(榊マリコ)お先に失礼します。
(日野和正)ああいいけど。
お前に会うと飲まされんだよなぁ。
ハハハハ…!
(土門薫)上流から来たホトケさんだ。
(権藤克利)所持していた財布にはお金はなかったんですがこれが…。
科学警察研究所…。
(吉崎泰乃)科警研って私たち科捜研の上の組織ですよね。
おい情報科学第二研究室って文書鑑定するとこだよな?面識はないか?そうか…。
頼む。
角膜は軽度の混濁。
指先も硬直が始まっている。
亡くなったのは昨日の夜ね。
胸を圧迫しても鼻や口から泡が出ない。
溺死じゃない。
(宇佐見裕也)どうぞ。
(乾健児)いただきます。
遺体の着衣と所持品です!事件性は?それを調べてほしいって捜査一課が。
五十畑…!?
(風丘早月)マリコさんの言うとおり溺死じゃなかった。
脾臓の収縮もないし肺の膨張もなく血液の希釈もない。
致命傷は?この2つ。
生活反応があった。
あっ。
日野所長…。
(ドアを開ける音)ちょっと所長!
(ライターの蓋を開閉する音)
(ノック)
(女性)私。
(女性)まだこんなにある…!なんで!?早く口座に入れて引き出さないとホロなしをもうATMに流してんのよ!殺しちまったんだ…。
死因は頭部の傷ですが事件性は不明です。
科学警察研究所ではインク鑑定の権威だったそうです。
(佐久間誠)ああ。
どうして科警研の人間が京都にいたんだ?わかりません。
昨日の15時過ぎに突然早退の電話をしています。
死亡推定時刻は22時から23時。
その間に京都に来たってわけか。
ええ。
京都駅の防犯カメラを調べてみます。
ただいま。
(泰乃)おかえりなさい。
(乾)所長は?捜査一課で聴取を受けてる。
やはり知り合いだったんですね。
ええ。
所長が警視庁にいた時の。
え?所長って警視庁の科捜研にいたんですか?もうずいぶん前の事…。
水死体から採取した微物です。
じゃあマリコ君はこの鑑定。
はい。
致命傷は頭の傷?はい。
この2つです。
じゃあ乾君はこの傷に合致するものの鑑定。
はい。
泰乃君は五十畑の携帯の鑑定。
あ…所持品に携帯はありませんでした。
うんじゃあ…五十畑の着衣から採取した微物の鑑定。
はい。
宇佐見さんにこの鑑定をお願いしたいんですが。
なんでしょうか?ご遺体の爪から採取した微物です。
調べてみます。
(日野)じゃあみんなよろしく。
(一同)はい。
(日野)五十畑とは昔何度か一緒に鑑定した仲でね。
ほらこの前僕科警研行ったでしょ?ええ。
所長になるための研修で。
あん時も毎晩五十畑に飲まされてさぁ…。
だから毎日二日酔いで研修受けて。
(笑い声)昨日電話があったんだ。
お前に会うと飲まされんだよなぁ。
京都に来てるって。
話したい事があるって。
話したい事?こりゃまた飲まされるなって覚悟してたのに…。
あいつ僕に何話したかったのかな…。
これですね。
すいません。
(乾)所長。
水死体ですが頭の傷から凶器の特定は出来ませんでした。
着衣のスラックスの折り目からこれが。
鑑定の結果キブシの葉の破片でした。
キブシ…。
全国に分布してる落葉樹ね。
うん…。
手がかりになりませんよね?葉緑体のDNAを調べてみる。
葉緑体のDNA?キブシは地域差のある植物だから葉緑体DNAで生育していた場所が特定出来るかもしれない。
失礼します。
先ほどの微物マイクロカプセルでした。
ヨーグルトなどの食品粉薬のような薬品顔料などの工業品に使われているものでした。
葉緑体DNAですか?被害者に付着していたキブシです。
九州に分布しているタイプですね。
でも被害者は東京から来たはずなのに…。
(日野)ありがとうございます。
五十畑最近休みを取ってないよ。
昨日昼過ぎに科警研から警察庁へ出かけたんですよね?うん。
で3時過ぎに科警研に早退の連絡をしてる。
そして6時半に京都駅の防犯カメラに映ってる。
九州に行ったはずないよ。
じゃあどうして…。
五十畑がなんでこれを駅のロッカーに?それはわかりませんがこれを…。
「ホログラムのはがされた一万円札」…。
そのホログラムははがせるんですよね?
