森田さんを初めて見た時「あ、この人はいつか辞めるんだろうな」と率直にそう思った。人を寄せ付けないオーラを振りまきトゲトゲしてるし協調性なんて皆無。グループの和を乱す良い例だと思うほど絶対にグループ活動には向かないと思った。当時*1は金髪ロン毛の細眉やピアスに腰パンなどアイドルらしからぬ風貌で見た目通り口も悪く遅刻しても逆ギレするしで周りも振り回されて大変なんだろうなと思っていた。デビュー当時は坂本さんと相当仲が悪かったようで言葉遣いや礼儀等を注意されても一年半無視し続けていたと言う話を聞きそりゃねえだろと思ったしとにかく悪い印象しかなかった。
しかしながら20年経った現在もV6の一員として確かにV6に森田さんはいる。辞めるどころかメンバーに「うちの天才なんですよ」と評されるほどのカリスマ性を持ちメンバーからも尊敬され特別視されている。V6のファンになれば他の人が好きでも必ず森田さんのことも好きになると言われているほどV6のファンにとっても森田さんは特別な存在である。そんな私もV6のファンになってからは森田担じゃないけど森田さんのことを特別に思っている。私はV6のファンになり森田さんを知っていくうちに森田さんが誰よりも生涯V6でいることを覚悟しV6を誇りに思っていることを知った。私が初めて森田さんを見た時から本当はそう言う人だったのか、あるいは何らかのきっかけが森田さんを変えたのかは分からない。分からないけど今も当時の私と同じような印象を森田さんに抱いている人がいるとするならば、それは間違っていると声を大にして言いたい。
私は森田さんの喋り方や考え方が好きだ。V6はどういう存在か?と聞かれると他のメンバーはキラキラした表情で「かけがえのない存在で・・・空気みたいな存在で・・・(以下省略)」と長々と話すが森田さんは「仕事仲間じゃないですか。それ以外見つからないんだよな・・・」と答える。V6の中で一番好きな曲は?と聞かれると他のメンバーは悩みに悩んで出した曲の思い出を話すが森田さんは少し悩んだ後「Timeless」*2と言い放ち何故か?と聞かれると「新しいものが一番良いから」と淡々と答える。V6は居心地が良いか?と聞かれると「一人の方が楽。嫌でしょ(笑)20年もずっと一緒って・・・。でも、嫌だったら20年も続いてないから嫌いではないのかな・・・。でも、居心地は悪い」と言う。森田さんの受け答えは普段から非常にコンパクトであっさりしている。だからなのか、森田さんの言葉はいつも私の胸を打つ。メンバーが「剛の言葉は説得力があるから大事な部分は剛に任せる」と言うように本当に一言一言が良い意味で重い。そして誰よりも周りをよく見ている。とても客観的で冷静だ。森田さんが話す言葉は必ず的を得ていてファンが気付かないようなことも多くありハッとする。最近だと「愛なんだを歌っている時はみんな笑ってるから良いなと思う」と言う発言にハッとした。撮り溜めてる番組を見返すと確かにみんな笑っていた。森田さんの言葉を聞いてハッとしていたのは私だけではなくてメンバーもそうだった。この人はいつもこうやって一歩下がってV6を見ているんだととても胸がジーンとした。
10年前に坂本さんが「昔はガミガミ怒ってごめん」と昔の出来事を涙ぐみながら話し出したことがあった。他のメンバーには浮かばなかった涙が森田さんの目だけには光っていた。デビュー当時の坂本さんとの関係を思い出したのだろうか。年齢差もあるし坂本さんも大人なので殴り合いをするほど関係が酷かったとは聞いたことはないが、マネージャーのミスで遅刻をしたから謝らなかったと言う森田さんに坂本さんが「謝れ」と言うと「うるせえ」と反抗されたことに腹を立てた坂本さんが「何だその口の聞き方は」と森田さんの髪の毛を鷲掴みにして怒鳴ったと言う有名な話がある。「坂本くんまで信じてくれないのか」と悔しさを滲ませながら坂本さんを睨み付けたそうだ。「その時の剛の目を見て初めて正面からぶつかってきてくれたことが嬉しかった」と坂本さんは話し「坂本くんが正しかった。