日本人なら誰でも知っている「森永チョコボール」
チョコボールのお楽しみはあの美味しさだけではない。クチバシに付いている「金のエンゼル・銀のエンゼル」である。
金のエンゼルなら1枚、銀のエンゼルなら5枚で貰えるのが「おもちゃのカンヅメ」である。
子供なら誰しも憧れた事だろう。かく言うわたしもその一人である。
だがエンゼルを集めるまでの道のりは長く遠い。
しかしおもちゃのカンヅメを求めチョコボールを買い続けるわたしはある法則を発見したのである。
チョコボールは20箱入りで売っているのだが、前から2列目の右には必ず銀のエンゼルが入っていることに気付いたのだ。(今はどうか知りません)
その瞬間、わたしのおもちゃのカンヅメへの道に光が射したのだ。
前置きが長くなったが「おもちゃのカンヅメ」その中身は一体何だったのか。
今ここでその扉を開いてみようと思う。
\ドーン/
昔はもっとたくさんあったはずなのだが、実家に放置している間に親にどうにかされてしまったらしい。悲しい。残念だがひとつずつ開封して行こう。
まずはひとつめ。左下の丸い缶である。
これと一緒に「カンヅメの中身」の説明書きがある。
左上から順番に
・おふろスポンジ
・キョロちゃんスタンプ
・ふりかけプレート(ごはんの上にプレートをおいてふりかけをかけてね)
・消しゴム
・ペンキャップ
・おもちゃのカンヅメカード(あなただけのナンバーだよ)
・カギ
・ふわふわシール
・自転車用反射シール(暗いところで反射します。自転車の後ろなどに貼ってね)
・15パズル(ちゃんともとどおりにできるかな)
…
……
以上である。
「ゴミ」「使えない」国民一人一人にマイナンバーが付与される時代、おもちゃのカンヅメは既にわたしに番号を与えていてくれたのだ。わたしのマイ・おもちゃのカンヅメナンバー、013289。大切にしよう。
続いてふたつめ。
内容のショボさ充実さは十分に分かっていただけたと思うので詳しい内容は省く。
左側中頃にある透明なキョロちゃんはミニライトである。スイッチを押すとキョロちゃんが怪しく光るのだが(電池の補充はできませんよ)の説明が涙を誘う。
そしてここにもわたしだけのマイナンバーだ。マイ・おもちゃのカンヅメナンバー、025714。大切にしよう。
続いてみっつめ。
ショボさに磨きがかかっている。物価高の煽りを受けたのだろうか、前のものと比べるといささか中身が少ない。
左上の何やら巻いてあるものは身長計である。壁に貼って使うものだが150cmまでしか測れない。身長170cmのわたしには既におもちゃのカンヅメを開ける資格がなかったのである。悲しい。
おもちゃのカンヅメの中身ははっきり言ってショボい。
だが昔、日本中の子供がその存在に憧れた、それだけで十分ではないか。
おもちゃのカンヅメは子供たちに夢を持つことと憧れの大切さを教えてくれた。
ありがとう、森永。ありがとう、おもちゃのカンヅメ。