将棋をテーマにしたマンガ「3月のライオン」が面白い
「3月のライオン」という将棋マンガが好きです。
現在11巻まで出ていて、アニメ化、実写映画化も決定したそう。今大人気のこの作品ですが、最新刊の最後の短編が素敵だったのでご紹介します。
主人公の小学生の頃の物語
3月のライオンの主人公「零」は、幼い時に交通事故で家族を失い、将士の養父に引き取られます。義理の家族や学校に馴染めず、孤独の中将棋を続け、学生プロ将士として活躍しています。
この短編は、それ以前の物語です。
バス遠足の時、友達のいない主人公はひとりぼっちです。
バスの中では隣はいなくて、お弁当も一人、草むらの中で将棋の問題を解きながら食べています。
「先生・・僕の隣は このまま一生 空席なんでしょうか・・・」
そんな主人公の心の声が書かれています。
魔法の切符を手に入れる
主人公は、将士である義父に気に入られるため、居場所を探すために必死で将棋を続けています。それしか、自分の居場所をつくる方法が無かったからです。
そして、将棋を続けている限りは、自分と向き合う人が現れることに気づきます。
「その切符さえあれば 誰かが必ず 自動的に 目の前に座ってくれるのだ」
将棋は対戦形式なので、必ずそこに相手が存在する。それは、独りぼっちの主人公にとって、たった一つの居場所で、人と関わりあえる場所。その場所に居続けるために、努力を続け、いつしか主人公はプロになっていくのです。
自分も相手も変わらないけれど、旅の仲間ができていた
高校生になった主人公は、仲間と一緒に将棋を研究したり、刺激し合うライバルや友人ができました。
作品より
「僕が変わった訳では無い。そして 周りが 変わってくれた訳でも無い」
「ただ、気が遠くなりそうな日々を必死で、指して、さして、ただ指し続けているうちに、ある日ふと、同じ光の指す方へ向かう人達と 一緒に旅をしていることに気づいた。」
僕が変わった訳ではない、そして周りが変わってくれたわけでも無い、というのが一番心に響きました。
自分も相手も変化していないけど、ただ自分と近い波長の人が集まる場所に移動し、一生懸命やっていたら、そこに旅の仲間が「いた」のです。頑張って作った訳じゃないし、迎合してもいない。
ああ、そうか。仲間の作り方って、本当にこの通りだよなあ、と思いました。
以前の記事で、友達は作る物でなく探すもの、と書きましたが、同じです。
友達は「作る」ものではなく、自分と気の合う人を「探す」ものじゃないかな? - 楽に生きる方法
自分が思いっきり打ち込めることを見付けて、頑張ってみる。そうしたら、自分と同じ興味を持った、感性の近い人が現れます。会話が途切れないほど話したいことが沢山ある人、そういう人に囲まれるのが人生を楽しく過ごすコツのように思います。
同じ方向を向く仲間は、世界中にいるんだと思います。その仲間に合う方法は、何かを一生懸命やることだと思うのです。
3月のライオン 11 (ジェッツコミックス) | ||||
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