どんな理由であれ周りに迷惑をかけた以上謝るべきだった」と森田さんは反省した。この出来事がきっかけで二人は和解したと言う。今はそんな坂本さんのことを「坂本くんが真面目で責任感が強いからV6の空気が出来た気がする。16〜17歳の時はもっと色んなことをやりたかったし発散したかったけど、坂本くんに後で怒られるからやめとこうかってセーブしたりとか。(ここで坂本さんが本当にごめんねと謝るがそれに対して)そうじゃなくて、坂本くんが正しい道に導いてくれた」と今年の5月にラジオで話した。坂本さんが涙ぐみながら話した10年前の同じ時にも「坂本くんがV6を辞める夢を見て目が覚めたら泣いていた。そういう気持ちをずっと忘れたくない。応援してくれる人がいる限りV6を守っていきたいという気持ちで今はいる」と話したことがある。私は森田さんが語るメンバー評がとても好きだ。坂本さんとのことは散々書いたが森田さんが楽しそうに坂本さんをいじっている姿を見ると今はそういうことが普通にできるようになったんだと随分と昔のことを重ねてしまい今でもほろっとしてしまう。長野さんについては森田さんが長野さんのお土産を選んでいる時にスタッフがこれはどうですか?と勧めると「長野くんのこと全然分かってない!!!」と言う発言や店員さんにこっちの方がいいですよね?と尋ねられると「はい♡長野くん可愛いんで♡」と言う発言が愛情溢れていてとてと印象強く残っている。井ノ原さんについては「井ノ原くんの司会は凄いなと思うけど俺は司会をやってる井ノ原くんよりV6で馬鹿やってる井ノ原くんの方が好き」と言う発言がとても森田さんらしくて好きだし、三宅さんについても「健のことはよく分からない」と言いながらも結局「健のことは俺が一番よく分かってる」と言い切る森田さんらしい発言がとても好きだ。岡田さんについては今年に入ってよく言っている「V6でいる時くらいは力を抜いてもいいんだよ」と言うような発言が一番年下で多忙だからか何かと気にかけていて微笑ましいしこれが岡田さんが森田さんのことを「優しい。とにかく優しい。優しい良いお兄ちゃん」と言う理由なんだろうなと改めて実感した。坂本さんが辞める夢を見て目が覚めたら泣いていたと言う話をしてから10年が経った現在、メンバーに「ここからいなくならないで」と言う歌詞を書くほど森田さんにとってV6は本当に体の一部なんだろうなと思った。
森田さんは「今」と言う言葉をよく使う。過去は振り返らない。いつも前だけを見据えて生きている。一本筋の通った生き方は決して他人の意見に左右されることはない。過去には辛いこともたくさんあったと言う。だけどV6は自分だけの人生ではなくメンバーの人生も自分が背負っているから簡単に辞めることは出来なかったそうだ。この人かっこよ過ぎではなかろうか。少なくとも私はこんなにかっこいい人を森田さん以外に見たことがない。自担よりもかっこいい。「あ、この人はいつか辞めるんだろうな」と思っていた人が「誰一人として欠けることなく20周年を迎えることが出来て嬉しい」と話す現実が今はただただ夢のようであるが、生涯V6であることを覚悟しこれからもこの6人で走り続けて行くと話す森田さんは夢なんかではなくて確かにここにいた。
「メンバーに感謝の気持ちを伝えるのは無理。ロボットみたいになっちゃうから」と話し実際にそう言う場面に出くわせば絵に描いたような片言で不自然になる森田さんを見て「棒読み(笑)」「カンペがあるの?(笑)」とメンバーに笑われ何十年経っても素直になれない森田さんが好きだ。素直になっても公にその内容を暴露されると「おい、言うな!」「お前ふざけんなよ」「言ってない言ってない」「そんなこと言った!?」と全力ですっとぼける。「何で裏では優しいのにみんなの前だと嘘つくの!何でそういうのをみんなの前では見せてくれないの!」とメンバーをもモヤッとさせるほど素直になれない森田さんが好きだ。これからもそんな森田さんでいて欲しいと思う。