(辻潔)やめろ!
(殴る音)うわーっ!!
(中川美奈)
高山祭で有名な岐阜県飛騨高山は四方を山に囲まれ古くから城下町として栄えた美しい町です
そしてその町を見下ろす高台に私が若おかみを務める萩高山高山観光ホテルがあります
(中川政子)ここにインターネットコーナーですって?とんでもない!
(美奈)でもお義母様お客様はそれでいろんな情報を知る事ができるんですよ。
お天気お店や時刻表だって。
いいえ。
お客様は日頃の疲れを癒やすためにうちへいらっしゃるんです。
温泉に浸かってのんびりしていただくそれがうちのもてなしです。
それをインターネットだなんてビジネスホテルじゃないんですからね。
(中川有作)うん。
今の時代パソコンぐらい置かないと世の中から取り残されます。
そんな事ありません。
うんうんうん。
ちょっとあなた一体どっちの味方なの?うんうん…。
いやぁ…。
だからそれは温故知新ていうか古きを訪ね新しきを知るっていう。
ちょっとあなた今私の事古いって言った?うん。
ええ〜っ!?
(小百合)大おかみ若おかみお客様がお着きです。
はい。
はい!はあ〜嫁姑インターネット事件か。
これ解決するのに時間かかりそうだなぁ。
迷宮入りは確実でしょう。
ふふふふ…。
怖い!藤巻先生。
ようこそいらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
お荷物お預かりいたしますねぇ。
(藤巻玄太郎)それ重いぞ!仕事一式が入ってるからね。
あらっじゃあお部屋でご執筆ですか?ああ。
締め切りに追われてね。
でもまあ明日のためだ。
先生の目的は新酒鑑評会の利き酒ですものね。
もちろんだよ。
飛騨の銘酒がそろってるんだからねえっ。
小説なんて書いてる場合じゃないよ。
(美奈・政子)あらっ?あははは…。
先生さあどうぞ…。
(梅子)若おかみ。
お持ちします。
・
(池上幸恵)美奈さん。
手伝いに来ました。
ああ幸恵ちゃんありがとう。
いよいよ明日ね。
ええ。
でも今年はどこもお酒の出来がいいみたいで…。
うちが入賞できるかどうか。
大丈夫よ。
池上酒造のお酒はおいしいって評判なんだから。
ありがとうございます。
審査委員長のお出ましよ。
小野さんお疲れさまでございます。
(小野徹)ああ若おかみお世話になります。
こちらこそお世話になります。
あの…こちら池上酒造のお嬢さんの幸恵さんです。
はじめまして池上幸恵です。
半年前に東京から戻ってきて今は蔵の事務の手伝いをしています。
そうですか。
実は池上酒造さんが今回の鑑評会に初参加されると聞いて驚いてたんですよ。
お父さんは長年参加を拒んでいらしたから。
ええ…。
まあとにかく明日が楽しみですね。
池上酒造の田久實。
じっくりと味あわせていただきますよ。
よろしくお願いします。
では…。
じゃあ幸恵ちゃんお願いね。
バッグ置いて。
は〜い。
じゃあ皆さ〜んイスももう置いてくださいねぇ!急いでね。
梅子もう…。
お仕事のほうは進まれましたか?ああさっきエッセーを1本仕上げた。
いや〜パソコンを打つと肩が凝ってねぇ。
パソコン…先生が!?当たり前だよ。
今の時代パソコンぐらい使えなくてどうするんだあはは。
・失礼します。
お待たせいたしました。
お待たせいたしました。
ご注文の大吟醸田久實でございます。
はい。
先生どうぞ。
はい。
うん?私は田久實を冷やでと頼んだはずだが?はい。
田久實を冷酒でお持ちしました。
若おかみ!申し訳ございません。
私の教育不足で。
えっ?あの…「冷や」って?「冷や」って言ったら常温の事なのよ。
えーっ!?申し訳ございません。
すぐにお取り換えいたします。
まあ…よいよいうん。
冷酒は涼冷え花冷え雪冷え。
お燗は日向燗人肌燗ぬる燗上燗。
ああ…さすがは大おかみだねぇ。
日本酒というのはね大変デリケートなものでね。
温度で味がすぐに変わるんだよ。
つまりまあ扱いが難しいという事だねぇ。
ここにいる大おかみと同じでね。
先生ったら!まあ…。
ミス高山の君に一目ぼれをして切ないねぇ。
それが叶わぬ限り死んでも死にきれんよ。
うふふふ…。
・
(ユミ)お邪魔いたします。
(ユミ)失礼いたします。
お久しぶりです。
お元気でしたかぁ?先生。
ご無沙汰してます。
おお有作!いいとこへ来たな。
まあまあ…飲め飲め。
いや〜そんな。
どうせ暇なんだろえっ?平和なこの町にね刑事なんか必要ないんだ。
さあ飲め飲め。
いいえ。
じゃあ1杯だけ。
えへへ。
えっ!ほらお酌してお酌。
お酌してお酌して。
うふふふ…。
もっともっと!お酌お酌!はい。
いただきます!
(お囃子)
(携帯電話)はいもしもし…うん。
(藤巻)おい有作。
へい…へい!ちょっと急用で出かけてくるからな。
戻るまでにユミちゃんを帰すなよ。
はい!承知しました。
いってらっしゃいまし!だっこちゃんで〜す帰しません!ご苦労さん!ご苦労さまご苦労さま…。
ご苦労さま。
お疲れさまです。
今日の宴会長かったわね。
飲めや歌えの大盛り上がりで。
楽しんでいただければ何よりだわ。
ねえ…有作は?ああ何だかまぁ盛り上がってるみたいです。
先生がいらっしゃるんで帰るに帰れないでいるんだわ。
かわいそうに。
うふふふー!ユミちゃんお待たせー。
はい〜ん!もういい…。
ウチュチュチュ…!もおっ!
(殴る音)うわぁ…。
(パトカーのサイレン)
(白金忠弘)警部。
ガイシャは石で頭を殴られてます死後約6〜7時間。
(殿山警部)所持品は?財布と携帯電話が。
金は手付かずですから物盗りの犯行ではないですね。
あれっ?藤巻先生…。
藤巻…藤巻!先生どうして?昨夜はお前のとこか?はい。
うちにお泊まりでした。
夜鍵を持ってお出かけになられて…。
僕はてっきり部屋へ戻られたと思ってたのに。
所持品の中に鍵はありませんでしたけど。
有作…?本当ですよ!本当に鍵を持って出られたんですよー。
いいえ。
フロントでは鍵を預かっておりません。
そうですか。
でも先生がどうして…?私も信じられないわ。
こんな事が起きるなんて。
殿山さん。
はい。
ねえ一日も早く犯人を捕まえてちょうだい。
わかりました。
高山中央署殿山のメンツにかけても犯人は必ず逮捕します。
おい有作。
はい。
先生が部屋を出たのは10時半頃なんだね?はい。
携帯電話に電話がかかってきてすぐです。
先生は誰かと話をしてその後すぐに部屋の鍵を持って出て行かれました。
あの…私11時頃先生を見ました。
どこで!?露天風呂です。
(政子・殿山)ええっ!?
(小百合)見回りに行ったら脱衣かごの中に着物がありまして。
(ユミ)いや!先生ったら…。
(小百合)先生とコンパニオンのユミさんが混浴されてました。
ええ〜先生が。
じゃあ先生はお部屋を出てからお風呂へ行ったってわけね。
そういう事になりますね。
ユミさんを呼びましょうか?
