きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「極みの肉仕事 パテ・ド・カンパーニュ」 2015.10.30


担当は寒川由美子解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
肉大好き!肉最高です!人集まる所に肉あり!熟成塩豚オーブン焼きいかがですか!熟成肉赤身肉といった新たなカテゴリーの肉が次々にヒットしちまたは空前の肉ブーム!肉料理のイベントも全国で開かれ毎回数十万もの人で盛り上がってるんです。
そんな中肉好きたちの熱い視線を集めているものがここ都内のデパ地下に。
ハムやソーセージパテなどの肉の加工品。
総称してシャルキュトリー。
塩漬けやくん製など肉に一仕事を加えたヨーロッパ伝統の保存食で最近はデパ地下などにも専門店が続々登場しているんです。
手軽に買えるようになったのでその点多くのお客さんが来られてる。
数あるシャルキュトリーの中でも今人気急上昇中なのがワインバーでこの女性も…おっと!こちらの男性も食べているそう!パテ。
肉やレバーをミンチにして焼き固めたものでコク深い味わいがワインやパンにぴったりなんです。
そんなパテに人生を懸ける料理人が一人。
フランスで出会ったパテの深い味わいに衝撃を受け休む事も惜しみパテと向き合う日々を送っています。
スペシャリテは…ヨーロッパの食の知恵が生んだパテの定番中の定番。
うまみがギュッと詰まった肉仕事の極み付きに挑戦です!雨も滴るいい男が一人。
…って谷原さん何を見てるんですか?どうもこんにちは。
ちょっと見て下さい。
「一口だけ」「お好きなだけ」ってこれ何でしょうね。
ありがとうございます。
こちらになります。
これがパテ・ド・カンパーニュ!うちはこういった形でど〜んと大きく作ってお客様に好きなだけ召し上がって頂くようなスタイルで。
えっ好きなだけという事?このまま切って好きなだけ。
食べられる分を自分で好きなだけ取っていいと。
そんな食べ方あるんですね。
そうですね。
じゃ早速いただきます。
すごく重たいんですけどスッと入っていきます。
矛盾してるようですが引っ掛かりがないんですよね。
ちょっと見て下さいこのきれいな断面を。
上の方は火が通ってます。
中ピンク色。
やっぱりこのピンク色というのが非常に重要で火入れ過ぎてしまうと真っ白になってしまうんで。
う〜ん。
最初口に入れた瞬間冷たいんですけどかんでいくうちにだんだん温まって肉の香りとうまみとハーブといいますかいろんな香りを感じますね。
お店のカラーが出やすい料理という事なんですか?はい。
ちなみにこの量っていうのは一般のお客様からいうと多めですか?少なめですか?少なめです。
大体皆さんその3倍ぐらい。
うわっ!そんな食べるんですか?結構皆さん召し上がりますね。
でも値段は変わらないんですか?そうですね1,000円です。
え〜!それならもうちょっと量り売り的な。
やっとけばよかったんですがもう引くに引けなくて。
すごいなこれ。
これ1,000円ですよ。
ヨーロッパでは「食卓に赤ワインとパンそしてパテがあればごちそう」と言われ人々の暮らしにパテは欠かせない食べ物の一つです。
その歴史は遡る事600年余り。
古くから牧畜が盛んなヨーロッパでは家畜を解体してパテなどの加工品を作り保存食にしてきました。
息づくのは食材を無駄なく使う知恵。
肉の切れ端から内臓まで全てミンチにして使いきりコク深い味わいを生み出します。
ヨーロッパの人々の暮らしを支えてきた貴重なたんぱく源。
地域や作り手によって材料や配合が違うさまざまな種類のパテが生まれ家庭からなんと宮廷まであらゆる場所で愛され続けてきたんです。
中でも定番中の定番が田舎風のパテパテ・ド・カンパーニュ。
シンプルながらパテ本来の魅力がぎゅっと詰まった極上の味わいです。
さあ谷原さんパテ作りのコツしっかり押さえてこつ〜!まず肉をちょっと見て頂いて。
本来使うお肉っていうのはこういったザ・豚肉。
塊肉を。
豚の塊肉相当迫力ありますね。
これを脂と赤身と分けてミンチひきでひいてみたいな仕事になるんですけれども。
ミンチひきってひき肉機ですか?そうですね。
それご家庭であんまないですね。
そうなんですよ。
だから今日はご家庭でも再現しやすいという事でスーパーで売ってる普通のひき肉。
これで作れるんですか?これで全然問題ないです。
でもこれを練ってそのまんまパテ・ド・カンパーニュになるわけじゃないですよね。
もう一つの大事な要素としてはこのレバー。
なぜレバーが必要なんですかね?やっぱりコクですね。
