あまりに突然のことでわたしも動揺してしまったんです」
（雅子）《結婚？》
（美里）《そりゃ彼は劇団の役者で生活は厳しいと思うけど２人で一緒に頑張っていくつもり》《何よ急に》《お父さんだって許さないはずよ》
（美里）《やっぱり》《反対すると思った》
（雅子）《当たり前よ》《今日式場予約してきたから》
（雅子）《何を勝手なこと。
絶対認めないわよ》
（美里）《出てくねわたし。
彼の家に行く》
（雅子）「１０日後連絡がありました」「娘が殺されたと」
（雅子）「あの日が最後だと分かっていれば」
（雅子）「悔やんでも悔やみきれません」《この間彼女は何をしてたんだろう》カメ泊まりか。
おはようございます室長。
いつから巣に戻ってないんだ。
２日前。
どうした。
大丈夫だと思いますけどにおったら申し訳ないので。
それでどうだ？被害者遺族の声を聞いてみて。
胸が痛いです。
悪いのは犯人なのに思いをどこにもぶつけられなくて自分を責めたりして。
それに被害者の方々もこれからやりたいことがいっぱいあったはずなのに。
被害者の行動を整理したものか。
どんな人なのか気になったので。
まさにカメの得意分野だな。
えっ？こつこつ努力するその長所をどんどん磨け。
はい。
《２００２年４月１３日１３時》《野坂美里さんは信濃町駅で婚約者と待ち合わせ》《神宮ウェディングヴィレッジに向かった》《このとき結婚式の日取りを決め式場の予約を済ませた》《１５時》《劇団の稽古があった婚約者とここで別れた》《彼女は４時間近く何を？》《両親に反対されるのは分かっていた》《帰りづらかった》《ゆっくり考え事がしたかったのかも》
（女性）《え〜何で？イタリアンのお店なのに？》
（女性）《そうそうそうそう》《こういう所で結婚の話をどう切り出そうか悩んだのかも》《でも最後には決心した》《反対されたら家を出ると》《幸せになるはずだったのに彼女は１０日後に殺された》・
（記者）蒲田南署前です。
容疑者逮捕の一報を受け多くの報道陣が詰め掛けています。
大田区女性殺害事件の容疑者の身柄が…。
どうしたんですか？
（記者）容疑者はレンタルビデオ店店員安岡浩二４０歳。
漫画喫茶に潜伏していたところを捜査員に逮捕されたとのことです。
容疑者の指紋が殺害現場にあったものと一致し衣服には被害者の血痕が付着していました。
安岡は８年前の事件が起きたとき傷害で刑務所に入っていた。
蒲田の事件単なる別件だったのか。
やっぱ同一犯じゃなかったな。
（記者）インテリアデザイナーの内山寛子さんが手足をひもで縛られた状態で死亡しているのが発見されたもので警視庁では殺人死体遺棄事件と断定して…。
（高峰）これで振り出しね。
深沢さん来ませんね。
（塚本）合わせる顔がねえんじゃねえか？今回の再捜査どうなるんですか？
（高峰）室長と係長が協議してる。
過去の４件とも全て同じ成分の砂が検出されたそうだ。
４件とも。
（白石）ああ。
もし蒲田の現場でもその砂が検出されていたら。
同一犯の線が有力だな。
その場合には安岡は誤認逮捕ということになる。
（塚本）さすがにそれはないっしょ。
けど同一犯だったらまた犠牲者が出るかもしれないってことですよね。
何とかして調べる方法はないんでしょうか。
何とかって何だよ。
例えば捜査本部に忍び込んで証拠物件の資料見に行くとか。
（白石）ついこの前までそういう決まりを守らない捜査方法には納得がいかないって言ってなかったか？あっでもこのままだったら。
（塚本）だいたいそれ懲罰もんだぞ。
捜査資料の結果報告は捜査本部のデスクに置いてある。
見ようと思えばものの１分よ。
（塚本）やるんならお前がやれよ。
分かりました。
（塚本）バッバカ冗談だよ。
お前なんか行ったら一発で見つかっちまうだろうが。
（高峰）そういえば塚本さん確か一課に来る前蒲田南署にいたんですよね。
（塚本）そうだけど？いるんじゃないですか知り合い。
いるけど？なじみの場所なんだよな。
（塚本）そうですけど？
（高峰）特捜本部を出し抜く気持ちがなければ事件なんて解決しない。
そう言ったわよね。
（塚本）そう言ったけど。
（白石）吐いたつばは飲み込むのが男だ。