(政子・殿山)そうして。
ダメですそれは困ります!あの…その…。
小百合さんが見たのは先生ではなく…自分です。
はあーっ!?混浴してたの有ちゃん?はいはい…。
ちょっとどういう事よそれ!先生が戻るまでにユミちゃんを帰しちゃダメだぞって言うんで。
そしたらユミちゃんが一緒にお風呂に入ってくれなきゃ帰っちゃうって…。
だからってねえ有ちゃん!美奈さん落ち着いて…。
ねえねえ若おかみ。
大おかみが言うように少し落ち着いてくださいねぇ。
有作!ああっでもね…警部。
これでね重要な事が明らかになりましたよ。
先生は超大好きなユミちゃんを置き去りにしてでも行かなきゃなんない急用ができたって事ですよね。
なるほど。
(携帯電話)あっ電話だ電話だ!あーっ痛い痛い痛い!中川です…。
目撃情報!?
日本酒には大吟醸酒吟醸酒純米酒など種類がいくつかありますが鑑評会ではその種類ごとに入賞が決められその中で特に優れたお酒に金賞が与えられます
鈴子さん!お店いいの?
(柳下鈴子)うん。
今日は早々と準備してきたから。
・
(係員)ダメです!・
(池上芳雄)いいから通せ!お父さん。
池上さんねえ…。
池上さん!
(審査員)何するんですか?池上さん。
(池上)出品は取りやめる。
えっ!?お父さんやめて!!とりあえずお酒戻して!話は後でしましょう。
離せもう!お父さん!皆さんご静粛に!審査員の方は引き続き審査を行ってください。
池上さんちょっと…。
一体どういう事ですか?申し訳ありません。
今日の事は運営委員会でも問題になるでしょう。
今後の鑑評会池上酒造さんの参加は認められない可能性もあると覚悟しておいてください!幸恵ちゃん…。
すみませんご迷惑をおかけして。
お父さんどうしたの?私にも…。
とにかく後で父と話をしてみます。
本当に申し訳ありませんでした。
おめでとうございます。
(島田紀之)ありがとうございます。
(拍手)島田酒造さんおめでとうございます!
(島田)おたくねぇ…。
うちに勝てそうもないからってあんな事されちゃ迷惑ですよ!すみません。
惜しかったですねぇ。
あのまま池上酒造の田久實が出品されてれば金賞は間違いなかった!小百合さん聞こえてますよ。
(パトカーのサイレン)小説家藤巻玄太郎さんの死亡推定時刻は午後11時から午前1時の間。
犯人は藤巻さんの携帯に電話をし中雲寺弁天堂に呼び出し殺害。
犯人が電話をかけたのは陣屋近くの公衆電話だと通信記録から判明しました。
で目撃情報というのは?はい。
現場近くの通りで不審なサングラスの男が目撃されています。
サングラスの男か…?よし。
1班は現場周辺の聞き込み。
2班は藤巻先生の交友関係を徹底的に洗ってくれ。
おい急げ!
(一同)はい!おい有作。
はいはい。
ぺらぺらべらべら上手にしゃべれるようになったなぁ。
へへへへ…。
ねえ警部。
うん?警部は内心複雑なんでしょ?どういう意味だい?だって藤巻先生と警部は僕のおふくろをめぐって争った犬猿の仲でしょ。
あははは…そうなんだよね。
いひひひ。
バカヤロウ!たとえ犬猿の仲であってもだな俺と藤巻の間には熱い熱い戦友関係があった。
どうしてだかわかるか?ううん…。
トンビが油揚げをかっさらうようになお前の親父が政子ちゃんを取っちまったからだよ!まったく俺の気持ちも知らないでお前の顔はなぁそのトンビ親父に瓜二つなんだよ!イテテ。
トンビに瓜で申し訳ありませんでした。
腹が立つ。
僕のせいじゃありません。
警部。
何だよ!東京の出版社から藤巻先生の原稿をもらいたいと電話が入っているんですが。
原稿…?作成時間は夜の7時32分。
先生が夕食を召し上がる前に書き上げたエッセーみたいですね。
あの…『男の休日』この雑誌私知ってます。
先生がエッセーを連載してるんです。
『男の休日』。
あいつらしいキザな雑誌名だな。
「島田酒造の大吟醸飛騨錦は岐阜を代表する酒と言っても過言ではない」「口当たりはスッキリそれでいて力強さが膨らむ」う〜んさすが先生。
金賞を取る事を予想してたみたいですね。
感心してる場合じゃないだろうもっと頭を使いなさいよ。
ううーん。
もうすみません。
藤巻は有名な小説家だ。
酒好きの彼がエッセーに取り上げた酒はあっという間に売れるらしいぞ。
…という事はどこの酒蔵も自分のところのお酒をエッセーに書いてもらいたい。
そういう事だ。
犯人は先生に自分の酒蔵のお酒をエッセーに取り上げるようにお願いをした。
がしかし先生に断られ揚げ句殺害。
さすが若おかみ。
頭がいい!いいえ…。
自慢の女房です。
お前が自慢してどうすんだよ。
このバカタレが!はい。
お前は蔵の関係者をしらみつぶしに当たりなさい。
はい!行きなさい。
はい!もう…今後ともよろしくお願いします。
いいえこちらこそどうぞ。
すみません。
どうして急に出品を取り下げるだなんて…?最初から出品には反対だった。
でもお父さんだって納得したじゃない。
入賞すれば知名度が上がって売り上げも伸びる。
そうすれば蔵の経営も立て直せるって。
鑑評会に出品しなくても他に方法がある。
そう気が変わっただけだ。
嘘。
理由は他にあるんでしょ?昔蔵は女人禁制だった。
母さんが死んでお前が店を手伝うのはいい。
経営の事を心配してくれるのもありがたい。
だが…。
お前が蔵を継ぐ事は私は断じて認めない。
だからここへは入るな!私は本気です。
酒造りを手伝わせてください。
酒を甘く見るな!藤巻先生このお店にもよくいらしていただいて。
そうねぇ…お酒の味にうるさい先生が酒林はうまい酒をそろえたいい店だってよくおっしゃってた。
陽気でお話がおもしろくて…。
その先生のお顔をもう拝見できないなんて…。
鈴子さんお皿をください。
はい。
あははは…。
ああ先生先生!島田さん金賞本当によかったですねぇ。
これも皆様方のお陰です。
ありがとうございました。
先生飲んでください!ありがとうございます。
幸恵ちゃんどうした?鑑評会での事気にしてる?美奈さんだから正直に言いますけど…。
うちの蔵かなり経営状態が悪いんです。
父は利益の事よりもお酒の質にこだわりすぎるから。
私本気なんです。
本気で蔵を立て直したいと思ってるんです。
でも父は私が蔵を継ぐ事は許さないって。
そうだったんだ。
私幸恵ちゃんがそんなふうに考えてるなんて知らなかった。
私もっとたくさんの人にうちの田久實を飲んでもらいたいんです。
それには人目を引く洒落た瓶にしたりネットで宣伝したりしないと。
そう思って父に提案するんですけど…。
わかる。
幸恵ちゃんの気持ち。
私もねうちのホテルをもっとよくしたいと思っていろいろ考えてんのよ。
なのにあの大おかみがやれ伝統だしきたりだって…。
もう石頭なのよねぇ。
美奈さんそういう時はね。
これ!やだ鈴子さん大おかみにピッタリ!あははは!何が私にピッタリなの?よこしなさい!「鬼女ころし」…。
美奈さん!すいません!