じゃ独特なあの苦みみたいなところがコクにつながっていくんですか?そうですね。
あとこの鉄分。
これがパテに練り込まれた時にやっぱり奥深い味になるので。
フランスでは豚肉のレバーを使ったものをカンパーニュと言ってたんですけども癖が強すぎてしまって日本のお客様には少しきつかったので鶏レバーに変えてマイルドに。
他にも確か何か入れてるものがありましたよね。
これが今日ポイントになるんですけれどもこのレデュクションという。
レデュクション?なかなかちょっと耳なじみがない言葉ですけども。
あ〜おいしそうな匂いがします。
パテに欠かせないのがフランス語で「煮詰めたもの」を意味するレデュクション。
その名のとおり野菜を煮詰めて作るフランス流うまみの素です。
材料はマッシュルームにんにくたまねぎパセリそして牛乳。
作り方は…。
男らしくザックリ切ってもらえれば大丈夫なんですけども。
そんな細かくしなくていいんですか?はい。
ザックリでいいと言われながら谷原さん随分丁寧な切り方ですよね。
さすがふだんからお子さんの料理を作ってるだけの事はありますね。
愛愛ですよねこれって。
昨日は豚カツを作りました。
え〜すてき!荻野さん家とかで料理お子さんにとか作ったりとかは?うちまだちっちゃいんで。
あ〜そうなんですか。
何か子供が食べておいしいってバクバクいってくれる料理って何かないんですかね?やっぱお肉じゃないですか?お子さんって。
しかもひき肉料理ですよね子供は。
パテ・ド・カンパーニュもしかしたら子供は食べやすいかななんて思ってちょっと僕今日期待して来てるんですよ。
じゃあこれをちょっと炒めていきます。
少しだけオリーブ油入れます。
あとはもう火つけてしんなりするまで炒めて下さい。
このレデュクションの組み合わせというのはフランスでは定番の組み合わせになるんですかね?やっぱりにんにくパセリたまねぎっていうのはすごくよく使われる組み合わせなんですけれども例えば他にはセロリを入れたりですとかあとはちょっと香りの強めのお酒を入れたりですとかいろんな組み合わせあるんで。
それはほんとに作り手の考え方でいろいろ変化が。
もうだいぶこれでしんなりしてきましたのでここで液体ですね。
今日は牛乳です。
入れます。
今度これで液体が入って煮込んでいく作業になるのでこれで全体的に均一に火が入っていきます。
水分がなくなるぐらいまでゆっくりゆっくり煮詰めていって下さい。
火加減はどうですか?強火でかまいません。
そうです。
そろそろですね。
じゃそろそろこれで粗熱を一回とるためにちょっとボウルに入れて冷やしますね。
はいありがとうございます。
だいぶいいですかね?じゃそれをミキサーにかけたいと思います。
こんな感じでございます。
お〜!なりましたなりました。
野菜とか牛乳も入った奥行きを出すうまみを…。
そうですね。
肉だけではない深い味わいを作るのはやっぱりこういった材料になるんですね。
今度は練る作業をいきます。
いよいよ。
全部の材料をですねこれから練り合わせていくんですけどもポイントとしてはやっぱり全ての材料がキンキンに冷えてるというのがすごく大事なので。
レデュクションもお肉も全てが冷えてる事がポイントですか?もうキンキンに冷えている事がポイントなので。
先ほどご紹介させて頂いたこの鶏レバー。
これをペースト状にしていきます。
僕気になってたんですよ。
さすがにこれのひき肉は見た事がなかったんでどうすんのかなと。
スーパーでさすがに売ってないんでレバー買ってきて頂いて自分でフードプロセッサーを使ってペースト状にして頂くと。
うわぁ…。
レバーのこの姿結構なかなか命の息吹を感じますね。
そうですねこれ結構。
そうですよね。
鶏レバーの選ぶポイントなんですけどもやっぱりこの色ですね。
真っ赤っかの。
きれいな赤の。
くすんでない黒くなってないやつですね。
黒くなってないものを買って下さい。
じゃこれ回していきます。
はいこんな感じです。
見て下さい。
きれいにこの…液状になりましたよ。
これをどうするんですか?これをですねこちらの…先ほどのひき肉ですね。
ここに入れていきます。
うわ〜すごいですね。
これに…。
先ほどのレデュクション入ります。
あとは調味料関係ですね。
これ何ですか?これ赤ワインです。
辛口のものであれば飲み残しのものでもかまいません。
あとは卵ですね。
つなぎの卵です。
そして塩こしょうです。
お塩と…。
あとこしょう。
もちろんこれひきごしょう使って頂いてもかまいません。
さあじゃこれでいよいよもう混ぜていくわけですか?そうですね。
でちょっとこれ谷原さん手を冷やして頂いて。
あ〜!材料だけじゃなく。
手も。