(日野)特殊な方法を使えば。
まさか…?まさかと思ったので科警研で調べてもらいました。
なんでわざわざ科警研で?偽造通貨の鑑定は科警研が行う規則なの。
その結果この万札のインクの磁気パターンというやつがこれと似ていたそうです。
(日野)ああこれって…。
(泰乃)知ってるんですか?13年前東京と大阪で偽一万円札が見つかった事件だ。
えっ?じゃあこの万札は偽札?あの…この鑑定をしてますよね?日野所長。
五十畑と最後にした鑑定です。
五十畑さんと?見つかった偽造紙幣が大量だったから警視庁の科捜研にいた僕も呼ばれたんだ。
あっ犯人は捕まってるんですね。
(権藤)ええ。
渡部智治特殊印刷の技師です。
それがわかった途端それ以上捜査してもらえなかった。
え?でも犯人は捕まったんですよね?偽札は1人では作れない。
必ず仲間がいたはずなんだ。
しかし上が解決を焦った…。
よくある話です。
結局渡部の単独犯って事になった。
その犯人どうやってわかったんです?鑑定の結果平版オフセットの多色刷りだって事がわかってね。
使われた機械の流通先から浮かんだんだ。
じゃあ所長の鑑定が決め手じゃないですか。
うん…。
まあその時と同じ磁気パターンだって事はたぶん同一犯だ。
13年前に逮捕された人今は?渡部は出所しています。
現在所在捜査中です。
警察庁に偽一万円札を警戒させたほうがいいですね。
ええ。
すでに全国の金融機関に通達を出したようです。
(リポーター)「東京明和銀行MSB第一銀行の大手都市銀行6行で偽造と変造一万円札が発見されました」「これらは全て警察庁からの通達により国立印刷局の偽札鑑別機にかけた結果見つかったもので現在のところ総額は1億円近くにのぼりその約半分が京都市内で見つかっています」「こちらからは以上です」それでうちにも捜査本部が立つ事になった。
13年前の犯人渡部の所在は?昨年の1月病死していました。
じゃあ犯人は渡部じゃない…。
13年前と違うのは偽札に本物のホログラムが貼ってある事。
つまり犯人は本物のホログラムをはがし偽一万円札に貼ったんだ。
より巧妙にしたって事ですね。
うん。
ATMはホロなしでもインクの磁気で鑑別するタイプもある。
つまり本物の紙幣はホログラムをはがしてもインクは本物。
だからインクで鑑別するATMに流すんですね?ホロを外した真券もホロを貼った偽札も東京と京都のATMから違法口座に入金した。
違法口座?他人から違法に買った口座です。
その口座は特定出来てるの?いや出来てない。
警視庁でもうちでも偽造紙幣が見つかったATMのカメラを調べている。
見つかった偽造紙幣1億もあったんですよね?ホロを貼った偽札はな。
ではホロをはがした真券も1億あるって事ですか?それも見つかり始めています。
犯人は1億の元手を2億にしたって事ですね。
うん。
それでホロを外した万札が見つかる頃には姿を消してる計画だったんだろうがその前にこれが見つかった。
でも犯人元手の1億をどうやって工面したんだろう?実は13年前の犯人渡部が手に入れた金のうち1億円がいまだに押収されてないんだ。
じゃあ今回の犯人はそれを元手に…。
だとするとやっぱり同一犯…。
偽造紙幣半分は京都で見つかってるのよね。
犯人は京都にいる可能性が高い。
(前田貴史)やめろ!やめてくれ!
(飯沼佐喜夫)偽札が見つかったんだよ!
(前田)やめろよ!
(飯沼)証拠を消すんだよ!
(前田)それじゃ俺の負けになる!
(安藤紀子)あんたの意地で私たちまで捕まるわけにいかない!うわっ!
(紀子)キャー!
(紀子)助けて!助けて!開けて!開けてー!
(前田)捕まらなきゃ俺の勝ちだ。
(紀子の咳)
(紀子)助けて…!