(パトカーのサイレン)死後2日ぐらいだって?そうです。
頭に傷があるねぇ。
ここから少し先の滝つぼ近くに血痕が付いた割れた一升瓶が落ちていました。
恐らくそれで殴られ突き落とされたんだと思います。
身元は?辻潔36歳。
住所は東京です。
酒屋の店主のようです。
酒屋?駐車場で辻の車が見つかりましてその中から名刺が。
う〜ん。
「田久實」…。
全部池上酒造の田久實です。
ええっ!?まがい物だ。
ええっ!?でもでも!ラベルも王冠もおたくのものですよね?外見はそっくりに作ってあるが中身はとんでもない代物だ。
ええっ!?
(岩崎耕平)社長の言うとおり田久實じゃありません!この男に見覚えありませんか?辻潔さんという東京の酒屋です。
ああ…。
半年ほど前に田久實を売ってくれと言ってきた男です。
田久實を売ってください。
100本…いや50本でもいい。
売らんと言ったら売らん!そこを何とか。
通常の価格より高く買います。
即金で払いますから。
しつこいな。
帰ってくれ!お願いします。
お帰りください!その後もしつこく電話してきたが取り合わなかった。
うちはやたらめったらなところとは取り引きしないんです。
管理のしっかりした店でないと酒の味が変わってしまいますから。
はあ〜。
それが幻の酒と言われるゆえんなんですね。
あの…辻さんが田久實の偽物を作ったんですか?いやいや…それはまだ。
あの…実は辻さんは奥飛騨で殺害されまして。
凶器となったのは一升瓶です。
まさかうちの?ラベルは剥がされていましたが。
うちのじゃない!そっくりに作った偽物の一升瓶だ!あの…辻さんが殺されたのは一昨日の昼12時から2時くらいの間です。
その同じ日の夜藤巻玄太郎さんが殺されています。
奥飛騨の滝から高山までは車で45分の距離です。
殺害方法は両方とも頭を殴打。
もしかしたら2つの事件は同一犯によるものではないかと。
ああ…その辻さんっていう人は偽物の田久實を車に積んでたんでしょ?6本入りの段ボールが10箱。
そのうちの1本で辻さんは殴り殺されてたんだよ。
その人東京から奥飛騨まで何しに来たんだろう?わざわざ飛騨牛食べに来たとも思えないしねぇ。
凶器に使われた一升瓶のラベルは剥がされてたんでしょ?うん。
何でラベルが剥がされたんだろう?熱心なラベルコレクターってわけじゃないだろうしな。
イタッ!ちゃんと真剣に考えなさい!有ちゃん刑事でしょ?だって!頭使ったら手のほうがおろそかになるだろう。
そしたら美奈怒るじゃない。
手に心も力もこもってません!って。
ごもっとも。
ほら!だから僕は一生懸命手を動かしますから美奈は推理のほうよろしくお願いします。
はいはい。
いい加減手柄立てて署長賞取らないとね。
そうなんだよ〜。
ママにさあっおふくろに怒られちゃうよ。
有作!手柄を立てられないのなら刑事なんて…。
(2人)辞めておしまいなさい!うふふふしょうがないなぁ…。
でも私悔しい。
何が?幸恵ちゃんが池上酒造を立て直そうと一生懸命頑張ってんのにこんな事件起きちゃって。
このままじゃ池上酒造に悪い噂が立たないとも限らないじゃない。
う〜ん。
有ちゃん東京に行くわよ!うん。
えーっ!?辻さんが奥飛騨に来た理由を調べる!でもママがいやいやおふくろよくそんな事許してくれたね?ああもちろんよ。
ほら私結構信頼されてるから。
それに何たって有ちゃんのためなんだから。
そうか。
うん!それじゃあいざ東京へ!ゴー!ゴー。
ゴーゴーゴーゴーゴォ!危ないったら!ああ…あっちか。
ブローカーに騙された?
(辻陽子)はい。
そのブローカーから来たダイレクトメールです。
「幻の酒大吟醸田久實を…」「特別なルートにて入手いたしました」「購入ご希望の酒販店様は下記までご連絡ください」
(陽子)主人はすぐに電話して150本仕入れたんです。
ところが売ったお客さんから味が違うとクレームがきて。
それで偽物だとわかったんですね。
はい。
もうその時には電話はつながらないしそのハガキに書かれてある住所もいい加減だとわかりました。
主人はすごく怒って…。
クソー!!絶対に犯人を見つけ出してやる!じゃご主人はご自分で犯人を?ええ。
警察は当てにならないからって。
ああ…。
で犯人を見つけ出したんですか?私は親の介護でずっと実家に戻っていた状態でしたから。
主人が奥飛騨へ行った事も知らなくて。
という事は辻さんはその偽酒ブローカーを捜し出したのよ。
じゃあ犯人はそのブローカー?うん。
それで奥飛騨でそのブローカーを追い詰めた。
(殴る音)うわーっ!!だけど逆に殺された。
そうか。
じゃあラベルを剥がしたのも詐欺行為が見つかって足がつくのを恐れたんだ。
さすが有ちゃん!コロンボ刑事顔負け。
ハックション!うん?内助の功あっての僕で〜す。
おおわかってんじゃん。
イテッイテッ…。
何何どこ行くの?どうせだったら僕ね東京タワー上ってみたいんだよ。
ねえ東京タワーどこ?東京タワー?ねえそれよりさぁこれこれ!えっ?あっ!小野さんには鑑評会でお世話になったしそのお礼も兼ねてね。
へえっ。
それにいいチャンスなのよ。
私ちょっとほら日本酒疎いじゃない。
そうだよね。
美奈やけ酒しか知らないもんね。
はい〜!ああごめんごめん。
イタタッ…!こっちは混浴の怒り。
ひと言多い〜!イタ〜ッ!!お父さん!さっき美奈さんから電話があって…。
うちのお酒詐欺に利用されたそうよ。
信用に響かないといいけどって美奈さんすごく心配してくれてた。
ねえこれ見てくれない?最近高山も海外からの観光客が増えたじゃない。
だからお土産用に小さな瓶を作ってみたらどうかしら?これなら外国の人にも若い女性にも喜ばれると思うし。
デザイナーになれなかった夢を今度は酒の瓶に託すのか?お父さん…。
勝手に東京へ出てって今さらのこのこ戻って来たようなお前にここでできる事は何もない。
お父さん待って!確かにデザインの勉強がしたくてお父さんの反対を押し切って出て行ったわ。
でも私東京での10年間は後悔してないし無駄だったとも思ってない。
ただ今は本当に自分が何がしたいのかがわかったんです。
それが酒造りか?酒造りはお前が考えているほど甘くない!東京にいる時私嫌な事があるといつも田久實を飲んでた。
ひと口飲むとたちまち嫌な事も忘れて…。
そういうお酒なのよね田久實って。
去年お母さんが死ぬ前に初めて聞いた。
蔵の経営状態が悪い事。
その時思ったの。
田久實を守りたい。
大事に受け継がれてきたこのお酒を私が守って行きたい!って。
だからお願いします。
私に酒造りの手伝いをさせてください!お願いします!田久實は先代達が心血を注いで育んできた酒だ。
その300年の重みのある酒をたった10年そこらで意志を曲げるお前に任せるわけにはいかん!小野さんこんにちは。
こんにちは。
若おかみご主人まで…。
遠いところをありがとうございます。
ご盛況ですね。
お陰さまで。
お客様のご要望が多くて急きょ明日もやる事になったんです。
女性ファンが多いですものねぇ。
いえいえ…。
うらやまし〜い。
イッ!小野先生。
そろそろ準備をお願いします。
わかりました。
では失礼します。
お話楽しみにしてます。
どうもへへ…。
ねえ。
イテェ!あれ島田さんよ。
ホントだ。
おいしいでしょうこれがですね当蔵自慢の大吟醸飛騨錦です。
作家の藤巻玄太郎先生からも絶賛されたお酒です。
なんと金賞を受賞させていただきました!あきれた。
藤巻先生を殺した犯人まだ捕まってないのに。
ああ。
あれじゃあ儲け主義丸出しだよ。
ホントよ!痛い!もうほうぼう腫れちゃう!ただいま戻りました…。
東京の旅行会社への挨拶回り嘘だったのね?えっ!電話で確認いたしました。
ええっ!?あっあの…。
恐らくは有作のため…それにしては度が過ぎます!申し訳ありません!あなたに欠けているのはおかみ魂。
その精神を私が叩き直しましょう。
えっ!?うわぁ…。
漏れちゃった!もしもし…池上です。
えっ!?それは一体どういう事なんだ!?話が違うじゃないか!「
(電話を切る音)」面を打てー!
