ソニーがきのう4~9月期の連結損益を発表した。当期純損益は1059億円で、5年ぶりの中間黒字を計上した。ちょうど今夜のアゴラ経済塾ではソニーをテーマにするので、その中間決算の中身を調べてみた。

ソニー2
ソニーのセグメント別の連結営業利益

これはセグメント別の営業損益だが、増益に寄与した最大の要因は、昨年1722億円もの減損処理をしたスマホの赤字が減ったことだ。画像センサとゲーム機(PS4)の黒字は増えたが、映画は赤字が増え、本業の足を引っ張っている。最大の稼ぎ頭は、一貫して金融(ソニー銀行・生命)である。

これは典型的なコングロマリットの末期症状だ。過去にも映画部門を売却すべきだという株主の要求があり、「スパイダーマン」のような大ヒットを出したときは投資家からも「映画部門だけなら買う」という声があったが、最近では金正恩暗殺を描いた映画がサイバーアタックの対象になったりして、お荷物になっている。

ソニーの技術力はまだ高いが、1240社も連結子会社を抱えた水ぶくれ構造では、平井社長のような「みこし」型のCEOが全体をコントロールすることは不可能だ。むしろ大胆な事業売却によって、資本の論理で再生できる可能性がある。

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