(倒れる音)そうだろ渡部…。
(権藤)燃えたのは偽名で借りられた廃工場です。
遺体は2体ともひどい状態で今は洛北医大に。
じゃマリコ君は解剖の立ち会い。
遺体から微物の採取。
はい。
乾君は現場で出火点の特定。
(乾)はい。
泰乃君は燃焼促進剤があるかどうか調べて。
(泰乃)はい。
宇佐見君は引き続き僕と五十畑の事件の鑑定を。
(宇佐見)はい。
(佐久間)京都で見つかった偽札はうちが鑑定する事になった。
え…?偽造通貨は科警研が鑑定する決まりでは?科警研の技官が偽造に関与している…。
警視庁はそう思ってるらしい。
まさかそれが五十畑だっていうんですか?ああ仲間割れで殺された可能性もあるんじゃ…。
五十畑はそんな事はしません。
科警研ではインク鑑定の権威だったそうだな。
確かに彼なら偽造紙幣のインクが作れるはずだ。
(日野)この偽造犯すごいよ。
インクなんか本物の札に使われてるのとほとんど同じ成分だよ。
(五十畑収吾)作ってみたいなぁ。
えっ?いやこれほどのプロならさ紙幣に使われてるようなインク一度は作ってみたいんじゃないかなって思って。
(ため息)嘘だ…。
五十畑はそんな事はしない。
(宇佐見)京都で見つかった偽造紙幣です。
ああ。
早速インクの成分と磁気パターンを調べます。
(佐久間)所長。
科警研法科学第四部の柴崎さんだ。
あの…京都で見つかった分は我々が鑑定するはずでは?ああもちろんそうだが警察庁のたっての依頼で…。
(柴崎修)監視に来たんです。
不慣れな鑑定人によって試料が汚染されないように。
まあとにかく立ち会いを認めてほしい。
鑑定には一切手は出させない。
ただし試薬を塗ってインクを取り出したり一部を溶かして紙質を鑑定したりするのは控えてください。
(宇佐見)そんな…。
それじゃあ使われてる紙が酸性紙か中性紙かも鑑別出来ないじゃないですか!必要ならその手の鑑定は最後に我々がします。
柴崎さん…。
悪いが頼むよ。
あの…言いたくはないですが我々が鑑定する事になったのは科警研に共犯者がいると疑われたから…。
五十畑先生はそんな事しない!わかりました。
所長…。
鑑定試料は絶対に傷つけません。
(早月)女性のほうはともかく男性のほうはひどい状態だった。
2人とも気管支から黒いすすが出たし血中の一酸化炭素ヘモグロビンの濃度も50パーセント以上。
やはり2人とも焼死。
うん。
でちょっとこれ見て。
男性のほう。
これは…変形性の股関節症。
しかもかなり悪化してる。
歩くのも痛かったはずよ。
通院歴がありそうですね。
調べてもらいます。
うん。
それとこっちは女性のほう。
やけどじゃないですね。
なんだろう…。
調べたい?…と思って切除しといた。
ありがとうございます。
ただいま。
(乾)わかりました。
今抱えてる仕事が済んだらすぐに伺います。
今事件の捜査中なので。
すいません。
お父さん大丈夫なんですか?お父さんどうかしたの?倒れたって今電話が…。
ええっ!?じゃあすぐに帰ったほうが…。
いえ。
ただの医者の不養生だから。
お父さんお医者さんなんですか?
(乾)うん。
だから大丈夫。
今の事件が解決したら一度帰るから。
じゃあ焼死体事件早く解決しないとね。
あっその廃工場なんですが…。
(乾)ここが出火元でした。
燃焼促進剤は灯油でした。
(日野)よっしゃここだ。
あの…まずすかしやすき入れを鑑定するのが基本では?そんなのはあとで機械でいくらでも出来ます。
ただこれだけは目が疲れないうちに済ませないと。
ほら見てごらん。
ギラギラしてるでしょ?
