≫しかもこの人たちがやっているのは
(子供たち)《・「僕らはみんな生きている」・「生きているから歌うんだ」・「僕らはみんな生きている」・「生きているから悲しいんだ」・「手のひらを太陽に透かしてみ…」》
(子供たち)《・「オケラだってアメンボだって」・「みんなみんな生きているんだ友達なんだ」・「僕らは…」》・
(一同の悲鳴)・
(戸の開く音)
(道尾)お疲れさまです交代の時間です。
(警察官)お疲れさまです。
(道尾)承りました。
(桜木)
本格的な再捜査が始まる未解決事件というのは実際はとても少ない
新しい証言や物証が出なければ過去の事件はこの場所でほこりをかぶり続けていく
(桜木)塚本さん?
(塚本)んっ?
(桜木)仕事してくださいよ。
(塚本)嫌です。
こんな仕事刑事がする仕事じゃありません。
(塚本のくしゃみ)
(塚本)ほこりっぽいなここ。
(桜木)訳分かんないことを。
(塚本)捜査して解決すんのが刑事だろうが。
未解決で進展なしなんてのはさ俺ら刑事が負けたっつうことなんだよ。
(桜木)負け。
(塚本)まっ俺が第一線で捜査してりゃこん中の半分ぐらいは即解決したんだけどな。
(三井)頼もしいんですね塚本さん。
あら?聞いちゃう?機捜のころの俺の武勇伝。
ちょっ…サボりたいだけじゃん。
(村山)兄ちゃん特命4係ってのはここかい。
(道尾)そうですけど。
(村山)捜査一課っても第二分庁舎はぼろっちいな。
(道尾)あの!関係者以外立ち入り禁止です!
(村山)門番だったら面構え見て同業かどうか察しろや。
(道尾)申し訳ありません!
(倉田)何か新しい情報出たか。
(深沢)いいえ。
事件が解決しないのは初動捜査に問題があったからじゃないかって話を延々。
わたしたちじゃ答えようがないわね。
担当した連中に直で聞いてほしいよな。
これも特命の重要な仕事です。
・
(村山)失礼。
大西署の村山って者ですがこちらの室長さんに取り次いでもらえませんかね。
(倉田)あのどういったご用件で。
(村山)ちょいと頼み事がありまして。
何だあの小娘いねえのか。
(深沢)小娘?ここで世話んなってんでしょ鈍くせえのが。
資料の移動は手伝ってくださいよ力仕事なんですから。
か弱い女の子アピールしてんじゃねえよ桜木のくせによ。
そういうことじゃなくて。
あっ。
(村山)てめえ!仕事サボって男とおしゃべりかこら!村山さん。
(村山)本部に呼ばれたからってたるんでんじゃねえぞ桜木!たるんでませんって。
(高峰)あんた知り合い?はい所轄のときにちょっと。
(村山)毎日説教くれてやった仲ですよ。
こいつは初出勤でミニパト壁にこするわ聞き込み中に犬のくそを踏んで泣きべそかくわ昔から使えねえって評判で。
やめてくださいよ何なんですか。
(村山)お前んとこで再捜査してほしいヤマがあんだよ。
(長嶋)飼育動物連続殺傷事件。
2年も続いて犯人はまだ挙がってませんでしたか。
(村山)おとというちの管轄内で起きたのが14件目です。
どの所轄も本腰入れた捜査なんざしてやしませんから。
(長嶋)今回もですか?
(村山)ええ。
うちの署でも結局形式的なことしかやってません。
それでこちらにご協力お願いしようかと。
いやしかしこれは特命で捜査する内容の事件では。
それはもちろん承知してんですがね。
(長嶋)村山さん。
何かこの事件にこだわる理由でも?大西第二小学校。
ここ所轄のときわたしがパトロールしてた地域なんです。
(高峰)先週は中野の小学校。
その前は板橋。
広範囲ね。
都内中の学校荒らし回ってんのか。
たちの悪い犯人だな。
こんなに派手に動いてて何で犯人逮捕されないんですかね。
各所轄ばらばらで連携した捜査なんてできてないんでしょ。
どこも気入れて捜査なんかしてねえんだろうな。
動物が殺されたっつっても扱いは器物損壊だし。
2年前に最初の被害が出たときはそれなりに騒がれてましたけどね。
場所が場所だけに。
場所?