（塚本）んっ？んっ？捜査一課特命対策室の深沢だ。
殺人犯係の古賀とよくつるんでる記者ってのお前か。
安岡の取り調べ状況教えてほしい。
うちがつかんでるネタの確証がとれればスクープになる。
（阿川）それと引き換えってことか。
ああ。
（阿川）警察ってのはおかしな組織だな。
同じ身内で頼めばいいものをわざわざ部外者に頼むとはな。
（塚本）お疲れっす。
お疲れっす。
（捜査員）ういっす。
・
（捜査員）何をやっている。
お前。
（倉田）申し訳ない。
（古賀）部下にどういう教育してんだ。
（白石）塚本それでどうだった。
おい白石。
（塚本）あっ今回の現場にも犯人の遺留物に砂がありました。
（高峰）じゃあ同一犯の可能性はゼロじゃないし安岡は誤認逮捕かもしれないってことね。
（古賀）そんなバカなこと。
・
（深沢）安岡否認してるそうじゃないですか。
やつは被害者のかばんの裏地にＧＰＳの発信機を忍ばせていた。
４月２３日の夕方確認したところＧＰＳは多摩川河川敷で反応した。
そしてその場所まで行ってみるとすでに内山寛子さんは死んでいた。
慌ててＧＰＳを回収している際に指紋が現場に付着し血痕が衣服に付いた。
そう証言してるんでしょ。
お前どうやってそれを。
（深沢）そんなこと古賀さんに教える義理はないでしょ。
そもそも古賀さんが警部なら俺も警部。
階級は一緒だ。
あんたに命令される覚えはないんですよ。
何だと貴様おい！
（倉田）深沢やめろ。
古賀もやめてくれ。
（古賀）この際だうちの見解を話しとく。
神の処刑事件と今回の事件はあまりにも相違点が多い。
同一犯と考えるには無理がある。
しかし類似点があるのも確か…。
（古賀）殺害方法が違うんだよ。
ナイフで殺したのはおんなじだが過去の４件はほぼめった刺しの状態だ。
蒲田のヤマの刺し傷は心臓に１カ所。
同一犯の可能性は低いと判断して当然だ。
（塚本）痛て。
長嶋管理官この責任はどう取るんですか？現場を混乱させて申し訳ない。
ただ同一犯の可能性がゼロでないかぎり特命としては動かないわけにはいかない。
では一課長に報告してこの件は特命全体の問題にさせてもらいます。
失礼。
（長嶋）組織で働く者として俺は正しいやり方があると思う。
特命でやれることはもう残ってないのか？戦う相手を間違えるなよ。
（倉田）室長の言うとおりだ。
うちでやれることがまだあるはずだ。
《２００２年５月１３日１３時》《田口成美さんは赤坂にあるギャラリーで個展の打ち合わせをした》《打ち合わせを終えた成美さんは最寄り駅の青山一丁目からその後新宿へ》《でも時間がある》《その間何を？》《夢だった初めての個展》《きっとうれしかったはず》《成美さんはいつもカメラを持って歩いていた》
（成美）《顔見して。
よしいいねいいね》《今この瞬間を写真に撮りたい》《そう思ったのかも》《幸せを感じながら写真をいっぱい撮って歩いた》
（倉田）つまり被害者全員が神宮外苑を歩いていたかもしれないと言いたいのか。
はい見てください。
被害者のうち３人は信濃町青山一丁目外苑前の駅を事件の少し前に利用しています。
残りの被害者も近辺の駅で下車し神宮外苑を通ったかもしれません。
うれしいときや気分がいいときちょっと寄り道をして歩いたりしませんか？天気がいいときに電車を使わずに歩いてみようとか。
（塚本）あのさ野球見に行った内山寛子が神宮外苑を通んのは分かんだけどよそれ以外はお前の完全な憶測だろ？田口さんの自宅に伺い成美さんが撮った写真を全部見せてもらいました。
当時神宮外苑で撮ったものが全部残ってました。
５月１３日。
成美さんが個展の打ち合わせを行った日です。
（深沢）確かに被害者の突発的な行動は捜査線上に出てこない。
何かの拍子に予定外の行動をとってもおかしくないわね。
ほかの被害者の裏も取るべきだな。
（塚本）行ってみますか。
よしやれることをやり尽くすぞ。
（一同）はい。
（長嶋）新たな被害者が出た。
アパレルメーカー勤務の森嶋文子２８歳。
８年前の事件と同一犯かどうかは分からないが少なくとも蒲田の事件とは一致点が見られる。
安岡は取り調べ中のはず。
やっぱり誤認逮捕だったんだ。
