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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設予定地で埋め立て本体工事が始まってから一夜明けた30日、同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では、移設に反対する人々が抗議活動を繰り広げた。

 反対派は午前6時ごろから続々と集合。工事車両を通すまいと、約300人が車道に座り込んだり、ゲート前で腕を組み座り込んだりした。

 座り込みを排除しようと警察官らが数人がかりで1人ずつ抱えて歩道に移動させると、激しいもみ合いに。「君たちは基地建設を手助けするのか」と抵抗した名護市議の仲村善幸さん(68)は座っていたイスごと持ち上げられ、「権力をもって民意を抑えようとするのは時代錯誤だ」と話した。

 座り込みが排除されると、やぐらやクレーンなどを乗せた大型の工事車両約10台が次々とゲート内へと入っていった。

 抗議活動を取りまとめる沖縄平和運動センターの山城博治さん(63)はマイクを手に「県民の怒りを発信していこう。乱暴な政治は許さん」と声をあげた。周囲からは歓声がわき、「沖縄を返せ」と歌声が響いた。

 米軍基地がある神奈川県座間市から来た池田敦子さん(75)は「辺野古は沖縄だけの問題ではなく日本全国の問題。自分たちの問題として考えなきゃいけない」と語った。(加藤美帆)