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日本最大級のセキュリティ・カンファレンス「CODE BLUE」レポート

『THE ZERO/ONE』編集部

October 31, 2015 08:00
by 『THE ZERO/ONE』編集部

10月28日、29日の2日間にわたり、東京・新宿で情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE」が開催された。今年で3回目を迎える同会議は、参加者600名を超える大盛況となった。昨年までは1トラックのみだった講演も、今年は2トラックに増え、2日間で計23講演が行われた。

初日の基調講演には神戸大学名誉教授の松田与也氏が登壇し、「シンギュラリティがやってくる」というタイトルで熱弁を振るった。「シンギュラリティ(技術的特異点)」とは、人工知能が高度に進化し、社会に大きな影響を与える状態のことを指す。人工知能が進化して、人間の知能を遙かに超えた「超知能」が出現すると、社会がシンギュラリティ化すると言われている。人工知能研究の権威であるアメリカのレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティが2045年頃にやってくると予想する。

アメリカでの研究が先行している人工知能だが、松田氏は日本でも世界を席巻できる人工知能を生み出せると語った。松田氏がそのキーマンの一人として名前を挙げたのが、PEZY Computingの齊藤元章代表だ。齊藤氏は日本でスーパーコンピューターを開発するベンチャー企業の経営者で、2020から2025年を目標に6リットルの容積に人類73億人分の知能を持つスーパーコンピューターの開発に取り組んでいる人物である。

松田氏は、「齊藤氏のハードウェアをベースに人工知能を開発すれば、日本発のプレ・シンギュラリティも夢ではない。農業革命、産業革命に続く、第2次産業革命が起こりつつあり、その核に人工知能がある。日本が発展するためには、人工知能の研究開発が絶対に必要だ」と力説した。

30年年以内にシンギュラリティがやってくると説く松田教授

「医療機器のセキュリティ」と題した講演には、ドイツ・ハイデルベルグの情報セキュリティ企業ERNW社のセキュリティアナリストであるフローリアン・グルーノ氏が登壇した。医療機器はネットワーク機能を持つことで、患者に対するリアルタイムの監視やデータの集約ができるようになり利便性は大きく上がったが、一方で悪意ある攻撃者が外部から侵入できる隙が数多く生まれている。

医療機器は外部からの攻撃を想定せずに作られており、最初からパスワードが設定されていない、パスワードが固定され変更できない製品が少なくないとグルーの氏は指摘する。講演の最後には、心拍モニターの医療機器を実際にハッキングするデモを行い、心肺停止になってもモニター上は心臓が動いているように表示させたり、画面上に任意の動画を再生させるなどして会場を沸かした。

壇上で心拍モニター機器へのハッキングを実演

「韓国のサイバーセキュリティ人材資源への投資」では、高麗大学サイバー国防学科教授のシーンジュー・ガブリエル・キム氏が、韓国におけるサイバー教育と人材育成について語った。2010年から2014年にかけて、韓国に対するサイバー攻撃は7万5472件が確認されており、韓国情報機関の報告によれば、北朝鮮の軍事機関では6000人以上の人間がマルウェア作成に携っているという。キム氏は「韓国において、サイバー攻撃は仮想でなく現実だ」と危機感を顕にする。

韓国政府は、北朝鮮によるサイバー攻撃に対抗するため、人材育成に力をいれており、2011年に設立された高麗大学サイバー国防学科では、韓国サイバー軍との共同プログラムを実施している。カリキュラムは暗号、サイバー法、ハッキング、デジタルフォレンジック、軍隊の基本などとなっており、特に「愛国心と強い職業倫理観」を教えるプログラムが複数あるという。キム氏は、高度なハッキングスキルは善にも悪にも利用できるので、メンタル面での指導が必須だと語った。学生は卒業後の入隊を確約すれば100%の奨学金を受けられ、卒業後は少尉として入隊し、7年間の勤務に就くことになるという。

韓国のサイバー人材育成について語るキム氏

2日目の最後に行われた懇親会には、講演の登壇者やセキュリティ業界の関係者が数多く集まり、様々なセキュリティ問題にどう対処していくべきかなどを論じ合う姿が見られた。

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