(深沢)千山だ。
知ってるだろ5年前に起きた千山こども交流会殺傷事件。
《本日こちら千山地区の市営グラウンドで開かれていたこども交流会に突然刃物を持った男が乱入し参加者が次々に襲われました》《現在の情報では児童6名を含む8名の死亡が確認されているほか…》
(深沢)死者8名を出した千山事件が起きたのは2005年5月30日。
その3年後2008年同じく5月30日。
千山地区の中学校で最初の動物殺傷事件が起きた。
殺されたウサギの数も被害者の数と同じく8羽。
そういえばワイドショーで言ってたな。
模倣犯だとか。
千山事件の犯人阿久津政司の刑が執行されたわずか2カ月後に起きた事件でしたからね。
ふざけた野郎だなその犯人。
(深沢)2年近くも野放しにされてる方がふざけた話ですよ。
大変ですね捜査するとなると。
範囲も広いし時間がたつと目撃証言も出にくいし。
まっこれはうちでは受けないだろうけどな。
でも未解決ですよ?器物損壊は基本的には対象外だ。
こんな小さな事件全部捜査してたら切りがないだろ。
そんなもんですか。
(村山)じゃあ失礼します。
お前もしっかりな。
あっもう何ですか。
(倉田)みんな聞いてくれ。
飼育動物連続殺傷事件の再捜査だ。
(深沢)担当管区の捜査領域じゃないんですか?
(長嶋)高峰この手の事件を放置することの危険性は。
動物への虐待や殺傷がエスカレートしてターゲットが人間に変わる恐れはあると思います。
(長嶋)現時点で各所轄の捜査は滞ってる。
被害の拡大を防ぐためにはうちで捜査するのが一番だと判断した。
それでだカメ。
また課題ですか?捜査だ。
飼育動物連続殺傷事件お前が担当しろ。
何か分かりましたか?
(竹林)担当任されたからってそんな気合入れ過ぎっと疲れちゃうよ。
(白石)若いうちは馬力で乗り切れるだろ。
1日で所轄10カ所以上回って証拠品集めてきたんだから大したもんだ。
(大森)そのわりには少ないけどね物証が。
(白石)報告書もな。
どこの所轄もぺらぺらだよ。
まあ差あるっすね人殺しと動物殺しじゃ。
よしできた。
あの赤い点が事件があった現場で1件目の千山の事件から最新の大西まで。
(大森)おりの鍵は金づちみたいな鈍器で壊されている。
そのときの音を抑えるために巻かれたタオルの繊維と残された靴跡の一致を見るかぎり14件とも間違いなく同一犯の犯行ね。
靴跡は4種類。
つまり犯人は4人以上のグループで交代で事件を起こしてるってことですね?
