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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

コミュニケーションのコツは「3K」

コミュニケーションのコツは「3K」

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・接客・販売スキルを高めたい方
・お客様とのコミュニケーションに苦手意識がある方
・売り上げや客数・客単価をアップさせたい方
・自分の仕事に自信を持って取り組めない方
・転職を考えている方
・がんばってほしい後輩や部下の指導方法で悩んでいる方

『「ありがとう」と言われる接客・販売の教科書』(川﨑真衣著、あさ出版)は、上記のような方に向いているのだそうです。

ちなみに著者は、学生時代のテーマパークでのアルバイトをきっかけとして、さまざまなサービス業に携わってきたという人物。東京ディズニーランドのツアーガイドキャスト経験も持ち、現在はさまざまな企業に向けた研修、講演、コンサルティングを通じ「仕事を楽しめる人材育成」をサポートしているのだといいます。

つまり本書では、プロフェッショナルとしての立場から、接客を筆頭としたコミュニケーションについての持論を展開しているわけです。きょうは第4章「お客様とのコミュニケーションは『3K』」に焦点を当ててみましょう。


「コミュニケーションだから、なんとかなる」は、大間違い


他のさまざまなことがらと同じように、コミュニケーションについても「当たって砕けろ」の精神が大切だというのが著者の主張。たとえば会話であれば、上達のためのいちばんの近道はまず会話をしてみること。仮にその結果が散々なものだったとしても、そこから学ぶものは少なくないはずです。

やらずに後悔するより、やって失敗した方がいいという考え方。やるかどうかを悩むより、失敗から学んだことを次に活かす時間の方が、はるかに意味があるということです。

ただし、やってみる際には、「なんとかなる」と思ってはいけないとも著者は記しています。なんであっても、「結果的に無駄になることはない」とわかっているのであれば、最初から興味を持ってやった方がよい経験になるということ。

「なんとかなる」は、やることをやって努力してきた人が、最後に自分の背中を押すときに使う台詞。だとすれば、「ありがとう」が聞けるコミュニケーションを「なんとかなる」で乗り切ることができなかったとしても当然の話です。

では、どうすればベストなコミュニケーションがとれるのでしょう? これをマニュアル化するのは難しいことだとはいえ、しかしそれでも「コツ」はあるのだとか。著者はそのコツを「コミュニケーションの3K」と呼んでいます。(101ページより)


最初のK「興味」で扉を開く


仕事を通じてコミュニケーションをとる際に、もっとも神経を使う相手は「お客様」であるはず。もちろん一般的に認識されているお客様以外にも、営業先や、定期的に訪問するクライアントなど、対外的な関係を持つ相手もこの範疇に収まることになります。

お客様とのコミュニケーションがうまくいかないと、仕事に大きな影響が及んでしまうもの。ところが「満足させたい」「納得させたい」という気持ちが強ければ強いほど、実は失敗の方向へ向かってしまうのがコミュニケーションでもあります。そこで重要な意味を持つのが、お客様に「興味」を持って接すること。なぜなら興味を持つと、いろいろなことがわかるようになるからです。

「興味」を持つという意識は、さまざまな仕事にとって重要なこと。そしてよくいわれるように、コミュニケーションはキャッチボールと同じ。つまり「興味」とは、こちらから一投目のボールを投げること。するとお客様はそのボールを受け取り、こちらへ投げ返してくれる。次は、返ってきたそのボールをしっかり受け取り、もう一度投げ返す。そのような繰り返しによってコミュニケーションを成立させると、お客様もふたたび気持ちよくボールを返してくれるというわけです。

ショッピングを楽しむのも、買うのも、「ありがとう」というのも、すべてはお客様が満足した結果。その満足のツボはお客様にしかわからないものなので、こちらがその気持ちに歩み寄る必要があります。そのときに重要なのが「興味」を持つこと。そしてコミュニケーションとしてのキャッチボール。それが、「ありがとう」といわれるコミュニケーションの扉を開く最初の鍵だと著者は主張しています。(104ページより)


2番目のK「共感」でお客様の心に寄り添う


さて、「興味」を持つことによってコミュニケーションの突破口を見つけたとしても、それだけでは会話になりません。こちらから投げた一投目のボールを、お客様が投げ返してくれたにもかかわらず、また次々と新たなボールをつくっては投げ、つくっては投げ...と繰り返していたら、どのようなことになるでしょうか?