分かりました。
じゃちょっと…。
冷て〜!これつらいな。
あ〜!ほんとに痛い。
ではその冷えた手で早速。
手をですねライオンの手です。
ガー!これで?それでグーッとこう。
なぜこのライオンの手なんですか?泡立て器で混ぜるようなもので混ざりやすいですね。
という事は泡立て器でもいい?いややっぱ手で。
手ですか?手です。
ガー!まだまだ全然です。
まだですか?全然まだです。
これなかなか男の手仕事ですね。
これはやっぱり男性にやって頂かないといけないお仕事になりますんで。
ご家庭ではやっぱり男の仕事。
まだまだです。
まだ!大変ですよこれ。
逆回りでもいいんで。
あ〜逆回りでもいい…。
あ〜逆回りだと助かるね!全然助かるねこれ。
全然助からねえな。
これどうなったらもうOKな状態になるんですか?だんだんこれがまとまって糸を引いてくるんですね。
糸を?つながってるという。
ハンバーグとかつなぐとかってよく言われると思うんですけどつなぐっていうのは非常に大事で。
僕こういう部活はした事ないんで。
すいません。
何部なんですかね?これね。
さあこい!よいしょ!はいOKです。
よかった〜。
粘り出てますね。
これをですね型に詰めて今度焼いていくんですね。
これをですねたたきつけるように。
こういう感じですね。
空気を抜くっていう作業がすごく大事なので。
そうなんですか?ハンバーグでもよく言いますね空気を抜くとか。
ハンバーグはこういうふうにペタペタやると思うんですけどもこれはほんとに柔らかいのでこれを少し取って頂いて上からたたきつける。
こう取って…。
「ヤー!」です。
ヤー!
(笑い声)こう…ヤー!
(笑い声)すみませんほんとに。
僕今までいろいろひき肉料理作らせてきて頂きましたが一番ワイルドですねこれ。
ハハハハ!そうですよね。
ここまで肉まみれになる事ないですね。
「肉まみれ」いいお言葉頂きました。
肉まみれですよこれほんとに。
うわ〜すごいですね。
じゃこれを今度焼いていきます。
焼く時に上にこのローリエ月桂樹の葉っぱですねちょっとこう上にのせて頂いてもいいですか。
これ全然もう飾りでもなくてほんとにいい香りがつくので。
じゃここにアルミ箔をかぶせていきます。
アルミ箔を上にかぶせるというのはこのあとオーブンで焼くんですけども上に焼き色がつかないようにするだけのものなので。
こちらお湯ですね。
沸騰直前のお湯をはったバットです。
あとはちょっとこうクッションのために布巾を入れてます。
お湯というのは100℃までしか温度が上がらないので優しく火が入っていくんですね。
これをこのまんまオーブンに入れてしまうと熱の当たりが一気に直接来てしまうのでお湯を間に入れる事によって優しく火が入りますんで。
多少オーブンの温度の設定が上下してもお湯が入ってる事によって均一に入る。
そうですね。
なるほど。
すばらしい事です。
じゃこれ入ります。
ご家庭ですと大体160℃に設定して頂ければいいと思います。
意外と温度低いんですね。
そうですね。
高すぎるとほんとに火入り過ぎてしまうので低い温度でゆっくり。
これで大体40分〜50分。
さあシェフそろそろいい時間ですかね?僕の腹時計的には40分50分たってるようなんですけども。
今大体45分ぐらいたった感じなのでちょっと中見てみます。
一旦出します。
うわ〜!ちょっとこうふんわり膨れてきてるんですけど。
すごい弾力!これをですね金串で刺して温度確かめます。
ちょっと熱いかもしれないんで最初僕がやらせてもらいます。
唇の下が一番温度に敏感なので。
多分もうこれで火入ってるのでこれでちょっと確かめて頂いて。
あっあ。
しっかりちゃんとあったかいですね。
顔を見てもらえると。
お〜!こんな感じです。
うまそう!はあ〜。
これだこの弾力ですよ。
見て下さい。
この弾力すごいですね。
ここから肉汁がワッと噴火してるわけですねここ。
このピンクは。
冷ますとこの肉汁がもう一回お肉の中に入っていくので。
入っていくんですかこの肉汁が。
そうですはい。
このまま1週間とか置いて頂くとまたちょっと違った味わいになりますし。
これ1週間ももつ?全然もちます。
じっくり味わえます!焼き上がったパテは寝かせてこそおいしくなるんです。
時間がたつと肉汁がじわ〜っと生地に戻り中はうまみたっぷり!谷原さんこん身の肉仕事で作り上げたパテ・ド・カンパーニュ。
果たしてそのお味は?では早速取り分けさせて頂きたいと思います。
すごいですね。
ご家庭ですからスプーンでかまいませんかね?もちろんです。
もうざっくりと。
さあ断面は…。
(2人)お〜!このピンク色。
もう間違いなくおいしいです。
大成功!
