第1日、4アンダーで2位の稲森佑貴=兵庫県加東市のABCゴルフCで
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◇マイナビABC<第1日>
▽29日▽兵庫県加東市、ABCゴルフ倶楽部(7130ヤード、パー71)▽晴れ、気温17・4度、西南西3・0メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽93選手(アマチュア3人)▽観衆1237人
ただ今売り出し中のツアールーキー、稲森佑貴(21)=グリーンゴルフ練習場=が初優勝に向け、首位と1打差の2位タイ発進した。風邪をひいて体調の悪い中、4バーディー、ノーボギーの67、4アンダーで回った。首位は5アンダーの韓国の金庚泰(キム・キョンテ)。
「喉の奥をぐっと押し込める。口で息をすると詰まってしまう。そうやって、なるべく出ないように、出ないようにしてました」と稲森。これだけ聞くと3パットをしなかった秘訣(ひけつ)のようだが、実はせきの防止対策だ。今週に入ってから風邪がひどくなった。今は熱は下がったが、同組が47歳のベテラン深堀圭一郎と選手会長の池田勇太。「せきが止まらなかったらどうしよう、失礼があったらどうしよう」と、ルーキーは朝からずっと頭を悩ませていた。
幸いにも対策は功を奏し、大先輩2人に迷惑をかけることはなかった。それどころか、いい緊張感が好ショットを生んだ。6番は残り200ヤードを4メートルに乗せて初バーディー。7番は90ヤードを1・5メートルにつけ、15番パー5は2オンに成功。18番は残り100ヤードの第3打を1メートルにつけて締めた。賞金ランクは24位で、すでに来季のシード権は当確。前週のブリヂストン・オープンで2位タイに入った好調ぶりが続いている。
鹿児島県から父親の運転するキャンピングカーで移動しながら寝起きする「さすらい旅のルーキー」として話題になっている。ただ、体調不安もあって今週はホテル生活。「車に戻るとわが家に帰ったという感じがする。でも、ぶっちゃけ、ホテルの方が快適です」と、つい本音も。前週は千葉で、今週は兵庫、そして今大会が終われば、次週の開催地・千葉へまた陸路を戻る。「季節の変わり目は体調管理が大事。スポーツ選手は体が資本だと分かりました」。優勝スピーチまでに鼻声が収まっているかも注目だ。 (大西洋和)
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