(柴崎)印刷された線が光ってるだけですが。
比べてみてこっちの偽札と。
(柴崎)光が弱い…。
光り方も明らかに違う。
(日野)この本物の肖像画の原版はね職人による非常に細かい手描きなの。
たとえこれをまねようとする職人がいたとしても二度と同じものは描けない。
ましてそれの複写などでこの再現は出来ないしね。
ただこのね違いだけは人の目で見なきゃわからない。
どんなにコンピューターが進歩してもね。
鑑定の基本からは外れるけどまあこういうところを見ないとこの偽札を作った犯人の技量はわかんないよ。
(アラーム)
(ノック)
(泰乃)マリコさん。
焼け死んだ女性の左腕にあった痕跡鑑定してみたらこんなふうになった。
これってバーコード?やっぱりそう見えるわよね。
なんのバーコードか調べて。
はい。
(日野)この不揃いな繊維の流れ。
機械すきの紙じゃないね。
では手すきの紙?しかも紙の厚さは90ミクロン前後で揃えてある。
まさか。
手すきでそんな事が出来るはずない。
世の中にはねそういう職人もいるって事だよ。
マリコさん。
このバーコード該当する商品ありませんでした。
そう…。
宇佐見さん。
(宇佐見)はい。
このバーコードの成分鑑定は…。
ああ終わってます。
えっと…これが成分です。
特殊インクですね。
(泰乃)特殊インク?ええ。
印刷後10時間ほどで自然に消えるインクです。
あっすいません。
偽造紙幣の鑑定で忙しいのに。
いえ。
じゃあ。
(ノック)
(日野)はい。
(宇佐見)失礼します。
偽造紙幣のインク13年前と同じ磁気パターンでした。
(日野)ああやっぱり。
(宇佐見)偽造紙幣の視覚障害者用識別マークです。
(柴崎)発泡インクで代用してたのか…!しかもカプセル状の発泡インクです。
カプセルって?五十畑さんの爪から採取されたこれと合致しました。
じゃあ五十畑の爪には偽札に使われたインクが…。
そうなります。
(宇佐見)このカプセル発泡インクは市販品ではなく調合されたものです。
偽造犯にはインクのプロもいます。
その手のプロをリストアップして。
五十畑も含めて。
はい。
この結果を科警研に持ち帰ります。
あなたの鑑定には驚かされました。
我々科警研の事は考えず科学者として真実を。
所長これ…。
火災現場の写真なんですが。
(日野)これって…。
紙すきの道具ですよね?可能性は高いね。
捜査一課に報告してきます。
(ため息)つながったかもしれないねこっちの偽造紙幣と。
ええこっちの焼死体が。
専門家に見てもらった。
やはり紙すきの道具だった。
そう。
焼け死んだ女性の腕なんだけど。
調べてみたらここ…。
企業秘密を守るために会社に出入りする人の腕にバーコードを印刷するみたいなの。
阪南化学…大阪…。
その会社に1人連絡の取れない社員がいました。
安藤紀子特殊印刷の技師です。
特殊印刷?ええ。
なかでも彼女はトップクラスの腕を持ってるそうで。
しかし噂では最近転職先を探していたとか。
転職?トップクラスの腕を持ってるのに?その腕を生かす仕事が最近少なくなってたようだ。
転職活動もうまくいってなかったみたいで。
焼死体の女性?うん。
身元がわからないからまだうちの安置所にいるけど。
顔を正面から捉えたレントゲン写真?まだ京都市内の病院しか調べてないんですが変形性股関節症の患者で気になる男がいました。
飯沼佐喜夫…。
京都の名門二条和紙の元紙すき職人です。
紙すき職人…元って?半年前に解雇されてます。
優秀な職人だったようですがこの病気のせいでこなせる仕事が減って…。
(早月)歩くのも痛かったはずよ。
だから手術しようと思ったんでしょうね。
オペの予定だったの?ええ。
じゃあレントゲン写真があるはずね。
焼死体の女性の顔のレントゲン写真です。
安藤紀子の顔と合致しました。
焼死体の男性の足のレントゲン写真です。
変形性股関節症で通院している飯沼佐喜夫。
病院から取り寄せた彼のレントゲン写真と合わせると股関節が変形してしまったこの部分までピッタリ一致します。
焼死体は安藤紀子と飯沼佐喜夫だな。
彼女が特殊印刷の技師で彼が紙すき職人って事はきっと2人とも紙幣偽造のメンバーですね。
でもメンバーには他に…インクのプロがいるはずですが…。
現在安藤の家には大阪府警が飯沼の家には権藤たちが向かっています。
(飯沼の妻)一昨日から帰ってきてないけど…。
ご主人は最近家を空けていたんですか?権藤さん…。
飯沼の部屋から見つかったこれですがこれまで発見された偽造紙幣と同じ物でした。
(泰乃)そこから安藤と飯沼の指紋が出ました。
指紋は他にもあったんですけど前科はありませんでした。
ただ警察職員のデータベースを調べたら…。
五十畑さんの指紋があったの…?