(一同)面!後へ。
もう一度打て!
(一同)面!後へ。
もう一度打て!
(一同)面!後へ。
もう一度打て!
(一同)面!後へ。
今時なぎなたよ。
古くない?はあっ?何で私達までしごかれなきゃなんないんです?元はと言えば若おかみのせいなんですからね。
すいません…。
ちょっとそこ!真剣におやりなさい!
(2人)すいません!もう一度打て!痛い!はい!後へ!もう一度打て!
(一同)面!はあなぎなたのお稽古をすると気分がスッキリするわねぇ。
はい!身も心もおかみ魂も引き締まりました。
・
(梅子)大おかみ!大おかみ!大おかみ!何よ騒々しいわね。
藤巻先生の遺作が載ってます。
こんな事になるんなら一度くらい先生のお誘い受けて差し上げればよかったわ…。
島田さんの飛騨錦この雑誌のお陰で売り上げ倍増してるみたい。
ああそりゃそうでしょうね。
マスコミの力は大きいですから。
あっすいません。
あら?はっ?おかしいわ。
どうなさいました?小百合さんちょっとね飛騨錦とコップを持ってきて。
はあ!?飲んでみて。
はっ?朝から?いいから。
はいいただきます!はあっ!どう?はい。
大おかみのおっしゃるとおりこのお酒は先生の文章には当てはまらない気がします。
えっ?口当たりはスッキリ。
それでいて力強さが膨らむと先生は書かれていますが力強さは感じられません!このお酒は鶴が春まだ浅い霞がかかった飛騨の山の上を静かにそして華麗に舞うようなそんなすがすがしさが感じられるような味でありと同時に…。
という事は大おかみこれは…。
これは藤巻先生の書かれた文章ではありません。
えっ!?誰かが書き直したものです。
じゃあその誰かがここに忍び込んで…。
それができたのは…先生を殺した犯人?あっあの時の…。
ああ〜小野先生この2日間お疲れさまでございました!ああどうもご苦労さまです。
あの本当でしたらこの後お食事でもと思ったんですけれどもあいにく約束がありまして高山のほうに戻りませんと。
私もすぐに新幹線で名古屋へ帰らねばなりませんから。
またそのうちに。
はい必ず。
ああ先生!ありがとうございました。
サインお願いします。
はい。
気取りやがって。
じゃああと頼んだから。
はい。
えっ!?犯人は島田酒造の社長!?シーッ!私思い出したの。
先生がホテルに到着した時サングラスをかけた男の人が…。
あれ島田さんよ。
サングラスの男…。
たぶんねこういう事だと思うの。
島田さんは藤巻先生を殺害。
その後奪った鍵で部屋に忍び込んだ。
そしてお酒の名前を飛騨錦に書き換え設定時間も操作して先生が夕食前に書いたかのように偽装した。
だけど島田さんと奥飛騨で殺された辻さんの接点って何なんだろう?もしかして島田酒造は裏で田久實の偽酒を?だって島田さん前から池上酒造にものすごくライバル意識持ってたもの。
そっか。
じゃあ池上酒造の名前に傷をつけるために。
あっねえ鈴子さん岐阜美人の冷酒ある?あっ冷酒?ごめんなさい。
今日切らしちゃってる。
じゃあ田久實ちょうだい。
はい!あっこんばんは。
いらっしゃい。
あっ小野さんこんばんは!昨日はありがとうございました。
こちらこそいいお話をありがとうございました。
いえいえお恥ずかしい。
有作さんお待たせ。
あっはい。
どうぞ小野さんこちらに。
あっはい。
へっへ〜田久實か。
ねえ。
ああ…。
ひょっとして藤巻先生が最初に書いた飛騨を代表するお酒ってこの田久實の事じゃないかしら?えっ?だってね先生がエッセーを書き終えた後夕食の時に注文したお酒も田久實だったもの。
あっあっ美奈さん!ああお疲れさまです。
大変よ!ああ…。
池上さんは被害者なのにこれじゃまるで悪者よ。
幸恵さんのとこ行ってあげて。
えっお義母様?池上さんとうちは古いお付き合い。
職場放棄特例で認めます。
ありがとうございます!ただし…。
走らない事!わかってればいいわ。
はい!いってきます!美…!
(ため息)取り引きを断る?ちょっと待ってください。
うちはあの事件とは無関係なんです。
「
(電話を切る音)」もしもし?