(竹林)ですね。
はい。
(竹林)って違〜う。
犯人が靴買い替えてるだけっしょ。
(白石)そりゃ2年も同じ靴は履かないわな。
ああそっか。
(竹林)靴跡は全て男物で同じサイズ。
身長は推定で165から180ぐらい。
(秋山)データベース上では引っ掛かりませんねどの靴跡も。
(白石)徹底的に動物だけがターゲットか。
最低最悪だわ。
子供と動物に手を出すのはくずよ。
(竹林)ヤベえ大森さんがまともなこと言ってる。
(大森)大人同士が合意の下で楽しく責めたり責められたりするのが醍醐味なんじゃない?ねっ。
何の話ですか。
ほかに犯人と特定できる手掛かりありません?凶器の形状とか。
ウサギの行政解剖やったって話は聞いたことないけど?あっ何年か前にバニーガールがまんまの格好で解剖に回されてきた…。
少ないな手掛かり。
(白石)弱音吐くな。
あの元上司に期待されてんだろ。
されてないですよ。
所轄にいたときも仕事ができないって散々怒鳴られたんですから。
じゃあ初の担当しっかりこなして汚名返上しろ。
はい。
で担当って何するんですか?できないね仕事。
や…。
(くしゃみ)
(塚本)何で俺が行かなきゃなんないんすか。
いやまあそりゃそうなんだけどな。
白石さんも科捜研だし誰もいかんちゅうわけにもいかんだろ。
頼む。
分かりました。
じゃあ俺桜木と合流して現場の小学校行ってくっから後のことよろしく。
大丈夫ですかね桜木に担当なんて。
大丈夫じゃないでしょ。
聞き込みもまだまだだし。
安心しろって。
俺が行ってちゃっちゃと片付けてくっから。
どっちにしろ不安だな。
(教師)普段飼育当番はほかの児童より早く登校して掃除と餌やりをしてるんです。
事件のあった日は当番の子が遅刻したんですけど結果的にはよかったと思ってます。
犯人と遭遇してたかもしれませんから。
あっあの…。
(塚本)事件の前に怪しい男が周辺にいたとかってことありませんかね。
できればその飼育当番第1発見者の子供にも話聞きたいんすけど。
(教師)ショックが強いようで今日は休んでますけど。
(塚本)じゃあ住所と連絡先を。
最初にいらした刑事さんたちとはずいぶん違うんですね。
すごく事務的な感じで処理してすぐに帰られたのに。
うちは所轄と違って本腰入れて捜査してますんで。
(教師)最初からそうしてください。
警察の方からしてみれば大した事件じゃないのかもしれませんけど子供たちは今回のことでひどく傷ついてるんです。
飼育小屋の方は掃除も済ませて何もありませんけど。
あなたたち何してるの。
飼育小屋には近づいちゃ駄目って言ったでしょ。
山本さんまで。
今日は学校お休みしたでしょ。
(山本)わたしのせいなんです。
わたしが当番忘れてて来るの遅れたから。
(教師)そんなこと。
(山本)わたしのせいで死んだの。
警察です。
犯人を捕まえに捜査しに来ました。
あなたが悪いんじゃないの。
悪いのはひどいことした犯人なの。
だから自分のせいだなんて思っちゃ駄目。
わたしたちが絶対に犯人捕まえるから。
頭きました。
わたしこの事件の犯人絶対許せません。
子供の心あんなに傷つけて。
まあな。
解決できるならもう担当とかどうでもいいです。
だから塚本さんもわたしに遠慮せ…痛っ。
当たり前だろうが。
何で俺がお前に遠慮すんだバカ。
人が真剣に言ってんのに。
(塚本)あんま力込めっと便秘するぞ便秘。
塚本さん?どこ行くんですか。
(塚本)お前先帰ってろ。
俺寄り道してくから。
寄り道って駄目ですよそんなの。
(塚本)いいんだよちょっとぐらい。
駄目ですって。
この事件わたしが担当なんですから。
さっき担当なんかどうでもいいっつったろうが。
ちょっと塚本さん。
花なんか買っちゃって。
何なんですか?塚本さん説明してくださいよ。
現場だ。
えっ?
(塚本)大人2人子供6人が殺された千山こども交流会殺傷事件の現場だ。
(捜査員たち)《確保!確保確保!》《凶器押さえろ凶器!おとなしくしろ!》
(手錠をかける音)
(塚本)5年前は機捜にいたからよ。
俺も初動捜査に参加して現場のありさま思っ切り見た。
深沢が話してたの聞いて思い出しちまったからな。
花でも持ってこようと思ってよ。
塚本さん。
なあ桜木。
今回の事件の犯人絶対俺らで捕まえっぞ。
何が模倣犯だふざけやがって。
嫌いなんだよ俺は。
未解決事件ってやつが。
前にも言ったろ。
事件を解決するのが刑事の仕事だって。
未解決ってのは負けたってことなんだよ。
よし。
ちょっとすっきりしたし帰るぞ。
すっきりって。
何ぐずぐずしてんだよ担当者。
早く来い。
あなた高校生?
(少女)関係ないでしょ。
わたしたちこういう者なの。
(少女)宮田ゆき。
えっ?わたしの名前。
学校は?
(少女)友達に会いに来たの。
(塚本)行くぞ。
(少女)ねえ。
ここで起きた事件また調べてるの?