(ため息)ご苦労さま。
土門さんに報告。
でも…。
報告。
はい。
警視庁は五十畑を偽造メンバーと断定した。
じゃあ五十畑を殺したのは…。
飯沼と安藤が仲間割れで殺したという線になるなあ。
でも…だとするとその2人を殺したのは誰ですか?他殺じゃなく自殺か事故の可能性もある。
明日の夜警視庁で発表される。
早く帰れる日は早く帰らないと体壊すよ。
昔父にも同じ事を言われました。
私たちの鑑定が五十畑さんを被疑者にしたんですね。
紙幣のインクを作ってみたい。
五十畑が言ってたんだ。
え…?13年前偽造紙幣の鑑定をしてる時…。
本当に作っちゃったのかなあ。
それを僕に自首したくて電話をくれた。
でも僕に会う前に仲間に見つかって…殺された。
所長…!13年前奥さんの死に目に会えなかったんだ。
五十畑偽造紙幣の鑑定に追われてて…。
じゃあその時五十畑さんの奥さん…。
だから警察を恨んでたのかもしれない。
(ため息)早く帰りなよ。
13年前の犯人はどうやって偽札を換金したの?違法口座に偽札を入れて真券を引き出したり両替機に偽札を入れて真券に替えたりする手口だ。
その時の防犯カメラの映像は?もちろん警視庁や大阪府警が調べてるはずだが。
そのカメラの映像全部取り寄せて!どうする気だ?13年前の事件にもし共犯がいたなら…。
13年前と現在の映像に共通する顔を捜す気か?該当する映像がどれだけあると思ってるんだ?会見は明日の夜だぞ。
全部確認してる時間なんかない。
13年前にはなかった科学を使う。
こっちが13年前。
偽造紙幣が見つかったATMや両替機のカメラの映像。
こっちが今回偽造紙幣が見つかったATMのカメラ。
共通する人の顔を捜すんですね?えっ?あ…どうやって?共通顔認証システム!安藤と飯沼そして五十畑を被疑者として裏付けた鑑定書です。
警視庁との連絡会議にも同席してください。
これは五十畑の着衣に付いていた植物の…。
考えたんだけどもし五十畑さんを殺したのが飯沼や安藤じゃなく第三の偽造メンバーだとしたら?第三の偽造メンバー?殺された時犯人からこれが移動した可能性がある。
だとしたらそのメンバーは九州から来た人物。
それならどこかへ泊まった可能性が高いわよね。
うん。
顔がわかれば写真を回せるんだがな…。
マリコさんちょっと!
(乾)13年前偽造紙幣が見つかった両替機のカメラです。
今回偽造紙幣が見つかったATMのカメラです。
鼻と口と耳の位置による顔認証で一致してます。
お願い。
3日前2人が焼け死んだ夜です。
そんな時間に急に来た客なんで係員が覚えてました。
客の名前や住所はでたらめでしたがホテルからLANケーブルを借りています。
ネットを使ったのね!自分のパソコンで。
そのホテルが契約してる接続業者を教えて。
あの夜ホテルでネットを使った人は数人いました。
(泰乃)その1人顔料の工場にメールを送っていた人です。
「前田貴史」?インクの調合システムを販売する会社の社員です。
その部屋に残されてました。
(携帯電話の操作音)土門さん…今夜の会見止めて。
第三のメンバーがいる会社がわかった。
住所は…。
(トラックのバックアラーム)土門さんたちが京都府警に連行した…。
前田貴史です。
この男が五十畑を…。
かもしれません。
そして13年前紙幣偽造事件の共犯…。
(日野)マリコ君!これまでの鑑定書を持ってついてきて。
きっと取り調べで使う。
なら専門的な説明が必要だ。
立ち会うつもりですか?前田の取り調べに。
うん。
(物音)焦げてるから捨てたのか?ん?ここを調べたら何かが焼き付いていた。
採取したら…。
(日野)こういうものでした。
で丁寧にはがしてみたら…。
(日野)こんな感じね。
鑑定してみたら…。
こういうものが浮かびました。
一万円札の肖像画の部分です。
あなたたちが作った偽造紙幣と一致しました。
きっと燃えた廃工場でこれがシャツに付いたんだな。
つまりお前は安藤や飯沼が死んだ廃工場にいたんだ。
おい…2人を殺した事認めるな?