当然のことながら、お客様は尋問のような言葉のキャッチボールに違和感をおぼえることになるはず。そして、「こっちから投げ返したボールは全部スルーじゃないか」と気づくことになります。それでは、円滑なコミュニケーションなど成立できなくても不思議ではありません。

そういう事態を避けるために大切なのは、「興味」を持って引き出したことに対しての「共感」を表現すること。豪速球ストレートや消える魔球を投げるのではなく、受け取りやすいボールをしっかりと相手に届くように投げることが基本中の基本。

そして相手が投げ返してくれたら、新しいボールを手に取るのではなく、返ってきたボールを使って投げ返す。このような「興味」と「共感」のあるキャッチボールこそ、「ありがとう」を生むコミュニケーションだということです。

わかりやすくいうと、「共感」とは「なるほど」「そうですね」「わかります」といった表現をすること。コミュニケーションにこれらがあるのとないのとでは、相手に与える印象は大きく変わるといいます。また言葉だけではなく、うなずくことや、体の向きを相手に向けること、相手に合わせた表現をすることも大切な「共感」。(117ページより)


最後のK、心からの「感謝」を表明する


お客様にとっても、自分自身にとっても快適なコミュニケーションのために必要な最後のKは、お客様の気持ちを理解したうえでの「感謝」の表現。たとえばお客様のためによかれと思って提案をしたり、希望を叶えたいと思うことがあります。しかしそんなとき、提案を断られることや、お客様の希望を叶えられないことを怖がってはいけないと著者はいいます。理由はシンプル。怖がっていたら、気持ちも表情も固まってしまうから。そうなると行き着く結果も、よいものにはならないはずです。

コミュニケーションは会話だけではなく、全身から発せられる表情や声のトーン、身振り手振りなど五感を通じたすべての情報で成り立っているもの。隠しているつもりでも、恐れや不安はお客様に大きな不安や不快感を与えてしまうことになります。だからこそ、お客様に「興味」を持って歩み寄り、「共感」しながらコミュニケーションをコントロールしたら、最後は自分の方から「感謝」の気持ちを表現すべきだということです。

仕事や会社は、一度のコミュニケーションですべてが終わってしまうわけではなく、以後も続いていくもの。だから諦めるのではなく、次にしっかりと「つなぐ」こと、それが「感謝」の表現だと著者はいいます。(131ページより)


「感謝」とは「次につなぐ一手」


3Kの最後のKにあたる「感謝」は、諦めることではなく「次につなぐ一手」。人の記憶のなかで、もっとも印象に残るといわれているのが、「最初」と「最後」だといいます。だとすれば、これをビジネスシーンに置き換えてみると、もっともお客様の印象に残るのは「第一印象」と「別れ際」ということになります。

だとすれば、販売の際にしつこくオススメをしたり、お客様の気持ちを無視して売り上げを優先させるような行動ばかりをとり続けたりしていると、結果的にはお客様が離れていくという事態を招いてしまうわけです。むしろ、売り上げや販売目標を大切にするからこそ、「興味」「共感」「感謝」の「3K」が必要になってくるということ。(136ページより)




こうして見てみると、たしかにこれらは接客や販売だけではなく、人と関わるすべての仕事に応用できる考え方だということがわかります。そういう意味で、コミュニケーションに悩むすべての人にとって有効な一冊であるといえそうです。


(印南敦史)

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