(塚本)いいや。
ならもう一回ちゃんと調べて。
あの事件の犯人まだ捕まってないから。
はっ?えっどういうこと?宮田ゆき?塚本さん追い掛けます?あしたから事件発生日の新しい順に現場周辺で聞き込み行います。
(倉田)物証が少ない以上目撃証言が鍵だ。
丹念にやれよ。
はい。
(深沢)桜木現場は広範囲だから犯人は移動に乗用車かバイク使ってる可能性が高い。
その辺もしっかり聞き込め。
はい。
犯人の心理を考えて逃走経路に目星を付けて聞き込みした方が効率いいわよ。
はい。
(白石)おやつは500円までな。
塚本さんあしたの聞き込みなんですけど。
あっ悪いあしたは白石さんと行ってくれ。
どうしてですか?ちょっと調べ物だ。
(白石)妙なことに首突っ込むなよ。
担当してる事件に集中しろ。
分かってますって。
ここら辺の聞き込みは任せてください。
所轄の窃盗犯係のグニ屋回りで慣れてますから。
懐かしいこと言うな。
今どきの若い者はやらんぞそんな面倒な捜査。
グニ屋が質屋だってことも知らんだろうな普通は。
村山さんにやらされたんです。
仕事ができないなら足で稼げって言われて。
(白石)いい上司じゃねえか。
どこがですか全然ですよ。
すぐ怒るし乱暴だしがさつだし人がミスするとすぐ周りに言いふらすし。
最悪。
あっここ毎回いいネタ持ってるんですよ。
(ゆき)《よいしょ。
あっ》
(少女)《じゃあ次わたしの番。
よっ。
あっ取れた》
(ゆき)《よっよっよっよっこいしょ》
(ゆき)《わっ奇麗》女の子ですか?
(店主)うん。
この辺りの子じゃなかったし時間が時間だから妙だと思ったんだよね。
夜の2時ごろですよね。
(白石)ほかに何か覚えてませんかね。
(店主)中学生か高校生ぐらいの子だったな。
髪は長かったしあっ赤い髪飾り着けてたな。
古くて安っぽかったけどね。
そんなの分かるんですか?夜中に擦れ違っただけで。
商売柄物には鼻が利くのさ。
分かりました。
ありがとうございます。
それにしても久しぶりに来たけど立派になったねあんた。
そんなことないですよ全然。
この人初めて来たとき犬のうんこ踏んだっつって臭くてね。
ハハハハハハ。
ありがとうございました。
(白石)お邪魔しました。
(店主)ああ。
ホントに踏んでたとはな犬のくそ。
空振りでしたねあそこの親父。
レベル下がったな。
唯一の目撃証言が女の子じゃな。
無関係ですねきっと。
靴跡は男物だし未成年の女の子が繰り返すような事件には思えません。
・
(パトカーのサイレン)
(三井)何してるんですか?塚本さん。
こんなとこで。
(塚本)うんちょっと捜査のことでさ。
(三井)それうちの資料じゃないですよね。
ああ極秘捜査。
ほら俺頼りにされてっから。
(三井)へえ。
(塚本)でもバレるとうるせえしほかの連中には内緒ね。
今度2人で遊びに行ったときに飯おごっちゃうから。
(三井)いいです遊びに行く予定ないんで。
(村山)おいお前ら。
ちょっと話聞かしてもらえねえか。
怖がんなよ。
俺は警視庁特命捜査係の桜木って者だ。
誰が桜木ですか?