(岩崎耕平)またですか?ええ。
返品の電話も何件もかかってきてます。
(熊谷達也)クソッ!これじゃうちは…。
大丈夫よ!うちには昔からのお得意様だっていらっしゃるし。
中には励ましてくださるお客様だって。
ねっここはみんなで頑張りましょう。
気休めはやめてください。
えっ?社長の前で何ですが…。
蔵の事何もわかってないお嬢さんにあれこれ口出されても…。
瓶を新しくしたらどうか。
女性受けする酒を造ったらどうか?うちにはうちの昔からのやり方があるんです。
ごめんなさい…。
・すいませーん。
すいませーん!ああいらっしゃいませ!大吟醸田久實ありますか?あっはい!ちょっとお待ちくださいね。
凶器の一升瓶土産にするなんて洒落てんだろ。
うん。
もしかしてさネットで高く売れたりして。
かもな!ついでにここの写真撮っとこうか。
出てってくれ。
・
(幸恵)お父さん!お前達に売る酒はない。
出て行け。
(幸恵)お父さん…やめて。
出てけ!ネットに書き込みしてやるから!クソオヤジ!こんにちは!田久實切らしちゃって。
売っていただけるかしら?美奈さん…。
うふふっ!私にも…売っていただけるかしら?鈴子さんも…。
ありがとうございます。
幸恵ちゃん。
私うれしいんです。
うちの事を心配して来てくださる人がいる。
うちの田久實をおいしいと思って買いに来てくださる人がいる。
それがうれしくて。
そうよ幸恵ちゃん。
田久實を好きな人はたくさんいるんだもの。
こういう時こそ頑張ろう!ええ。
このくらいの事で負けてなんかいられません。
大丈夫です。
蔵はしっかりと守っていきます。
俺すぐにお届けに行きます!お前は瓶詰めの作業があるだろ。
俺が行くよ。
お嬢さんの言うとおりここはみんなで頑張らないとな。
(幸恵)岩崎さん…2人共ありがとうございます。
(パトカーのサイレン)ああっ!?あっ…ご苦労さまです。
島田酒造の社長か?後ろからひもで絞め殺されたようだな。
車内で争った形跡はないようです。
となると顔見知りの犯行か。
(白金)警部!うっ…!ダッシュボードの中にこれが。
「高山観光ホテル」…。
うっ…うちのホテルですよね?島田さんの死亡推定時刻は昨日の午後9時から11時の間。
従業員の話では島田さんは昨日の午後1時小野さんの講演が行われた東京の麹町を車で出ています。
島田さんは小野さんにこの後高山で約束があると言っています。
車の中に高速道路の領収書がありました。
午後3時7分に松本インターチェンジを出てます。
その後の足取りはまだ…。
えっ?つかめてないのか?はい。
えっ?やはり島田さんが藤巻先生を…。
いや違う!これは辻および藤巻先生殺しの同一犯による犯行だと思います。
そしてその裏にあるのは偽酒詐欺事件。
間違いありません。
やけに自信満々じゃないか。
自信あります。
じゃあ犯人の目星は?有作お前な藤巻のエッセーの書き換えを見破ったからって少し図に乗ってないか?う〜ん…。
あれは全部大おかみの政子ちゃんと若おかみが見破ったもんだろうが。
いい加減親離れ嫁離れして自分の頭で考えろ。
わかったな?うう…。
ダメ。
泣いてもダメ。
泣くな!ねえ捜査状況はどうなの?何かわかった?何黙ってんの?捜査状況は秘密です。
一般市民には口外できません。
へっ?ねえ急にどうしちゃったの?ダメダメ!有作さん珍しいお酒をごちそうするわ。
澱酒っていうの。
もろみをあらごしして生のままそのままね瓶詰めしたものなんですって。
へえ〜!ふ〜ん。
小野さんにもらったの。
うわっ!ちょっと…。
えっ?ねえ炭酸入りなの?どうなのかしら?濁り酒みたいなものだっておっしゃってたんだけど。
はいはい…。
はいどうぞ。
おお〜!それで有作さん捜査の状況は?それがね島田さんが昨日殺されるまでの足取りがなかなかつかめなくてさ。
あら島田さんだったら昨日ここにいらっしゃったわよ。
夕方の5時頃だったかしら?ええ〜?こんにちは。
島田さん。
どうしたんですか?こんな時間に。
うんちょっとあの近くに来たもんで。
これ東京のお土産。
あら!すいません。
ありがとうございます。
すぐにお帰りになったんだけどねこれがそのお土産。
ここのおいしいんだ!食い気より捜査でしょ!あっ痛い痛い。
そうだった。
あの島田さんその後で誰かに会うとかどっか行くとか言ってなかった?何もおっしゃってなかったわ。
う〜ん…。
ねえ有作さんもしよかったらこれ持ってって。
いいの?いい…あっ。
一人じゃ食べ切れないから。
へへへっ遠慮なく!僕ね甘いの大好きなの!おおーカスタードにこしあんだ!出世は当分無理だ…。
お父さん。
お前が蔵を継ぎたいというのはどうやら本気のようだがやはり私は認めない。
どうして…どうしてダメなの?私一生懸命やるわ。
一生懸命やって女にでも酒造りはできるってお父さんに証明してみせる。
そういう事じゃない。
だったらどうして…?池上酒造ののれんを下ろそうと思う。
お前が考えてる以上にうちの経営状況は深刻だ。
倒産するならその前にこの手で…。
それが田久實を造り続けてきた私のせめてもの務めだ。
お父さん私知ってるのよ。
お父さんが鑑評会で急に田久實の出品を取り下げた理由。
誰かに脅されてるの?私お父さんが電話してるのを聞いてしまったの。
もしもし池上です。
それは一体どういう事なんだ!?話が違うじゃないか!そんな事は忘れろ。
どうもごちそうさん。
ありがとうございました。
(鈴の音)
(鈴の音)いい音だろ?うん!お前の名前はこの鈴からとったんだよ。
(鈴の音)よっこいしょ!ああ旦那さん邪魔です。
ああごめんごめん…。
前行ってください。
はいはい…。
なぁに有ちゃん浮かない顔して。
あのね犯人の事なんだけどさ…。
犯人!?あのね僕ね…。
もう〜!あっ痛い痛い…!邪魔です!ごめん!ねえ僕は…なぁに?あのね池上さんが怪しいと思うの。
池上さんって幸恵ちゃんのお父さん?うん。
池上さんは頑固一徹酒造りをしてきた。
だけど酒の管理が完璧でない店はどんなに頼まれても取り引きをしなかった。
マスコミに取り上げられる事も嫌がってきた。
はあ〜?だから?それが災いして偽酒詐欺に利用されたんだよ。
池上さんにしたら儲けに走って詐欺に騙された辻さんも悪いと思うだろ。
あんたのせいだよ!何が老舗だバカヤロウ!それを一方的に責められて…。
(殴る音)うわーっ!!思わず殺してしまった。
そんな…。
仮によ?仮に池上さんが辻さんを殺したとして何で藤巻先生まで殺す必要があるの?いやいや…それがね藤巻先生はうちのホテルに来る前に奥飛騨に立ち寄ったらしいって事がわかったんだよ。
えっ奥飛騨に…?うん。
辻さんが殺されたのは奥飛騨の滝。
その近辺で先生はばったり池上さんに遭遇したんじゃないのかな?それが命取りになるかもしれないと考えた池上さんは夜先生を呼び出した。
(殴る音)うわぁ…。
それを島田さんに見られた。
そこで島田さんは企んだ。
盗んだ鍵で部屋に忍び込みエッセーを書き換えた。
そして池上さんを脅して鑑評会の田久實の出展を取り下げさせた?それにね島田さんはね殺されたその日に誰かと会う約束をしてたんだよ。
ふ〜んじゃあそれも池上さんだっていうの?そう!ああっ…ああっ!そんなわけない。
池上さんはね絶対犯人じゃありません!じゃあ誰が犯人?それは…それはあれだけど…。
池上さんを疑うなんてね有ちゃんには人を信じる気持ちこうハートっていうのはないんですかねぇ?捜査に私情を挟んではなりません!これはできる刑事の鉄則です。
できる刑事?えっ!?できる刑事ってどこにいるの?どこ!?どこ!?ここ!ここにいます!ここここ!はあっ?できる刑事が妻以外のちょっと若いちょっとかわいい女の子と混浴なんかしますかねぇ!それは全然話が違うじゃん!違わないよ!あっ違うもん!違わないって言ってるでしょ。
やったの?違うって言ってんじゃん。
あっ!何やんの!?やったな!ちょっと…!もう許さないからね!美奈さん。
ああどうかしたの?冷蔵庫。
調子が悪いから買い替えたの。
へえまだ使えそうなのに。
日本酒ってね少しの温度変化で味がすぐに変わってしまうの。
だから保存には気をつけないと。
そうなんですってね。
あっこれ萩高山特製のお漬物。
人形焼のお礼。
ありがとう。
入る?うん。
今日お店お休みにしたからゆっくりしてってね。
あっありがとう。
どうしたの?さっきから元気ないけど。
ああふふっ…有作とケンカしちゃったの。
ふふっ珍しい。
ムキになるのが私の悪いところでね…。
向こう見ずだとかおかみ魂がないとか大おかみにもいつもいろいろ言われてる。
でも大おかみ美奈さんの事褒めていたわよ。
ええ〜?うちのダメ息子を支えてくれてるのは美奈さんだって。
ホントに?うん。
大おかみが…。
うらやましいなぁ。
そうやって自分の事ちゃんと見てくれてる人がいるだなんて。
ああでも鈴子さん一人でこの酒林を立派にやってるじゃない。
偉いわ。
ううん私なんかダメよ。
亡くなった母の後ただなんとなく継いでやってるだけだから。
幸恵ちゃんとは大違い。
私もやり直せるもんならやり直したいなぁ。
何もかも全部。
この店たたんで…。
鈴子さん人生まだまだこれからじゃない。
人は変わろうと思えばいつだって変われるしやり直そうと思えばいくらでもやり直せるわよ。
そうかしら?そうよ。
うふふっ。
うん。
(携帯電話)あっちょっとごめんね。
(携帯電話)もしもし有作さん?あああのねこれから池上さんを調べに行くんだ。
美奈にはちゃんと言っておこうと思って。
ええっ?有ちゃんちょっ…。
どうしたの?これから池上さんを調べに行くって。
えっ?
