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【米イージス艦南シナ海派遣】
板挟みのオーストラリア 「親中派」のターンブル首相 米作戦支持しつつ、中国との軍事演習にも参加
ペイン氏の中国への配慮は、米艦船派遣を受けた27日の声明でも明らかだ。米国の「航行の自由作戦」が「国際法に沿っている」と支持を表明する一方、「(南シナ海での)米国の現在の行動に参加することはない」と距離を置いた。
アボット前首相から9月に政権を奪取したターンブル首相について、南洋工科大学(シンガポール)の古賀慶助教は「経済優先の結果、中国寄りとみられ、外交的には冒険をせず安定重視だ。国際状況を見極め、中国や米国との関係構築を進めている」と指摘する。
豪メディアも27日、「豪州は米海軍の挑戦を支持するが傍観を続ける」(シドニー・モーニング・ヘラルド)、「米国の作戦へ参加するよう圧力を受けるだろう」(ABC放送)などの論評を報じた。
豪州としても、同国の輸出の約6割が通過する南シナ海の安定に寄与する姿勢を国際社会に示す必要がある。