(村山)あっ。
ごめんねありがとうみんな。
(村山)おい。
特命の名前使って小学生に話を聞き回ってる刑事がいるって連絡が入ったんです。
(村山)誰だちくりやがったの。
許可のない管区外での捜査は服務規程違反です。
一緒に来てください。
(村山)おい腕組まなくたっていいだろ。
カップルだと思われんぞ。
思われないし思われて嫌なのはわたしの方ですから。
何考えてるんですかこんな勝手なことして。
(村山)うるせえな捜査協力してやっただけだろうが。
(高峰)名前と身分を偽っている時点で協力ではなく妨害です。
そうですよ。
捜査協力するんだったらもっとちゃんとした形で。
(倉田)桜木。
村山さん今回のことは所轄にも連絡させていただきました。
この事件はわれわれが責任を持って捜査を続けますからあなたは手を引いてください。
こいつは俺が持ち込んだヤマだ。
暴走されては迷惑なんです。
気持ちは分かりますが。
(村山)ちんたらやってっとまた起きるかもしんねえんだぞ!申し訳ねえ。
本はといえば俺ら所轄がほっといたヤマだよな。
村山さん。
現場周辺のがきどもから聞いた噂だけどな。
動物殺し回ってんのは赤い髪飾りの女なんだとよ。
赤い髪飾り。
(白石)グニ屋の目撃証言か。
(村山)俺が聞いて回ったとこじゃがきはみんな噂してたからよ。
もしこいつが目撃証言なら。
でも現場に残された靴跡は男物。
偽装工作の可能性もあるってことか。
(村山)裏は取ってねえ。
後はあんたらで判断してくれ。
きっちり捜査してホシ挙げてください。
よろしく頼んます。
・村山さん。
悪かったな。
迷惑掛けちまって。
何かあったんですか?変ですよ。
この事件にすごくこだわってるみたいだし。
デカがヤマにこだわるの当たり前じゃねえか。
俺はこのヤマ解決してえだけだ。
(男の子)《ねえ聞いた?2組の吉田が赤い髪飾りの女見たって話》
(男の子)《えっ何それ》
(男の子)《知らねえの?ゆきちゃんの幽霊だよ》
(男の子)《ちょっと前から学校で飼ってる動物が殺される事件あんじゃん》《あれゆきって女の幽霊の仕業なんだってさ》
(男の子)《事件の前に絶対誰かが見るんだってよ》《赤い髪飾り着けてその辺うろついてる女》
(男の子)《嘘。
つか何で幽霊が動物殺すの?》
(男の子)《あのなそのゆきって子5年前の千山の事件で死んだ子なんだよ》《でもともとすげえ動物好きで学校の飼育当番やっててさ自分が死んでもう面倒見れないから》
(男の子)《自分の住む世界に連れていくんだよ》《自分がされたのと同じ殺し方で》《ナイフでぐさって》
(男の子)《何だよもう》
(男の子)《これさ1回聞いたら3人に話さないと呪われんだよ》
(男の子)《やめろよそういうの。
やめてくれ》
(男の子たち)わ〜!
(男の子)逃げろ!ゆきちゃん。
ただの都市伝説よ。
口裂け女とか人面犬とかと同じ。
最初の動物殺傷事件が起きたとき千山事件の模倣犯だって騒がれたから生まれたんでしょ。
目撃証言として信ぴょう性があるかどうかは微妙なところね。
高峰さん。
(高峰)どうかした?わたし会っちゃったかもしれません。
(高峰)えっ?ゆきちゃんの幽霊。
(塚本)すいません。
3係の門倉さんですよね。
(門倉)そうだが君は?特命4係の塚本といいます。
5年前の千山事件のことについて聞きたいことがあるんすよ。
(門倉)千山事件。
(塚本)覚えてますよね被害者の宮田ゆきのこと。
(夕子)《ゆきどうして事件に巻き込まれたんでしょうか》
(門倉)《どういうことでしょうか》
(夕子)《ことしのこども交流会には行かないって言ってたんです》《学校に行くはずだったんですウサギの世話をしに》
(夕子)《なのに何であの子が》
(門倉)《お気持ちはお察ししますが供述から判断するかぎり事件は単独犯によるものです》《お嬢さんが事件に遭遇したのは偶然あそこに立ち寄ったから…》
