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内科・外科が権力の中枢
日本の大学病院のトップに君臨する東京大学附属病院(東京都文京区本郷)。その権力構造を読み解けば、大学病院の特徴がよくわかるはずだ。
病院のトップに君臨する病院長には、現在、脳神経外科が専門の齊藤延人教授が就任している。代々の病院長のほとんどが内科もしくは外科の出身である。病院内で内科と外科が絶対的な権力を握る理由を、医療ジャーナリストの田辺功氏は次のように説明する。
「そもそも医療が内科と外科から始まっていて、そこから細分化していったという面があります。加えて、日本には診療報酬制度があり、医療にかかるおカネが点数制で決まっている。科によって点数の配分が異なり、内科・外科の治療にはいい点がつけられ、診療報酬も高くなるのです」
例えば、外科で開腹をしたが「要観察」ということで処置を施すこともなく、そのまま腹部をつなぎ合わせるような手術をしたほうが、産婦人科で手間のかかる難しい手術をするよりも配点が高いという状況がある。それほど内科・外科は優遇されているのだ。
内科診療部門には循環器、呼吸器、消化器など12に及ぶ科があり、外科には13の科がある。科の数は診療部門全体で37なので、約3分の2が内科と外科で占められることになる。残る3分の1は皮膚科や耳鼻咽喉科、放射線科などで、マイナーな科と見なされている。
前回でも触れたように、大学病院の経営において重要事項はすべて教授会で決められるため、教授の頭数はすなわち権力の源である。内科と外科が院内で権勢をふるうのは当然のことだろう。
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