(館内の音楽)ええ〜えっ?うわっ?もうちょっと誰?パソコンいじったの!何ですか?美奈さんドタバタとはしたない。
あの私にお休みをください。
ええっ?事件の事を調べに行きたいんです。
どういう事?今池上さんに容疑がかかっています。
でも幸恵ちゃんのお父さんが犯人だなんて私はどうしても思えなくて。
ですから池上さんの無実を証明したいんです。
わかりました。
しっかりと証明してきなさい。
ありがとうございます。
いってきます!大おかみいいんですか?いいのよ。
でも…!おかみである前に人であれ。
はあ〜。
実はね藤巻先生はうちのホテルに来る前に奥飛騨に立ち寄ったらしいって事がわかったんだよ。
藤巻先生は奥飛騨は犯行現場の近くで犯人を見ている。
それが誰なのかわかれば…。
この人なんですけどこういうふうに着物を着てたと思うんです。
池上さん…。
幸恵は私が初めて田久實を鑑評会に出品した理由を売り上げのためと思っていますが実は違うんです。
とおっしゃると…。
田久實に最後の花を添えたかった。
どういう意味ですか?田久實が金賞を受賞する自信はありました。
だからその受賞を最後に池上酒造ののれんを下ろす覚悟だったという事です。
ところが鑑評会の当日になってある人から金の融資話を持ちかけられた。
融資を?うちは経営が行き詰まっていてどこの銀行からも融資を断られてました。
それをその人が間に立って何とかしてくれるっていうんです。
ただその条件として…。
田久實の出品を取り下げろってあんた!
(池上)悩みましたがそれで蔵が存続できるならと思い…。
池上さんねえ…。
池上さん!その話を持ちかけた人というのは?藤巻先生奥飛騨に何しにいらしたんだろう?先生の興味あるものはお酒女性…。
ああ来たよ。
ホントですか?うん。
着物着てたからよく覚えてるよ。
はあ…。
錠剤もたくさん買ってもらってね。
あの…どなたかと一緒じゃありませんでしたか?いや一人だったなぁ。
はあ…。
あっでも…。
表で知り合いにばったり会ったみたいで。
えっ?先生!やあこんなところでお会いするとは。
どうです一緒に乗って行きませんか?その男は車だからと言って断ったみたいだったなぁ。
あの…この人がその男性を先生と呼んでたんですか?うん。
はあ…。
先生…?先生って…。
ああっ!小野先生。
そろそろ準備をお願いします。
では融資の話はその小野さんから?はい。
ところが後になって…。
もしもし池上です。
融資の件ですよねぇ。
それがどうも無理そうで。
それは一体どういう事なんだ!?話が違うじゃないか!申し訳ありません。
私もあれこれと手を尽くしたんですがね!騙された!その時に気がつきました。
結局融資も受けられず金賞も取れず…。
裏で島田酒造が絡んでいると思いました。
あそこは昔からうちを敵視していましたから。
そのようですね。
黙っていて申し訳ありません。
偽酒詐欺やら殺人やらこれ以上事件に巻き込まれて田久實の名に傷がつくのが我慢ができませんでした。
申し訳ない。
正直にお話いただいてありがとうございました。
池上さんのつらいお気持ちよくわかりました。
・美奈!美奈美奈。
ああ!有ちゃん!もう。
ごめん。
確かに藤巻先生が会った男は小野さんだったよ。
スッポン業者さんがね写真確認してくれたんだ。
やっぱり?うん。
やあしかし小野さんが田久實の偽酒詐欺をしてたとはね。
表の顔は元大学助教授で日本酒コンサルタント。
裏の顔は強欲な詐欺師!ああ人は見かけによらないわねぇ!ともかく小野さんの事は徹底的に調べるからね。
有ちゃん頑張ってね!うん。
美奈あのさ昨日の事ごめんね。
ああ私も言い過ぎた。
ごめんね!美奈。
有ちゃん…。
でもね…。
混浴はね許せないのよねー!あんた!アイターッ!!
(小野)うわーっ!!
