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「沖ノ鳥島」を持ち出す中国の暴論 南シナ海での横暴は棚上げ 権益奪い取ろうと虎視眈々
南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で人工島を造成し、国際的な批判を受けている中国が、日本の沖ノ鳥島を持ち出して反論している。自らの行いを正当化するために、「沖ノ鳥島を『人工島』にしようとしている日本には、われわれ中国を批判する資格はない」といっていることになる。だが、その中国は早くから沖ノ鳥島の戦略的重要性に気がつき、虎視眈々とその権益を奪い取ろうとしているという。
中国が注目する島
「日本はコンクリートで沖ノ鳥島を人工島に仕立て上げ、それを根拠に排他的経済水域を主張している。他国を批評する以前に自分の行いを見つめるべきだ」
今年8月にマレーシアのクアラルンプールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、中国の王毅外相が南シナ海における人工島埋め立てに懸念を表明した日本をこう牽制(けんせい)した。
国連海洋法条約では、島の場合は領海、排他的経済水域(EEZ)、大陸棚を設定できるが、岩の場合は領海は設定できるものの、EEZと大陸棚は設定できない。沖ノ鳥島に関しては、日本が島だとしているのに対し、岩だと反論してきた中国はここにきて、人工島だと言い始めたことになりかねない。
ちなみに人工島の場合は領海は設定できない。王毅外相の発言は、これまでの岩だとする主張を転換し、中国政府が「沖ノ鳥島は人工島だ」との見解に変更する意図があるかは今のところ不明だ。
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