あまりにもアカデミックすぎた菊池桃子さん
マスコミは、内田樹氏みたいな学生を呪うしかできないようなのを偉い「学者」扱いする一方で、菊池桃子さんみたいな雇用問題に見識を持つ人はいつまで経っても「タレント」扱いしたがるという抜きがたい偏見がありますね。
確かに出発点は「パンツの穴」だったかも知れないけれど、戸板女子短大客員教授でキャリア権推進ネットワーク理事の彼女をタレント枠に入れるのは、内田樹氏を学者枠に入れるのと同じくらい違和感があります。
まあ、それはともかく、産経新聞にこんな記事が:
http://www.sankei.com/life/news/151029/lif1510290029-n1.html(菊池桃子氏が名前に「ダメ出し」 1億総活躍国民会議初会合 「ソーシャル・インクルージョンと言い換えては?」 記者団とのやり取り詳報)
「はい。1億総活躍のその定義につきましては、ちょっとなかなかご理解いただいていない部分があると思いますので、私の方からは、1つの見方として、言い方として『ソーシャル・インクルージョン』という言葉を使うのはどうでしょうかと申し上げました。ご存じのとおり、ソーシャル・インクルージョンというのは、社会の中から排除する者をつくらない、全ての人々に活躍の機会があるという言葉でございまして、反対の言葉は、対義語は「ソーシャル・エクスクルージョン」になります」
「今、排除されているであろうと思われる方々を全て見渡して救っていくことを、あらゆる視点から、今日各大臣がご参加いただきましたので、考えていただきたいと、そのように申し上げました」
彼女の過ちは、マスコミや政治家のレベルを高く見積もりすぎているという点であって、おそらくこの「ダメだし」記事を書いた記者も含めて、ソーシャル・インクルージョンといってもあまり理解していないようです。もちろん、社会政策学会とかそういう所に行けば、当たり前に通用しますが、どこでも通用するわけではない。
あまりにもアカデミックすぎる言葉遣いをすると、それについて行けない人々にちゃんと理解されないというリスクを負います。皮肉なことですが。
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