(夕子)《お願いです》《どうしてあの子があんな場所にいたのか調べてください》《お願いします》
(倉田)だからといって何でお前が千山事件を追うんだ。
宮田ゆきが事件に巻き込まれたのは何か裏があるんすよ。
当時捜査してた連中は阿久津が実行犯だって高くくって宮田ゆきのことはろくすっぽ調べてもなかったんです。
だから俺は。
(倉田)本部の3係からクレームが来た。
お前が解決した事件のことをほじくり返した揚げ句門倉につかみかかったとな。
解決してないじゃないすか係長。
(倉田)それはお前個人が決めることじゃない。
あの係長。
わたしも千山事件の関係者のことは調べたいです。
わたしと塚本さんが会った少女は動物殺傷事件にかかわってる可能性があると思います。
(倉田)決め手に欠ける推測だ。
その少女のただの悪ふざけで事件とは無関係かもしれない。
(白石)最初俺もそう思ったんですけどねわざわざ宮田ゆきの名前をかたったのには何か意味があるんじゃないすかね。
(深沢)少女本人の言動や目撃証言などを考慮するとやはりこのまま放置しとくべきではないと思います。
千山と動物殺傷2つの事件がつながってる可能性もありますからね。
高峰お前の意見は?ほかに手掛かりがない以上調べてみる価値はあると思います。
分かった。
少女の行方を追うために千山事件の関係者を洗うことは許可する。
だがこれはあくまで動物殺傷事件の捜査の一環だ。
目的を見失うなよ。
(一同)はい。
よし。
また泊まりか?カメ。
すいません。
この資料読んだらすぐに帰ります。
何の資料だ。
千山事件です。
ひどい事件だったな。
わたし5年前まだ警察官になったばっかりでニュースでしかこの事件のこと知りませんでした。
それぐらいのかかわりが一番楽だ。
当事者と捜査に当たる刑事はつらいからな。
でももうなっちゃいました刑事に。
強くなるしかないぞカメ。
事件の中で出合う痛みに正面から向き合えるように。
痛み?事件の大きさとか解決未解決とは関係なく事件にかかわった人間はみんな痛みを抱えるもんだ。
その痛みは人それぞれ形も大きさも違う。
その全部と向き合うってのは無理だろう。
だが刑事である以上かかわった事件にはとことんこだわってそこにある痛みを受け止める覚悟をしとかないとな。
とことんこだわって。
今の村山さんもそうだろう。
えっ?村山さん。
(村山)何だこんな時間に。
どうして言ってくれなかったんですか。
室長から聞きました。
来月で退官するって。
見た目の割にゃおしゃべりだな室長さん。
体にがたきちまったんだ仕方ねえ。
てめえにいちいち断り入れるような義理だってねえぞ。
ひど過ぎます。
昔から散々人のこと振り回して事件持ってきて勝手に暴れてそれで辞めるなんて。
いつか…いつか見返してやろうと思ったのに。
100年早えんだよ。
何であの事件なんですか?動物が殺されたってどの所轄もまともに捜査なんかしないのに。
(村山)だからだよ。
俺も昔だったら見向きもしねえヤマだ。
小せえヤマだとか思ってバカにしてよ。
まともな捜査もされねえで未解決なんて最悪だろ。
だから最後くらいはと思ってな。
結局丸投げになっちまったがよろしく頼むわ。
よろしくお願いします。
(大森)女の子の特徴じゃんじゃん言ってきなさい。
え〜と。
(大森)手掛かり欲しいんでしょ?あっあのまず目がこう2つあって。
えっそこから?それであっ制服着てました。
(秋山)顔からいきましょう顔から。
顔から。
あの奥二重でした。
で髪が長くて前髪はこのぐらいです。
何なっ何があったの?この間言ってた女の子こんな感じじゃありませんでした?まあそんな感じかな。
本当ですね?ああ間違いない。
ありがとうございます。
すいません。
この辺りでこういう子見掛けたことは。
(女性)いえ。
ありがとうございます。
すいません。
この辺りでこういう子見掛けたことあります?