（長嶋）特捜本部の佐久間管理官から連絡あり捜査の主導権を特命に譲り情報開示も行うとのことだ。
いまさらですか。
捜査に行き詰まったら丸投げかよ。
今回の事件出さなくてもいい被害者を出してしまった。
これ以上新たな被害者を増やさないためにも一刻も早く事件を解決してくれ。
（一同）はい。
（雅子）神宮外苑。
（高峰）何か思い出すことはありませんか？
（雅子）わたしあの甘いものが好きで娘がよく和菓子を買ってきてくれていて確かあの日も神宮外苑にある和菓子屋さんで買ってきてくれていました。
（深沢）つながったな。
（塚本）新たな被害者森嶋文子さんの裏が取れましたよ。
（白石）彼女は千駄ヶ谷駅を降りてイチョウ並木の近くのカフェに行ってました。
（高峰）これで６人のうち４人が重なったわね。
（秋山）砂の種類の特定ができました。
青森県六ヶ所村および周辺で産出される青森砂ですね。
造園競馬場ゴルフ場の砂として主に使われています。
（大森）ついでにこっちも出たわよ。
役に立つかどうか分からないけど新しい微細物件。
（深沢）何が出た。
（大森）全部に付着してるわけじゃないけど２件だけ微量の皮革が検出されたわ。
ヒカクって何だっけ。
（深沢）生の動物の皮膚もしくはそれをなめしたものですよ。
（竹林）すいません。
（塚本）分かってんだよとっさに出なかっただけだろうが。
皮革の中でもラム・シープのシープスキン。
ジャケットレザーパンツゴルフグローブなんかによく使われてるはずよ。
（倉田）ゴルフ場の砂にゴルフグローブ。
（深沢）今回の事件犯人が被害者に目を付けた場所に共通項があったのかもしれない。
わたしこの通り通ってたんですよね。
（高峰）長い黒髪だったらあなたも狙われたかもしれないわね。
（白石）被疑者らしき人物が浮上しました。
練習場でアルバイトをしている２０代半ばの男性合田直規。
ロッカーを調べたところ血の付いたゴルフグローブが出てきました。
令状の請求お願いします。
（倉田）了解。
特捜本部にも連絡をし捜査員を向かわせます。
（チャイム）
（白石）警察ですがあなた合田直規の父親ですか？
（合田）えっあの警察といいますと直規が何か。
息子さんに殺人容疑で令状が出ています。
（合田）殺人？そっそんなバカな。
（捜査員）被疑者を確保しろ。
（捜査員）はい。
（合田）息子が殺人なんて。
あっ。
大丈夫ですか？大丈夫ですか？
（白石）深沢２階はどうだ。
（深沢）いませんでした。
いませんでした。
（白石）どこにいるんだ。
（高峰）これ。
（深沢）地下室だ。
（白石）下りるぞ。
（倉田）職場の責任者に聞いたよ。
君のお父さんはもともとプロのゴルファーで引退後にインストラクターの仕事をしていた。
君もプロを目指していたんだって？でもうまくいかずその後病気で倒れたお父さんの代わりに同じ練習場でアルバイトとして働いていたんだな。
君の母親は８年前に不倫相手を追って家を出たそうだな。
だから恨んで母親とよく似た長い黒髪の女性を狙ったのか。
地下室にあったこの写真。
これは君の母親だろ。
君の母親が出ていったのは２００１年４月２３日。
１年後の同じ日に連続殺人を始めたのはそれが理由か。
何かおかしい。
（倉田）質問を変える。
なぜ８年ぶりに事件を起こしたんだ。
なぜ今回の２件は髪を切り落とさなかった。
なぜＧＯＤとしるさなかったんだ。
ちゃんと答えるんだ。
こんな事件起こして君のお父さんだって悲しむぞ。
（直規）ごっごめんなさい。
しゃべった。
なぜ謝るんだ。
おなっ同じようにできっできまっできませんでした。
同じようにって何とだ？おそらく過去の４件のことだろう。
（高峰）何かに無性におびえてる。
もしかして逆？彼は母親を恨んでるんじゃなくて慕ってるんじゃないの？
（深沢）そうか。
彼の母親を誰よりも恨んでる人物がほかにいる。
えっ？やつはそいつの影におびえてるんだ。
（深沢）係長１つ確認させてください。
（合田）《俺は悲しいぞ》《髪を切って署名をしておけと言ったのになぜできなかった》
（直規）《ごめんなさい》
（合田）《この出来損ない！》《うわ〜！》
（倉田）合田昌人殺人容疑で逮捕する。
