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「沖ノ鳥島」を持ち出す中国の暴論 南シナ海での横暴は棚上げ 権益奪い取ろうと虎視眈々
だが、その中国は沖ノ鳥島の戦略的重要性に誰よりも着目している。沖ノ鳥島は東京から約1700キロ、小笠原諸島の父島から約900キロ離れたわが国最南端の島で、東西約4・5キロ、南北約1・7キロ、周囲約11キロのサンゴ礁だ。
日本政府は沖ノ鳥島の周囲に海洋資源を独占できるEEZを設定しており、その面積は国土面積(約38万平方キロメートル)を上回る約40万平方キロメートルにもなる。漁業資源ばかりでなく、レアメタル(希少金属)などの存在が期待されている。
沖縄本島から1100キロ 軍事的戦略的な価値
ただ、中国が沖ノ鳥島を評価しているのは海洋資源の存在だけでない。むしろ、その軍事戦略的な価値に注目しているといっていい。中国は沖ノ鳥島周辺のEEZで海洋調査活動を続け、2010年4月には計10隻の中国海軍艦艇が沖ノ鳥島西方海域で軍事訓練を実施した。
また、福島の原発事故による放射性物質の影響を調査するということを名目に2011年6月に海洋調査船を沖ノ鳥島周辺に派遣した。この同時期に中国海軍艦艇計11隻が沖ノ鳥島南西海域で射撃や洋上給油などの訓練を行った。
中国は空母機動部隊などを擁する米軍の接近を阻止する「Anti-Access(接近阻止)/Area-Denial(領域拒否):A2AD」という戦略をとっている。
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