(衝突音)
(パトカーのサイレン)昨夜名古屋で小野徹がビルから投身自殺した。
事務所には遺書がありそこには辻藤巻島田を殺害したと書かれている。
有作ちょっとおいで。
はい。
一連の事件を追って説明しなさい。
はい。
そもそもこの事件は小野が辻さんに田久實の偽酒詐欺を見破られたところから始まります。
ふざけやがって…。
何が先生だ…!うわぁー!うわぁー!奥飛騨で追い詰められた小野は逆にその一升瓶で辻さんを殴り殺した。
しかしその帰り道藤巻先生と出くわしてしまった。
辻さん殺しの関連性を疑われる事を恐れた小野は藤巻先生を電話で呼び出して殺害。
そしてその殺害現場を島田さんに目撃された。
島田さんは警察には通報せずに藤巻先生の部屋に忍び込みエッセーに書いたあった酒の名前を飛騨錦に書き換えた。
有作なかなかいいぞ。
ありがとうございます。
島田さんは藤巻先生殺しをネタに鑑評会で飛騨錦が金賞を受賞するように小野を脅した。
大方の予想では金賞は島田酒造と池上酒造の一騎打ちと見られていた。
だから小野は融資を条件に池上さんに田久實の出品を取り下げる事を持ちかけた。
そのうえで小野は口封じのために島田を殺害。
ただね警部ここで1つ大きな問題があるんですよ。
島田さんの死亡推定時刻は夜9時から11時。
その時間帯小野にはれっきとしたアリバイがあるんですよ。
(殿山)何!?小野は酒林で酒を飲んでました。
この私がこの目でちゃんと見てます。
つまり小野には誰か共犯がいてその人物が島田を殺した。
あるいはその手助けをしたと。
さあ…。
小野の遺書のコピーがここにある。
ワープロだ。
つまり小野の自殺は偽装でその共犯者が小野を殺害した可能性もあるって事ですか?そうだ。
しかも小野の事件があった日の夕方女が小野の事務所を訪ねているのが目撃されている。
女?えっ小野さんが自殺!?あっ…!あっはい。
「名古屋の事務所ビルから飛び降り全身を強く打って死亡」…!?辻さん藤巻先生島田さんを殺したのは自分だって遺書に書いてあったそうです。
何かにおうわねぇ。
お義母様もそう思います?うん…。
小野さんには共犯者がいた。
小野さんはその共犯者に殺された…。
私もそう思います!珍しく意見が合ったわね。
ホントですねぇ!ねえ。
私ねこう思うの。
藤巻先生は犯人に呼び出されて殺されたんじゃない。
ええ。
藤巻先生がお気に入りのコンパニオンを置き去りにしてまで小野さんの呼び出しに応じるはずがない。
…という事は?女よ!電話で先生を誘い出したのは女!そして島田さんと会う約束をしたのもその女。
藤巻先生小野さん島田さんに共通した女を捜せば…。
犯人にたどり着く…。
うん…。
小野が自殺したとされる日の事務所ビルの防犯ビデオです。
ああ…。
ちょっちょっ…。
ちょっと巻き戻してくれ。
はい。
(殿山)止めろ!幸恵さんだ…。
それがものすごいいい男でさ。
(一同)ええ〜!?ええ〜!?って何よ?お疲れさま。
これ明日の朝食の配膳です。
お疲れさまです。
若おかみ人形焼いかがですか?おいしそ〜う。
いただきます。
ありがとう。
ねえこれもしかして鈴子さんにもらった…。
えっ?これ私達への差し入れじゃないんですか?ああ…これ有ちゃんの大好物でしかも東京でしか売ってない…。
いやいや食べて食べて。
あっ東京からお取り寄せしたらどうですか?あっそうかその手があったか。
梅子頭いい。
でしょ?ええ東京駅店…?幸恵ちゃんが?まさかそんな…。
明日任意で事情聴取を行う事になってるよ。
ねえ有ちゃんこれ見て。
レシート?うん。
鈴子さんのくれた人形焼…。
ほら島田さんの東京土産だっていう。
この紙袋の中に入ってたの。
すぐにお帰りになったんだけどねこれその時のお土産。
それがどうしたの?島田さん東京から車で戻ったんでしょ?でもね東京駅店…。
ホントだ。
島田さんにもらったってホントかしら?ひょっとして…。
えっ?じゃあ鈴子さんが小野の共犯者だっていうの?それはないなぁ。
だって島田さんの死亡推定時刻は夜の9時から11時だよ。
その時間帯ってさ僕も美奈も酒林にいて店の中に小野さんも鈴子さんもいたじゃない。
ああそうだった。
やだ私どうかしてる。
鈴子さん疑うなんて…。
ねえねえ…。
レシートなんかよりこの中身どうしたの?うん?うんうんうん…。
あ〜ん。
あっおいしいおいしい…。
ねえ。
すっぱ…。
田久實か…。
池上酒造ののれんを下ろす事にした。
えっ!?田久實はもう終わりだ。
ありがとう。
名古屋で小野さんに会いましたね?あの日父の話を聞いてどうしても気持ちが治まらなくて小野さんのところへ行ったんです。
どうしてですか?父は小野さんの言うとおり融資の代わりに田久實の出品を取り下げたんですよ。
それなのに今さら…。
先日池上さんにも電話でお話したんですけどね…。
スキャンダラスな記事が出たせいもあってどこも逃げ腰になりましてね。
私がいくら間に入ったところでもうどうにもならないんですよ。
そんな…どうにかしてください。
でないとうちは…。
お気の毒だとは思いますけどね。
ひどい…。
ひどすぎます!その後言い争いになって事務所を飛び出しました。
幸恵さん単刀直入にお訊きしますが小野さんの死亡時刻は夜8時30分頃です。
その時間のあなたのアリバイを証明できる人はいますか?島田さんが殺された夜ですがあなたは島田さんと会う約束をしていませんでしたか?いいえ。
そんな約束はしていません。
萩の間急いでくださいね。
それ藤の間だから。
(梅子)小百合さん小百合さん!すいません。
ちょっとこのビール冷えてないみたいなんですけど。
冷蔵庫の調子が悪いのよ。
これなら何とか。
買い換えないとダメかしら?そのほうがいいですね。
ワインや日本酒は温度で味が変わりますからね。
また出費…?頭痛いなもう…!あれ?どこかで同じ会話があったような…。
ああ…。
あっ!もしかして…。
若おかみ邪魔!あっ…冷蔵庫だ!えっ?若おかみ…。
美奈どうしたの?有ちゃん。
幸恵ちゃんは小野さんを殺してなんかない。
えっ!?小野さんを殺したのは…。
お話って何?鈴子さん本当の事を話して。
あなた3日前名古屋へ行ったんじゃない?お店お休みしたあの日名古屋で小野さんと会ってた。
そうなんでしょう?嫌だわ美奈さん何を言うかと思ったら…。
辻さん藤巻先生島田さんを殺したのは田久實の偽酒詐欺をしていた小野さんに間違いないわ。
でもね小野さん一人でできる事じゃないの。
小野さんの犯罪に手を貸していたのは鈴子さんあなただわ。
藤巻先生…。
あなたが藤巻先生を電話で呼び出し…。
(殴る音)うわぁ…。
島田さんと会う約束をしたのもたぶんあなた。
珍しいな。
鈴子さんが私に話があるなんて。
すいません。
今お茶淹れます。
島田さんは新幹線で先回りしていた小野さんに口封じのために殺された。
殺害現場はあなたのお店酒林。
島田さんが東京土産を持ってあなたのお店に来たっていうのはあなたの作り話。
あの人形焼は本当は東京駅を利用した小野さんが買ったもの。
このレシートが証明書よ。
待って美奈さん。
島田さんが殺されたのは夜の9時から11時の間よ。
私はその時間もうお店にいてあなたもうちで飲んでたじゃない。
ううん。
それこそがトリック。
あなたと小野さんは島田さんの死亡推定時刻をずらすトリックを使ったの。
冷蔵庫よ。
お酒を冷やしておく冷蔵庫にあなた達は島田さんの死体を入れて冷やした。
そうする事で死亡推定時刻はずれ自分達のアリバイは証明される。
私がお店にいたまさにあの時間冷蔵庫の中には島田さんの死体があった。
小野さんは島田さんの死体を冷蔵庫から出しそして島田さんの車で展望公園に運び運転席に死体を置いた。
この推理のヒントは鈴子さんがくれたのよ。
島田さんが殺された翌日あなたお店で澱酒を出してくれたでしょう。
小野さんにもらったの。
開けたら吹きこぼれた。