(男性)いや知りません。
ありがとうございます。
(谷口)お待たせしました。
こちらが飼育動物のいる小中学校のデータです。
ご協力感謝します。
これがあれば今後事件を未然に防げる可能性が高くなりますから。
(福本)ぜひお願いします。
わたしども東京都学校飼育動物推奨会にとっても痛ましい事件ですから。
ねえ谷口君。
(谷口)警察がしっかりしてくれないと被害に遭った学校の子供たちはずっと苦しみ続けますから。
ご意見真摯に受け止めます。
じゃそれじゃどうも。
(大森)こんなにあるわけ?動物飼ってる学校。
(秋山)被害のあった学校に法則性がないか解析します。
(深沢)頼む。
次の犯行を予測する鍵になるかもしれないからな。
師匠は何してんだい。
ああこれ動物虐待の裏サイトなんすけどちょっと妙な書き込み見つけちゃって。
(夕子)《あらやっぱりこども交流会行くの?》
(ゆき)《ううん学校。
ウサギの世話しないといけないから》
(夕子)《1人でやるの?》
(ゆき)《ん〜たぶん》
(夕子)《大変ね。
お友達に頼んで一緒に行ったら?》
(ゆき)《大丈夫。
わたし飼育当番好きだもん》
(夕子)《そう》《あんまり遅くならないうちに帰ってくるのよ》《今日はカレーだから》
(ゆき)《うんいってきます》
(夕子)《いってらっしゃい》
(ゆき)《いってきます》
(夕子)今でもカレーを作ってるとゆきが帰ってくるような気がします。
5年もたってるのにおかしいですよね。
(夕子)昔から動物が好きで子犬とか子猫とかしょっちゅう拾ってきちゃって。
うちでは飼えないって言うとご近所中回って飼ってくれるお宅探し歩いて。
優しいお子さんだったんですね。
(夕子)どうぞ。
(塚本)失礼します。
(夕子)ここも昔のままにしてありますから。
(少女)《カワイイきらきら》
(ゆき)《どう?気に入った?》
(少女)《うんありがとゆきちゃん》《よかった》《一生懸命探したんだよ似合いそうなの》《それでね》《ほら見て。
わたしもお揃い》
(少女)《本当だカワイイ》《わたしもゆきちゃんの誕生日プレゼントお揃いのものにしよっと》《何がいいかな》
(ゆき)《まだ早いよ。
11月だよわたしの誕生日》
(少女)《今から考えとくの。
楽しみにしててね》
(ゆき)《うん》成果ゼロか。
(ため息)いた。
尾行中?待て桜木今どこにいる。
千山地区です。
ネットカフェに来ています。
(倉田)すぐに深沢か白石さん向かわせる。
お前は無理するな。
出てきました。
またかけます。
(通話の切れる音)
(倉田)あっバカ桜木切るな!・
(物音)尾行下手。
こっち来たら?あなたここに住んでるの?それ調べるの刑事さんの仕事。
聞きたいことがあるの。
事件のこと?都内の学校で動物が何匹も殺されてる事件。
あなたが何か知ってるんじゃないかと思って。
そっちか。
千山事件のこと調べてくれた?早く犯人捕まえた方がいいよ。
あなた誰?宮田ゆきちゃんの友達?何を調べてほしいの?宮田ゆきちゃんは…。
わたしが殺した。
えっ?ゆきちゃんはわたしが殺した。
そう言ったら逮捕して死刑にする?帰るね刑事さん。
すいません途中で見失いました。
始末書。
あと反省文もだ。
はい。
慣れないことしようとするからだ。
(白石)責めてやるなよ。
別に相手に気付かれて逃げられたとかそういうことじゃないんだから。
(塚本)例の少女特定できましたよ。
沢井春菜16歳。
都内の高校生です。
(高峰)千山第一小学校出身で宮田ゆきのクラスメートでした。
それから中学は…。
(塚本)千山南中学。
第1の動物殺傷事件の現場です。
しかも当時沢井春菜は飼育当番で事件の第1発見者です。
(深沢)容疑はますます濃厚だな。
(倉田)今んとこはまだ重要参考人だ。
未成年だし扱いは慎重にだ。
(高峰)はい。
(白石)家は訪ねたか?
