ハノイ=佐々木学、北京=林望
2015年10月31日00時23分
中国の南シナ海での領有権主張は国際法に違反するとして、フィリピンが中国を相手に進めている仲裁手続きで、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は29日、裁判所に訴えを審理する権限があると判断し、実質的な審理に入ると発表した。
南シナ海を巡っては、中国がほぼ全域に自国の権利が及ぶと主張し、南沙(スプラトリー)諸島の岩礁を埋め立て、米海軍が艦艇を派遣して牽制(けんせい)するなど緊張が高まっている。ベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国とも主張の溝が埋まらない中、国際司法機関がどのような判断を示すか、注目される。
フィリピン政府は30日、仲裁裁判所の判断を歓迎したが、「当事国同士の協議による解決」を求めてきた中国外務省は同日、「無効であり、中国に対する拘束力を持たない」との声明を出し、今後も仲裁手続きに参加しない考えを示した。
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朝日新聞国際報道部
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