(ため息)仕方ないな…。
じゃあなぜ彼まで殺した?そんな男知らん。
殺された五十畑さんの爪からこんなものが出ました。
あなたが調合した発泡インクのカプセル成分です。
13年前犯行がバレた時の警察の発表を見たよ。
逮捕された渡部は俺の事を何一つ話さなかった。
出所後も去年病気で死ぬまで。
その時弔い合戦をしようと思った。
13年前の偽札作りで儲けた1億を使って。
13年前にも見破られていたのにどうしてお前は…。
見破られたのは渡部の印刷だ。
俺のインクはバレてなかった。
なら今度はさらに腕のいい連中と…。
それで自分の腕を生かしたがっていた安藤と足の治療費にも困っていた飯沼を仲間にしたのか。
おかげで納得のいくものが出来上がったよ。
その偽札にホログラムを付けたものをATMに流しその後ホロを外した真券をATMに流した。
ああ。
だが俺がATMに流したホロ付きの札をこの男が手に入れちまった。
(日野)五十畑ならどんな精巧な偽札でもきっとどこかに違和感を持ったはずです。
そいつに見られたんだ。
またそのATMに行った時…。
なぜ同じATMを何度も使ったんだ?そこはホログラムのある札はホロをメーンでない札はインクの磁気で鑑別する最新式のATMだ。
まだ東京にしかない。
だからわざわざ東京で…。
ああ。
だがホロでもインクでも鑑別するためそれぞれが干渉して精度が甘くなる時がある。
(前田の声)それでもはじかれる時があるがはじかれない時もある。
そういうATMは貴重だ。
どうしても利用頻度は高くなった。
もちろん同じATMばかり使うのは危険だ。
だからホロ付きもホロなしもその半分は仲間と一緒に紙すき場のある京都で流した。
それでお前もその日に京都に向かったわけか。
ああ。
だから五十畑は突然科警研に早退の連絡を…。
そして僕にも電話を…。
(携帯電話の操作音)あ…京都にいるんだ。
今夜会おうよ。
(五十畑)いや急なのはわかってる。
いいから…話があるんだ。
あっあの…うんとにかく会おう。
ごめんあとでかけ直す。
中のぞきました。
紙すき小屋ですよね?誰だ!?偽造紙幣でしょ?大変よく出来てます。
ああ…。
あなたが東京のコンビニエンスストアのATMに流したものです。
ああっ…。
無駄ですよもう1枚とってあるから。
出頭してください。
(携帯電話の操作音)まさかATMのカメラでバレるなんてな。
今回も俺のインクは完璧だったのに。
「完璧だった」?今回君が作ったインクだ。
こっちは13年前に君が作ったインク。
おかげで同一犯だとすぐにわかった。
待ってくれ。
13年前インクの鑑定が出来たのか?もちろん。
彼はね優秀だからね。
(前田)この男が?五十畑は君が作ったインクの磁気パターンや不純物から調合前のインクも割り出してみせたよ。
まさか…。
その流通元を突き止めるのも時間の問題だった。
だが先に渡部が逮捕された。
だから発表されたのは渡部を特定した印刷機に関する事だけだったんだ。
その五十畑さんの手にあなたが再び作った偽造紙幣が渡ったのはきっと運命ね。
君の作ったインクが完璧だった?
(机をたたく音)思い上がるな!とっくの昔に五十畑が見破ってたんだ!科学者をなめちゃいけない。
(日野)ありがとう。
君たちの鑑定が五十畑の無実を証明してくれた。
佐久間部長が警視庁との連絡会議に出てほしいと。
ああ…それは僕よりマリコ君のほうが適任です。
えっ?悪いけど早退させてくれるかな?出来るだけ早く伝えてやりたいんだ五十畑に。
そうですね五十畑さんの奥さんにも。
うまくいったようだな連絡会議。
今夜警視庁が会見するって。
らしいな。
きっと今頃東京に着いてるな日野所長。
弔い合戦…。
うん?言ってたわよね前田が。
偽造紙幣を作ったのは13年前に捕まって病死した仲間の弔い合戦だって。
勝手な理屈だ。
ええ。
でも日野さんもそうだったのかも。
殺されてなお警察に疑われた仲間のために鑑定していたのかもしれない。
2015/10/28(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
科捜研の女11[再][字]
「13年目の鑑定対決!科警研vs科捜研、偽造紙幣の死角」
日野所長(斉藤暁)の友人の科警研文書鑑定技官が殺害された。彼はニセ1万円札を所持していた…。
詳細情報
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、風間トオル、斉藤暁、泉政行、奥田恵梨華、高橋光臣、若村麻由美、田中健
【ゲスト】
羽場裕一、上杉祥三
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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