(高峰)はい。
本人はまだ帰ってませんでしたが帰宅したらすぐに連絡するよう母親に伝えてあります。
(倉田)よし連絡が来しだい任意の事情聴取を行う。
桜木それまでに始末書と反省文終わらせろよ。
はい。
(塚本)まだ帰ってきてない?もう12時っすよ。
・
(春菜の母)いつも遅くなるときは遅くなるので。
(塚本)いや心配じゃないんすか?高校生なのに。
・うちは放任主義ですから。
分かりました。
何時でも結構なんで戻ったら連絡下さい。
失礼します。
どうなってんだよ今どきの親は。
おい桜木。
俺ちょっと仮眠するから電話来たら起こしてくれ。
塚本さん。
んっ?沢井春菜は犯人なんでしょうか。
何だよいきなり。
今日の夕方彼女と話しました。
尾行がバレちゃって。
はっ?お前ふざけんなよ。
じゃあ相手は俺らがマークしてるって気付いてんじゃねえかよ。
うちに帰ってきてないって逃走されてんじゃねえか?最初グラウンドで会ったときのこと覚えてます?はっ?あの子はわたしたちが警察官だって分かった上で千山事件を調べてほしいって言ってきたんです。
わざわざ被害者の名前まで使って。
本当に犯罪にかかわってたらそんなこと言うとは思えません。
バカヤローそれ自体が何か隠すためにわざと言った可能性だってあんだろうが。
それにだったら動物殺傷の方はどうなんだよ。
目撃証言だって出てんだろうが。
彼女を見てても犯人とは思えなかったんです。
理由はうまく説明できないんですけど何となく。
ただの勘じゃねえかよ。
このまま逃がしてたまるかよ。
おいお前が何考えようが勝手だけどな捜査の解決の邪魔だけはすんじゃねえぞ担当者。
・特命4係。
・
(竹林)ヤベえよ手掛かり見つけちゃったかも。
えっ?これ当たりなら今日起きるって事件。
場所は…。
(塚本)ここかよ。
って言ってましたけど。
(塚本)俺裏門。
お前表回れ。
はい。
これではっきりすんだろ。
(塚本)おい。
うっ!お前。
ナイフ貸せ。
うっ!あの子。
・
(塚本)行くな桜木!塚本さんいやでも。
いいから追うな。
塚本さん。
2015/10/30(金) 14:55〜15:50
関西テレビ1
絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 #05[再][字]
「未解決事件という名の地獄」
上戸彩 宮迫博之 山口紗弥加 丸山智己 杉本哲太 北大路欣也
詳細情報
番組内容
所轄時代の桜木泉(上戸彩)の上司、村山武実(モロ師岡)が4係に再捜査の依頼にくる。その事件とは2年前から続く「学校飼育動物連続殺傷事件」。事件が起きた当初は、5年前に起きた「千山こども交流会殺傷事件」との関連性が疑われ、「学校飼育動物連続殺傷事件」は、その3年後の同じ日にち、同じ地区で発生。果たしてこれは模倣犯なのか?
初めて事件の担当を任されることになった泉は張り切って捜査を始めるが、物証が
番組内容2
少なく捜査は難航する。
事件が起きた小学校への聞き込みを終えた塚本(宮迫博之)と泉は、「千山こども交流会殺傷事件」の現場に行く。塚本は機動捜査隊にいた頃、その事件の初動捜査に携わっており、現場の有様を目の当たりにしたことを泉に告げた。慰霊碑に花を手向け、4係に帰ろうとする泉と塚本の前に「宮田ユキ」と名乗る制服姿の少女(福田麻由子)が近づき、「もう1回ちゃんと(事件を)調べて」と訴える。
番組内容3
一方、泉は村山から現場周辺の子供達の間で「赤い髪飾りの女」という噂があるという情報を得る。動物殺傷事件が起きる前に必ず赤い髪飾りをつけた少女が目撃されるというものだった。果たして少女と事件に関係はあるのか!?
出演者
上戸彩
宮迫博之
山口紗弥加
丸山智己
北川弘美
木村了
中原丈雄
杉本哲太
・
北大路欣也
ほか
原作・脚本
【脚本】
酒井雅秋
監督・演出
【企画】
成河広明
【プロデュース】
森安彩
【アソシエイトプロデューサー】
瀧山麻土香
【演出】
村上正典
岩田和行
音楽
【メインテーマ】
「Dry Town〜Theme of Zero〜」LOVE PSYCHEDELICO
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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