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【プロ野球】ソフトバンク黄金時代だ 球団史上初の連覇達成2015年10月30日 紙面から
◇日本シリーズ<第5戦> ソフトバンク5−0ヤクルトSMBC日本シリーズ2015は29日、神宮球場で第5戦があり、ソフトバンク(パ・リーグ優勝)がヤクルト(セ・リーグ優勝)を5−0で破り、対戦成績を4勝1敗として2年連続7度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本一に輝いた。日本シリーズ連覇は球団初で、1992年に3連覇した西武以来。就任1年目の工藤公康監督(52)は、新人監督では10人目の日本一。最高殊勲選手(MVP)は、2本塁打8打点のソフトバンク李大浩(イ・デホ)内野手(33)が選ばれた。 神宮の夜空の下で、背番号81が9度舞った。工藤監督が、就任1年目でついに頂点に立った。90勝でペナントレースをぶっちぎり、ポストシーズンでもわずか1敗。最後の最後まで圧倒的な強さで、球団史上初の連続日本一を成し遂げた。 「感無量です。選手が一戦一戦を大事に、絶対に負けない気持ちを出してくれた。本当に僕は幸せです」 本拠地で行われたシリーズ第2戦。試合中のベンチで、誰に言うともなくポツリとつぶやいた。「武田のカーブが頭にあるな。バンデンはカーブに手を出しちゃいけない投手」。150キロ超の直球を武器にするバンデンハークのカーブに手を出した相手打線に、ニヤリとした。「昔は2戦目が重要っていう人も多かったけど、今は先手必勝」。第1戦を今季チーム勝ち頭の武田で取り、もくろみ通りに連勝でスタートした。 ただ、王会長と並び歴代最多14度の出場を誇る「ミスター日本シリーズ」は、隙を見せなかった。「周りは(2戦までの)結果だけ見てそう(日本一と)言うけど、やっている方は実際に差は感じない」。4戦ストレートでの日本一を期待する声も聞こえたが、そんな声を意識的に封じた。 4勝1敗。終わってみれば完勝でも決して順風満帆ではなかった。シリーズ開幕直前、チームに衝撃が走った。主将内川の骨折が判明。「動揺したなんてもんじゃないよ」。CSで3戦連続決勝打を放った4番の不在。百戦錬磨の指揮官でも、平常心を失った。 それでも、現実を受け止め前を向いた。「俺がそんな姿を出したらダメ。彼(内川)が一番つらいんだから」。シーズンでは1番での打率が2割2分7厘(88打数20安打)と低かった福田を、第2戦から3試合連続で1番に起用。「(初戦の)代打で変化球をうまく打った」と、シーズン同様に自分の目を信じてタクトを振った。福田は今シリーズ打率4割1分7厘。「内川君がいなくても、一致団結してくれたおかげ」。頼もしいナインに感謝した。 就任会見で連続日本一への決意を語ったのは昨年11月1日。翌日、多忙なスケジュールの合間を縫って2000年に31歳で亡くなった藤井将雄投手が眠る佐賀県唐津市に向かった。「熱い気持ちを持った投手だった。ホークスを『強くしたい、強くしたい』と思い続けた選手だった」。その弟分にまずは日本一を報告する。そして「常勝軍団」へ−。約束を果たすため、工藤監督はこれからも全力で走り続ける。 (倉成孝史) PR情報
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