ニュース詳細
サハリンの史跡保存で日ロが本格的な協力へ10月31日 6時47分
ロシア極東のサハリン、元の樺太で、日本が統治していた当時の史跡の保存について話し合うシンポジウムが開かれ、近く日ロ合同の作業部会を作り、継続的な共同調査の実施やガイドブックの作成など、本格的な協力を始めることになりました。
このシンポジウムは30日、サハリンの中心都市ユジノサハリンスクで、日本総領事館や地元の行政府が開いたものです。戦前、日本が統治していたサハリン南部、元の樺太には、当時の史跡が数百か所あるとみられていますが、多くが長年放置されたまま老朽化しているということです。これについてシンポジウムでは、今村朗総領事が、「戦後70年が経過して日本時代の史跡は老朽化が進み、保存に向けた取り組みが求められている」と述べ、日ロ両国の協力の必要性を訴えました。これに対して、ロシア外務省のサハリン州代表部のノソフ代表は、「日本のすばらしい史跡を知ってもらうため、ロシアとしても国を挙げて協力していきたい」と述べました。そのうえで双方は、日本が統治していた当時の史跡の保存に向け、近く新たに合同の作業部会を作り、継続的な共同調査の実施やガイドブックの作成など、本格的な協力を始めることになりました。終了後、今村総領事は、「日本には史跡の資料が多く残されている。それらをロシア側に提供するなどして保存に協力していきたい」と話していました。