デベロッパーの働き方カンファレンスに参加してきました
著者:ふじさわゆうき
更新日:2015/10/31
目次
- カンファレンス概要
- 「新たな働き方って、なに?」のメモ
- 「どういう風に働いて、生きていくの」のメモ
- 個人的感想
カンファレンス概要
- イベントページ
下記のような趣旨で開かれたカンファレンスです。
■デベロッパーの働き方がちょっと変わってきているらしい。
時々、ネットでみかけたり、話をきいたりしますが、本当のところ、何がどんな風に変わってきているのだろう?変化があるってことは、そこには何か背景や理由があるはず。そして、その変化によって何が起きるのだろう。
ということが気になってきそうなので、今回はズバリ 「働き方」 をテーマにDevLOVEを開くことにしました。
■デベロッパーの働き方カンファレンスをやろう。
働き方について、ユニークな取り組みをされている方々に集まって頂き、いろいろと聞いてみようという会です。もし、面白いとおもう働き方があれば、自分たちの会社や現場でもやればいいですよね。あるいは、本当に面白いならば、手っ取り早くジョインしたっていい。どっちにしたって、どんな考えで、どんな取り組みをされているのか、聞いてみよう。
個人的には、最近、論理的出社と物理的出社の話があったので、「最近の働き方でリモートワークってどうなんだろうな?」と興味があったので行ってきました。
「新たな働き方って、なに?」のメモ
まずは、一人ひとり自己紹介しながら、会社での取り組みを紹介する感じだった。
サイボウズ 佐藤さん
- サイボウズの開発部長は、部内で5番目にエラい − @IT自分戦略研究所
- ベトナムと上海、インドのチェンナイなど多くの開発拠点(オフシュア開発)があり、リモート環境での仕事について語ってくれた
ヌーラボ 橋本さん
- 社員が世界各地で働いていて、リモートで働いている
- approach in our workというテーマ
- 子育て休暇が月に1回有休とは別に休みを取ることができる
- 急に英語が必要になったので、英語学習支援がある。お金の補助
- 年に1回社員総会を開いて、色々な将来のプランなどをシェアしたりする
- ニューヨークから来る社員の方が旬な情報を持ってきてくれる
StartupTechnology 菊本さん
- StartupLabo
- テーマは"基本的に困ったら制度を作ろう"
- 社員は、Slackでやりとり
- 出社は自由で雨の日は、来ない社員もいるらしい
- 最近困ってきたので、チーム化導入
- エンジニアしか社員にしないのでエンジニアが楽しめる環境を作る
ダイヤモンドメディア 武井さん
- ホラクラシー経営というものを実践している
- 海外からも問い合わせがあるらしい
- 上司も部下も肩書も無い会社
- 社長も役員も社員の選挙で選ばれている
- 上司も部下も肩書も無い会社
- 働く時間も働く場所も無い
- 雇う雇われる関係も無くすようにしている
- 採用する前に仕事をするという採用
ホラクラシーとは
Wikipedia によると、ホラクラシーとは従来のようにトップダウンのヒエラルキーによって意思決定がなされるのではなく、組織全体に権限を分散させ意思決定させることで、自走する組織を保つための社会技術または組織のガバナンス・マネジメント方法と定義されているとのこと。
詳しくは、下記、ブログを参照
- 組織の新しいカタチ「Holacracy(ホラクラシー)」 - UXploration
- ホラクラシー型組織で8年経営してみた。 - Kozo Takei's Blog(武井浩三のブログ) | 人間性経営 フロー経営 ホラクラシー型企業のダイヤモンドメディア株式会社
個人的な解釈だと、
- 今までのように「部長 > 課長 > 係長 > 平社員」のように上から下に組織が分割されていき、上から下に情報伝達されるような組織ではなく、
- 「○○チーム、○○チーム」が沢山あって、目標に向かってそれらのチームが有機的に連携する
のが、ホラクラシーらしい
ギルドワークス 市谷さん
- プロダクト開発を自宅で行っている
- 社内も社外もリモートで作業している
- ギルドのリモートメンバーは70人位
- 正しいものを正しくつくるの意思
- 全員がそろうのは週に1日
- 2か月に1回合宿を行う
- small talkという雑談の時間を大事にしている
「どういう風に働いて、生きていくの」のメモ
この時間では、議題にそれぞれのパネラーが答えるという形式で進む感じだった。
Q.リモートワークについてそれぞれの会社の事情とは
ダイヤモンドメディア 武井さん
- 時間と給料が全く関係がないので、誰が、どこで働いているのかわからなくなっている。プライベートと仕事の境界線が曖昧になってくる
- プロダンサーで勝手に全国ツアーしている社員もいる
- 東京で働くほうが、営業も考えると有利。地方で働くことが結構難しい
- クラウドワークスとかと働けば地方でも仕事はできるが、単価は安いので現状だときつい
StartupTechnology 菊本さん
- お客様ありきの仕事だと東京で仕事をせざる得ない
- とはいえ、地元で働きたいという人もいる
- 東京の仕事を地方に持っていこうという試み
- クラウドソーシング
- 全国でそれなりに人がいる。それで食べていける世界がくるんじゃないかなーと期待
ヌーラボ 橋本さん
- 頼まれるエンジニア(ブログで有名だったり、技術で有名だったり)そういうエンジニアにならないと、東京以外の地方で働くことは実際、厳しいじゃないかという意見
- 働く場所と時間をきっちり決めているが、社員全員が破ってくる(笑)
- 言うことをきかない社員達に諦めがあるが、それが重要で、だから当社には自由がある
ギルドワークス 市谷さん
- やることが多すぎてリモートでもオフィスでも変わらない(笑)
Q.リモートワークは、辛いといって結局、社員が会社に来るそういう現状がある。それって他の会社ではどうなんでしょうか?
