娘が通う小学校で引き渡し訓練がありました。
「引き渡し訓練」というのは、災害(主に地震を想定)時に児童だけの下校が危険と判断された際、児童をいったん留め、直接保護者に引き渡す場合の訓練となります。児童、教員、保護者がそれぞれ災害に対しての意識を高めるためにも有用な訓練です。
引き渡し訓練は今年が初めてではなく、数年前から行われてはいたのですが、今回は学校側から初の試みを提案されました。
今までの引き渡し訓練は学校から日時を指定され、その時間に行けば良かったのですが、今回はある1週間のうち、いつ何時引き渡し訓練があるのかわからないというものでした。
実際に災害が起きるときは予知できないので、学校側としてはより実践的にやってみたいというのが趣旨のようです。突然の呼び出しに保護者がどれほどの時間で学校までたどり着くことができるのか、それに伴い教員はどう対応すればよいのかは、確かにある程度想定できるとより円滑にことが進むと思います。
ですが、1週間まで絞ってくれているとはいえ、仕事をしている方、または家に居たとしても予定のある方にはなかなかきついのが現状です。そこで学校側は実施するにあたり、1学期から数回のアンケートと趣旨を伝える文書を出し、出来るだけ保護者の理解を得ようと努力されていました。
そんな形で行われた今回の引き渡し訓練。
始まりは、とある日の13時過ぎに学校から届いた一斉メールでした。私は事前に職場の方々にこのような訓練があると伝え、了解を得ていましたので、やりかけていた仕事をある程度のところで切り上げ、すぐに小学校へ向かいました。
車を走らせている最中、実際に災害がおきたらこの道路だって混雑しているのだろうなと思いました。私と同じように子を迎えに行く人もいるだろうし、安全な場所へ向かう人もいるでしょう。そう考えると、「果たして学校へつくのに何時間かかるんだ?」「そもそも学校までの道が確保できるのか?」などなどいくつもの不安が頭の中をぐるぐると回っていました。
引き渡し訓練は全校児童が校庭で待機しているため、基本的に徒歩か自転車で小学校へ行かねばいけません。私はいったん、自宅へ向かい車を置いてから徒歩で学校へ向かいました。私の家は小学校から近いため、歩いて行っても大変ではありませんでしたが、学校から距離のある方は大変だったであろうと思います。
校庭で娘のクラスのプラカードを探し、担任へ誰の保護者であるのか、それから予定している避難場所はどこなのかを告げてから娘を引渡しされました。(この引渡しチェックですが、うちの小学校は担任確認のみなんですけど、二重チェックをされている学校もあるようです)
今回の引渡し訓練の実施時間は14時から15時。それ以降は少しだけ待ってから、今回参加出来なかった保護者の子が地区別で下校となっていました。予告なし訓練に参加するのはハードルが高いですから、都合がつかない方もいたことと思います。参加が出来なかったとしても家庭でどこが避難場所になるのか、実際に起きたらどうするかを想定しておく必要はあると感じました。
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先日、新しくできた防災公園へ行きました。
その公園が防災公園として造られたのは知ってましたが、特にそれが目的ではなくただ遊ぶために行ってみたのです。
ところが、公園を歩いてみると様々な箇所に災害時に使用できる工夫がされており、興味深く眺めてしまいました。
主な施設として挙げてみますと、ヘリポート(通常時は野球場)、備蓄倉庫、防火水槽、非常用井戸、マンホールトイレ、それから四阿(あずまや)やブランコが非常時にテントとして使用できるようになっているようです。
あと、こんなものもありました。
非常時にかまどになるイスです。これが3つぐらい並んでました。
子どもと遊びながら、「この椅子は非常時にどうなるのだろう?あそこはどんな工夫がされているのかな?」と話しました。楽しみながらいつの間にか防災について少しだけ学べたような気がします。
日常が当たり前のように通り過ぎると、ついつい災害が起きた時の心構えを忘れそうになるんですけど、引き渡し訓練や防災公園を訪れたことで、また防災に対する意識が高くなったように感じました。
一年に数回でもこういった体験をし、忘れかけたものを取り戻す作業を繰り返していきたい。
そんなふうに思ったのです。
※東京都にある防災公園はこちらでわかります。