(笑い声)パンと一緒に食べてもおいしいんですかね?そうですねやっぱりパンに挟んだり塗ったり。
いただきます。
うん!パンとむちゃくちゃ合いますねこれ。
そうなんですよ。
これサンドイッチとか最高なんですよね。
クラッカーとか何でも合いますね。
何でも合いますね。
家庭でここまで本格的な味に出来るんですね。
そうですね。
ほんとに今日材料シンプルで作り方もそんな難しくないんですけどもここまで本格的なものが出来るんで。
ご家庭向けのひき肉で作ってるとは思えないぐらい肉の味もしっかりしてますし。
あ〜よかったです。
ワインを。
そうですねやっぱり赤ワインを合わせて頂いて。
はぁ〜。
本当に幸せです。
実はですねもう一品谷原さんに召し上がって頂きたいものがあるんで。
まだあるんですか?少々お待ち下さい。
何でしょうね。
厨房に戻り料理を始めた荻野シェフ。
炒めているのはなんとパテ・ド・カンパーニュです。
マッシュルームを加え…一体何を作るんでしょうね。
ウスターソースケチャップそれに赤ワイン。
あ〜谷原さんも気になっちゃってのぞきに来ちゃいましたね。
まるでおなかをすかせた子供のような愛くるしい章介さんのハテナ顔。
何作ってるんでしょうね。
生クリームを加えて…アハッ!これはソースですかね?あら!ここでスパゲッティ。
なるほど!ミートソースだったんですね。
パテを使えばこんな簡単にミートソースが出来ちゃうんですね。
あ〜しかしこれはほんとにうまそうですね。
おっ!失礼いたします。
うわっおいしそう!うん!うまい!これだったら子供大好きだと思います。
少しケチャップも入って口当たりがちょっと甘くなってるので。
なるほど〜。
これはうまいですね。
ありがとうございます。
谷原さんお子さんにも喜ばれそうな料理教えてもらってよかったですね。
いや〜ミートソースにも使えるパテ・ド・カンパーニュ。
う〜ん私も食べたい!食べたかったですか?ごめんなさい気付きませんで。
はいはいはい。
はいどうぞ。
あっどうも。
あ〜あ〜あ…。
食べないんですか?じゃ食べちゃいますよ。
そそんな。
ちょっと…ちょっとくれないんですか谷原さん!う〜ん。
パテ・ド・カンパーニュ最高。
このハーブのスパイシーな香りが。
スパイシーといえば…。
それにしてもやっぱ最高だなこれは。
ハッハッハ!好きにすれば。
私にだって作れますよ。
作っちゃいますよ。
パテ・ド・カンパーニュ!トゥービーコンティニュー!2015/10/30(金) 10:15〜10:40
NHK総合1・神戸
きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「極みの肉仕事 パテ・ド・カンパーニュ」[字]

谷原章介さんが一度食べたら忘れられない味を追求するシリーズ。今回は今流行の「肉料理」の中でも特に人気の高い、ヨーロッパの田舎風パテ「パテド・カンパーニュ」に挑戦

詳細情報
番組内容
あちこちで「肉フェス」が開催されるなど、肉料理が大人気。中でも近年注目を集めているのが、ハムやソーセージ、パテなどの食肉加工品「シャルキュトリー」だ。その定番のひとつが、ビストロなどで人気の田舎風のパテ「パテド・カンパーニュ」。豚ひき肉とレバーをよく練り合わせて焼き固めた濃厚な味わいは、ワインやパンとの相性抜群。谷原章介さんが、パテに定評があるフレンチのシェフ荻野伸也さんを訪ね、作り方を教わる。
出演者
【講師】フレンチレストランオーナーシェフ…荻野伸也,【司会】谷原章介,【語り】江原正士

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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