死体を入れるために冷蔵庫に入れてあったお酒は一旦外に出された。
そして死体を運び出した後再びお酒は冷蔵庫に戻された。
あの澱酒もその中の1つ。
大おかみに訊いたの。
澱酒ってね冷やしたものを常温に戻すと瓶の中でガスが溜まるんですって。
そしてそれを再び冷やして開けるとどうなるか…。
あの時みたいに吹きこぼれてしまうの。
あなたはあの冷蔵庫をそのまま使うのが嫌だった。
だから業者に引き取ってもらった。
今鑑識が冷蔵庫を調べてます。
島田さんの髪の毛や衣服の繊維が検出されるのも時間の問題ですよ。
鈴子さんすべてを話してくれるわね。
美奈さん小野さんとは10年になるわ。
いい人で私が亡くなった母の店を継いだ頃いろいろ相談にのってくれた。
奥さんはいたけれどそれでもいいと思ったの。
とても好きだったし寂しくて誰かに頼りたかったから…。
でもあの人は教授選に負けて大学を辞めてから人が変わってしまった。
お金と地位に執着するようになって揚げ句の果てに偽酒詐欺。
そして殺人まで。
人を殺しちゃった…。
偽酒の事で問い詰められて仕方がなかったんだ。
鈴子頼む助けてくれ。
鈴子しかいないんだよ。
頼む助けてくれ鈴子。
頼むから助けてくれ…。
助けてくれ。
(嗚咽)辻さんを殺した事を打ち明けられて引きずられるままに犯罪に手を貸してしまった。
じゃあ田久實の偽酒詐欺は鈴子さん知ってたんですか?ええ。
私は田久實が嫌いだった。
私の母は池上酒造の先代のおめかけさんだったの。
先代はうちに来る時はいつも田久實の一升瓶をぶら下げていた。
お父さん。
先代父にはすごくかわいがってもらって鈴子という名前も父がつけてくれたの。
でもその父も私が7歳の時に亡くなった。
本家の奥様からは随分嫌がらせをされたわ。
だから私にとって田久實は父の思い出だけど池上家への恨みを感じるものでもあったの。
鈴子さん…。
でも幸恵ちゃんの田久實を必死に守ろうという姿を見ていたら恨みよりも父の事が思い出されて…。
(先代)鈴子田久實はなぁ飛騨の米と水でうまい酒を造りたい。
そういう思いでお父さんやおじいちゃん達が造ってきた酒だ。
だから田久實には魂が込められているんだよ。
魂…?真心の事だよ。
父が愛した田久實に今幸恵ちゃんが新しい魂を吹き込もうとしている。
どんなつらい事があっても負けない幸恵ちゃんの姿はとてもまぶしくて…。
それに比べて自分が情けなかった。
ずるずると引きずられるままに犯罪に手を貸してしまった自分が…。
こんな私でも夢を持った時はあったはずなのに…。
でも美奈さんに人生いつからでもやり直せるってそう言われて私も今から過ちを正す事ができるんじゃないかって…。
人生やり直す事ができるんじゃないかってそう思ったの。
だから…。
お願い。
私と別れて!今さら何言ってるんだ。
俺達は共犯者なんだぞ。
私もう嫌なのよ!あなたの事も自分の事もやり直したいの!無理だよ鈴子俺達は一緒に人を殺してるんだ。
君の人生はもう君一人のものじゃない。
嫌よ!嫌も何もない!君にそんな選択をする自由はもうないんだ。
そんな!鈴子!勝手な事は許さないぞ!鈴子!離して!うわーっ!!
(衝突音)あの人を殺すつもりなんてなかった。
小野の遺書を偽装したのもあなたですね。
美奈さん私には人生やり直せなかった。
いろいろやさしく励ましてくれてありがとう。
本当は泣きたくなるぐらいうれしかった。
柳下鈴子小野殺人島田殺人幇助および死体遺棄の容疑で逮捕します。
はい。
有作。
鈴子さん行きましょう。
鈴子さん!あなたのした事は間違ってる。
ちゃんと罪は償って。
でもね人生は必ずやり直せるしあなたにはやり直してほしいと思ってる。
だってあなたこれまで一生懸命生きてきたじゃない。
私あなたがどれだけ頑張ってきたか知ってる。
私はこれからもあなたを見守ってる。
あなたがどこにいようと応援してるから…。
幸恵ちゃんお父様にお伝えして。
田久實は日本一おいしいお酒です。
ですから先代からいただいた酒林の土地はお返ししますって。
どうかそれで田久實を守り続けてくださいって…。
先代達の魂を守り続けてくださいって。
鈴子さん…。
ごめんなさい。
私何も知らなくて。
鈴子さんの思いは必ず…必ず伝えます。
(柏手)岩さん熊事務所へ来てくれ。
わかりました。
はい。
幸恵お前も事務所へ来い。
えっ?今年の酒造りの計画を立てる。
それに瓶も新しいものにする。
へへへ…いやなぁうちの経営が苦しいと知って田久實のためならと何人かの人達から融資の申し出があった。
だから鈴子さんの土地には手を付けずに済みそうだ。
はっはっはっ…。
何をぼーっとしてるんだ。
そんな事じゃ酒造りなんかできないぞ!お父さん…。
池上酒造15代目は初の女性蔵元誕生ですね。
おめでとうございます。
バカヤロウ!継ぐのを認めたわけじゃないぞ。
それに14代目の俺がまだまだ健在だろうが!そうでした。
何がそう…。
あははは…。
行こう。
あははは…。
はあ…。
おはようございます。
ステキねぇ。
あなたが生けられたの?いいえ。
館内のお花はすべて大おかみが…。
そう。
大おかみに昔どおり居心地のいいホテルですねって伝えてちょうだい。
あらっ!?以前にもお泊まりいただいたんですか?ええもう20年以上も前よ。
ああそうですかどうもありがとうございます。
若おかみ来てください!来てください…。
何ですか?ええっ…?ちょっと…来てください。
いやいやそれじゃなくここここ…。
ねえそこクリッククリック。
朝からこの調子なんです。
ホントに!?出た!やったねママ!何が出たんですか?なぎなたの会のホームページ!へえー!ふふふ…ねえ今度僕に…。
ダメダメ!ダメよ!いいじゃない。
大おかみ。
なぁに?私大おかみが大切にしているものがわかったような気がします。
ええっ?いくら時代が変わっても昔から受け継がれてきたものを決してなくしてはいけない。
そしてそれをしっかりと後に続く者に伝える。
その心こそが大事なんだって…。
それでいいのよ若おかみ。
はい。
やったー!これでめでたしめでたし!さあさあさあ続き続き!えへへへ…。
やりましょう。
若おかみ!いいじゃない。
ああー出た出た…!ああ〜!すご〜い!すご〜い!ねえ。
本日は萩高山高山観光ホテルをご利用いただきまして誠にありがとうございます。
私大おかみの中川政子でございます。
若おかみの美奈でございます。
日頃のお疲れを癒やしていただきたく私達従業員一同心を込めてサービスをさせていただきます。
どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。
(拍手)明日の準備があるんですからね。
邪魔邪魔もう邪魔だったら。
ああちょっと。
小百合さん邪魔ですったら。
小百合さん遊んでないで!さあはあ…。
ああー!ねえちょっとじゃれてないで…。
何してんの?ちょっと…!ええっ!?ちょっちょっと…。
あら?仲がいいですねぇ!急いでねぇー!2015/10/29(木) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
温泉若おかみの殺人推理[再][字]
飛騨高山〜幻の名酒連続殺人!!冷やされた死体の謎…嫁姑の推理対決!?
詳細情報
◇番組内容
人気シリーズ第17弾!風光明媚な飛騨高山でロケーション。国生さゆり、遠野なぎこ、竜雷太らの豪華キャストで送る、酒作りに掛ける思いと裏に隠された意外な人間模様!!
◇出演者
東ちづる、中村梅雀、岡田茉莉子、国生さゆり、遠野なぎこ、竜雷太、若林豪、山村紅葉、久保田麿希、富家規政
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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