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夫婦殺害、堀被告が一部否認=「闇サイト殺人」で無期確定―名古屋地裁

時事通信 10月29日(木)12時52分配信

 1998年に愛知県碧南市の住宅でパチンコ店店長、馬氷一男さん=当時(45)=夫婦が殺害された事件などで、強盗殺人や同未遂などの罪に問われた無職堀慶末被告(40)の裁判員裁判の初公判が29日、名古屋地裁(景山太郎裁判長)であった。
 堀被告は馬氷さんの妻里美さん=同(36)=の殺害を「一切関与していない」と否認し、馬氷さんへの殺意もなかったと主張した。
 堀被告は2007年に起きた「闇サイト殺人事件」の強盗殺人罪などで無期懲役が確定している。判決は12月15日の予定。
 検察側は冒頭陳述で、堀被告が里美さん殺害時に屋外に出ていたものの、事前に実行役に依頼し、共謀が成立すると指摘。馬氷さん殺害も「馬乗りになって首を絞め続けた」と述べ、殺意があったと主張した。
 弁護側は、堀被告が現場に戻ったら里美さんが殺されていたと反論。馬氷さんについては「売上金の在りかを聞こうと、バスタオルを顔に巻いて押さえ付けたら動かなくなった」と述べた。
 起訴状によると、堀被告は98年6月、男2人と馬氷さん宅に侵入し、夫婦を絞殺して約6万円やブレスレットを奪ったとされる。06年7月には、名古屋市守山区の住宅で女性(78)の首を絞め、現金などを強奪したとされる。
 堀被告は、インターネットの闇サイトで知り合った別の男2人と07年8月、名古屋市で帰宅途中の会社員磯谷利恵さん=同(31)=を拉致し殺害した強盗殺人事件で、二審判決の無期懲役が確定。その後、夫婦殺害の現場に残った唾液などから2事件への関与が判明した。 

最終更新:10月29日(木)12時54分

時事通信