生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」きょうはこちらのテーマです。
この夏休み大阪・寝屋川の中学1年生の男女生徒が相次いで遺体で見つかる事件が起きました。
亡くなった2人は明け方近くまで駅前の商店街を歩いている姿が防犯カメラに映っていました。
子どもたちが深夜に出歩きたいと思うのはどうしてなのか。
早川信夫解説委員に聞きます。
まず、深夜に出歩く子どもは増えているんでしょうか?早川⇒人数自体は減っているんですけれども深夜に補導された18歳未満の子どもは、去年1年間だけでも43万人近くに上ります。
そんなにいるんですね。
寝屋川の事件をはじめ深夜に出歩く子どもたちが巻き込まれる事件が相次いでいますので子どもたち自身がどう受け止めているのかNHKが近畿圏向けに放送している番組「学校再発見バラエティーあほやねんすきやねん」では大阪の中学校、高校の協力を得て先月2回にわたってアンケート調査を行いました。
合わせて10校の4873人から回答をもらいました。
そのアンケートからどういうことが分かったんでしょうか。
第1弾としてあなたは夜中に家にいたくない友達と朝まで家以外の場所で一緒にいたいと思ったことがありますか?とたずねました。
すると全体の29%に当たる中高生が、はいと答えました。
3割近くもですか。
回答したのが学校にきちんと通っている生徒たちであることを考えますとこの割合は、私はそれなりに多くて重みのある数字だと受け止める必要があると思います。
子どもたちはどんなときにこういう気持ちになるんでしょうか。
そこが知りたいということで答えた生徒に自由に書いてもらいました。
親子関係を挙げた回答が最も多くて、次いで友人関係を挙げる生徒もいました。
まず親子関係というのは?こちらです。
こういうことを言っています。
家に居場所がないと感じたときそれをことばに出せないときに夜の町に出たくなることがうかがえました。
親が原因で家に居づらいわけですね。
友人関係を挙げた中にはこのような意見がありました。
友人と心行くまで話をしたい自分を孤独に感じたりしていて心に空白ができているときに出歩きたくなるということもうかがえました。
親としてはどうしたらいいんでしょうか?思春期には誰しも通りすぎる道ですので冷静な対応が必要なんじゃないかと思います。
お互いに、かっとなっているときは適度な距離を保つということは選択肢の1つとして必要なことなんですね。
子どもが外に出たときもですか。
子どもが外にぷいっと出たとしても慌てずしかし心配している気持ちをしっかり伝えることが大事だと思います。
むやみに怒るのではなくですね。
そうしませんと、ほかの、心の居場所を埋めてくれる存在に引き込まれて、犯罪に巻き込まれやすくなってしまいます。
このアンケートは2回行われたそうですが2回目はどういったことだったんでしょうか。
深夜の町で子どもたちの姿を見かけたとき、大人はどう声をかけたらいいのか、その手がかりを得るためにこう聞きました。
あなたはある悩みを抱えていて家にも友達の家にも居場所がなく町をうろうろしています。
誰かから、何してんの?どうしたん?などと声をかけられるとしたらどんな人なら心を開けると思いますか?すると中高生の37%が、同世代に声をかけてほしいと答えました。
友達くらいの年ですね。
次に多かったのが祖父母の世代大学生など少し上の世代ちなみに親の世代は8%にとどまりました。
親の世代は頼りにされていないということなんでしょうかね。
数字のうえではそういうことなんですね。
では生徒たちはどんなやり取りを期待しているのか、これも自由に書いてもらいました。
同世代に声をかけてほしいという生徒です。
こうした答えです。
また大学生など、上の世代に話を聞いてもらいたいという生徒です。
こんな答えが返ってきました。
これはどう受け止めたらいいんでしょうか。
子どもたちは町をさまよい歩くとき、その気持ちを誰かに聞いてもらいたいと考えています。
ただ寄り添って話を聞いてもらえれば、気持ちが整理できて自分の力で解決の道が開けそうに思っているということなんじゃないかと思います。
誰かに気持ちを分かってもらいたいんですね。
半数近い子どもたちが、同世代や少し上の世代に声をかけてほしいと答えていることからも分かりますし理解し合える立場の人どうしの支え合いが必要なことを示しているんだと思います。
子どもや若者だけではどうしても限界がありますので、どう大人につないでいくのかが、課題になってくるんだと思います。
やはり親世代、大人の出番だということになるんですね。
大人にはどういうことができるんでしょうか?まずは子どもの声に耳を傾けることじゃないかと思います。
ヒントになるのは、東京・渋谷で家出してきた少女たちの見守り活動をしているNPO法人ボンドプロジェクトの活動です。
代表の橘ジュンさんに少女たちにどう声をかけるのか聞いてみました。
こんばんは。
こんなふうに様子を見守ったあとで、例えばおなかすいていない?とか疲れていない?とその子が感じていることを思いながら話しかけてきっかけを作るんだと言います。
中には家に帰ると虐待やドメスティックバイオレンスの危険性が待ち受けているケースもありましてその場合には警察や児童相談所に保護を求めるということです。
子どもたちは、警察など大人と接触するとすぐに保護者に通報されるのではないかとおびえていますので事情を話せば保護者に通報されずに身の安全を守ってもらえることを説明して関係機関と連携するようにしているということです。
下心を持った悪い人よりも先にまともな大人本当に心配して見守ってくれる人が声をかけることができればその分、子どもたちの危険性は減らせるということです。
大人が取り組むべきことはまだまだいろいろとありそうですね。
橘さんたちの取り組みは子どもの命を守るためにはとても大事なことですけれどもあくまでも緊急避難的な対応です。
本質的には、その手前子どもたちが深夜に出歩きたくなる、そもそもの原因を解消していく必要があると思います。
1つは夜型になってしまっている子どもたち自身の生活習慣を変えること。
さらには、その原因の原因となる家庭の問題貧困や虐待の解消を目指さなければいけません。
国や自治体が積極的に取り組むのはもちろんですが家庭にその力がなければ取り巻く地域社会が支えることが必要です。
社会の一員として、学校にもしっかりと役割を果たしてほしいと思います。
早川信夫解説委員でした。
次回は、村田英明解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2015/10/29(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「子どもたち 深夜出歩きたくなるのはなぜ」[字]
NHK解説委員…早川信夫,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…早川信夫,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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