８年前お前は脳梗塞で倒れた。
だから犯行がぴたりと止まった。
（合田）長年のリハビリで少しは体が動くようになったんですけどまだまだ不自由でしてね。
でも最近になっていいこと思い付いたんですよ。
代わりに息子にやらせればいいって。
まったく残念だ。
３日後に殺す予定の女がいたんですよ。
未解決事件の怖さに気付きました。
未解決の数だけ世の中に犯罪者が潜んでる。
それは新たな被害者を生むかもしれないってことなんですよね。
（高峰）被害者だけじゃないわね。
今回の事件のように負の連鎖によって加害者だって生み出すかもしれない。
その可能性は事件を解決しないかぎり永遠に消えない。
それだけの責任を俺たちは背負っているってことだ。
お疲れ。
（高峰・桜木）お疲れさまです。
（佐久間）８年前世間を震撼させた神の処刑事件にわれわれ捜査一課殺人犯係が注目し全て解決に至ったことを報告させていただきます。
は〜あ手柄全部持ってかれた。
事件が解決したんだ手柄なんてくれてやれ。
そうだぞ。
手柄手柄って塚本お前意地汚いぞ。
（塚本）意地汚いって俺今回危ない橋渡って貢献したっしょ。
（深沢）これで俺の人生で解けていない問題はなくなった。
（塚本）何だそれ。
深沢さん神の処刑事件刑事になって初めて担当した事件だって。
なるほどねそういうこと。
（深沢）俺は生まれてこの方１００点以外取ったことなければ解けなかった問題もない。
今回はそれが証明できて満足だ。
そういうオチですか。
（倉田）まっ深沢らしいな。
（三井）あのご遺族の方がお会いしたいと。
８年間という長い間お待たせして申し訳ございません。
（田口）わたしたちの声に耳を傾けてくれて皆さん本当にありがとうございました。
これで前に進めます。
2015/10/28(水) 14:55〜15:50
関西テレビ１
絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 ＃０３[再][字]
「連鎖」
上戸彩 宮迫博之 山口紗弥加 丸山智己 杉本哲太 北大路欣也
詳細情報
番組内容
桜木泉（上戸彩）ら４係が、８年前に起きた連続殺人事件の再捜査に着手することになった。前日に蒲田の河川敷で女性の遺体が発見され、深沢ユウキ（丸山智己）がその事件と８年前の事件が似ていることに気付いたためだ。
２００２年、１カ月の間に４人の若い女性が立て続けに殺害される事件が起きた。遺体にはすべてナイフでＧＯＤという文字が記され、髪が切り落とされていたことから“神の処刑事件”と言われ
番組内容２
世間を震撼させたが、４人目の殺害を最後に犯行はピタリと止まっていた。
今回の事件と神の処刑事件は類似点もあるが、相違点も多く、同一犯である確証が得られないまま捜査がスタートする。河川敷の遺体発見現場に向かった高峰涼子（山口紗弥加）と深沢だが、殺人犯係の捜査員に疎まれ、捜査状況の情報を教えてもらえない。同じ頃、８年前の被害者の１人・田口成美（大矢敦子）の父親・健史（遠藤たつお）を訪ねていた
番組内容３
塚本圭吾（宮迫博之）と泉は、事件を引きずり、家庭が崩壊した健史の現状を目の当たりにして胸を痛める。
夜、泉が科捜研を訪ねると、深沢もやってくる。今回の事件と“神の処刑事件”の関連に妙にこだわる深沢を興味津々にみつめる大森紗英（北川弘美）。そんな中、竹林匠（木村了）が証拠品から、当時は発見されていなかったあるものを見つける…。
出演者
上戸彩
宮迫博之
山口紗弥加
丸山智己
北川弘美
木村了
中原丈雄
杉本哲太
・
北大路欣也
ほか
原作・脚本
【脚本】
酒井雅秋
監督・演出
【企画】
成河広明
【プロデュース】
森安彩
【アソシエイトプロデューサー】
瀧山麻土香
【演出】
村上正典
岩田和行
音楽
【メインテーマ】
「Ｄｒｙ Ｔｏｗｎ〜Ｔｈｅｍｅ ｏｆ Ｚｅｒｏ〜」ＬＯＶＥ ＰＳＹＣＨＥＤＥＬＩＣＯ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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