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 長崎市で被爆し、肝臓がんを患って昨年亡くなった男性の遺族が国に原爆症認定を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁(水上敏〈さとし〉裁判長)は29日、国の不認定処分を取り消した一審・大阪地裁判決を覆し、男性側逆転敗訴の判決を言い渡した。遺族は上告する方針。

 男性は大阪府阪南市の武田武俊さん。国の控訴後の昨年6月に83歳で死去し、長男が訴訟を引き継いだ。

 昨年3月の一審判決は爆心地付近で4日間、がれき撤去などにあたったと指摘。滞在は国の認定基準の「1週間程度以上」を満たさないが、作業中に放射性物質を含むちりを吸い込んだ可能性があるとして原爆症と認めた。だが高裁判決は、被爆者手帳申請時の記述などから滞在は2日間と判断。放射線の影響は大きくないとし、がんとの明確な因果関係を否定した。

 判決後、武田さんの長男は「父は無念だと思う。憤りを覚える」と話した。(太田航)