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 兵庫県警の複数の警察官が交通違反の実況見分後、内規に反してその場にいなかった同僚に依頼し、捜査報告書にある現場見取り図の作成者欄に署名してもらっていたことが、捜査関係者への取材でわかった。不正は高速道路交通警察隊と2署で行われており、県警は30日、退職者2人を含む70人を虚偽有印公文書作成・同行使などの容疑で書類送検し、関与を認めた10人を含む現職78人を戒告などの処分にした。同日午後に発表する。

 不正があったのは、速度違反などで交通反則切符(青切符)を交付されたドライバーが違反を認めない場合、検察庁に送付する捜査報告書。県警の内規では、違反を取り締まった担当者以外の警察官が現場に立ち会い、当時の違反状況の見取り図を記入。写真も撮影し、署名することになっている。

 捜査関係者によると、70人の送検容疑は2009年8月~14年4月、取り締まった担当者が自ら実況見分と写真撮影をし、頼まれた同僚が作成者を装って署名する手口で、65件分の報告書を偽造したというもの。うち1人は同僚の名前を報告書に無断記入したとして、有印公文書偽造・同行使容疑も加えた。理由については「同僚を現場に呼びだし、手間をかけさせたくなかった」「実際には実況見分しているので問題ないと思った」などと話しているという。県警は起訴か不起訴かの判断を検察に任せる「相当処分」の意見をつけたという。