サイボウズ 佐藤さん
- 24時間、プロダクトが開発される方向を目指していた。全世界で開発者がいれば可能なはずという理念。リモート推進。
- しかし、そんなサイボウズでもリモートワークはできるが、結局、オフィスに来て仕事をしているらしい
StartupTechnology 菊本さん
- リモートワークしていたら仲間と働いている感が無くて寂しいと社員は感じた過去があった
- 結局、オフィスで働いてみたら楽しく仕事ができているということ
Q.ホラクラシー経営のように個人個人に任せると大きなトラブルにならないのか?
ダイヤモンドメディア 武井さん
- 特に無し。仕事の期日という約束は守ってもらう
- 約束が守れない人は結果的に、レベルの低い仕事ばかりになって淘汰されていく
Q.その他
サイボウズ 佐藤さん
- サラリーマンって素晴らしい。ちゃんと決まった給料がもらえるんだから。そう考えれば仕事は楽しくなるんじゃないかという意見
ダイヤモンドメディア 武井さん
- 優秀な人は、文句は言わない。能力が低い人は「会社の理念が無いからなにをやればいいかわからない。etc」など色々と言ってくる傾向があるとの意見
StartupTechnology 菊本さん
- サイヤ人は死にかけると強くなるという理屈で社員を成長させていく文化
- そうすると2-3ヶ月で1人でRubyのプロジェクトを回せるようになる
ヌーラボ 橋本さん
- 働く場所と時間、就業規則をきっちり決めているが、社員全員が破ってくる(笑)
- 言うことをきかない社員達に諦めがあるがそれが重要で、だから当社には自由がある
- 働き方より、エンジニアは、プログラムをいかに上手く書くかなど考えて欲しいという意見
- 働き方を考えるエンジニアってどうなんでしょうか?といっていた
締めの言葉
- OSSのコミッタになると鍛えられていいと思います
- 経営が考えるのはいいけど、開発者は働き方を考えなくていいと思います
- いろんな働き方があるけど、決めるのは皆さん。自分にあった働き方を見つけてください」
- 「マーケット価値を考えて自分のスキルを伸ばしていくことが大事だと思います
個人的感想
- 結局のところ、リモートワークのメリットはオフィスワークに比べて劣るよう思われた。
- 例えば、サイボウズ 佐藤さん、StartupTechnology 菊本さんの話だと、リモートワークを推進しているのに、結局、オフィスに来る社員が多い話からそのように考えるようになった
- しかし、ギルドワークス 市谷さんの言う用に、やることが明確でとにかく仕事をしなくちゃいけないような状況だと、リモートでもオフィスでも変わらないという意見があった。
- 以上考えてみると、リモートワーク、オフィスワークと両極端に考えるのではく、方針決め等コミュニケーションが必要であればオフィスへ行く、やることが明確でとにかく仕事をしなきゃいけないときはリモートで仕事するなど、柔軟に勤務形態を選べるのがベストなんだろうなと思った。例えば、ギルドワークスのように週1回はオフィスに来なきゃいけないが、それ以外は在宅でもOKとするなど。
印象に残った一言
- ヌーラボ 橋本さんの働き方より、エンジニアは、プログラムをいかに上手く書くかなど考えて欲しい、働き方を考えるエンジニアってどうなんでしょうか?という意見が一番印象に残った
- 橋本さんの真意としては「エンジニアが働き方を考えるようになったらそれは、経営者の責任」ということらしい
Masanori Hashimoto on Twitter: "働き方をエンジニアが考えちゃうのは管理職があまり良い環境を作れてないせい。僕のせい。 https://t.co/6Bi6pnrwkH"
- 自分としては、チームメンバーが、働き方について考えだしたら負けという心構えで、仕事に取り組んで行こうと心に決める一言となった