【コラム】朴大統領が聞きたいことばかり報告する外交・安保担当者

 国産戦闘機(KFX)開発事業もそうだ。当初は2025年までに米国の技術を導入して開発を進めると説明されていたが、米国が技術支援を拒否すると、国防長官が現地で再び支援を要請し「物乞い外交」とやゆされた。それでもやはり断られると「断られることは分かっていたが、世論に配慮して米国に行った」と言い訳し、今では「独自開発も可能だ。国産戦闘機の開発に問題はない」と言い始めた。「技術の導入は可能」「米国政府は技術支援に応じるかもしれない」と発言した担当者には当然責任を追及しなければならない。また今「独自開発は可能」という見方についても、本当にそうか検証すべきだろう。

 20世紀初頭に英国外交官のハロルド・ニコルソンが書いた『外交』には、外国と渡り合って国益を守る外交担当者にとっては教科書のような本だ。ニコルソンは彼らが当然持つべき価値観として「忠誠心」を挙げているが、その一方で「(上の人間が)聞きたがることばかり報告する傾向は、忠誠に見せ掛けた不忠だ」と警告している。ニコルソンはさらに「読んで気分が良くなる報告書を上げる人間は信頼できるが、気分を害する報告書を書く人間は性根が悪く頭が鈍い人間と見なされる」とも指摘し、こうならないように警戒する必要を説いている。基本がしっかりした国をつくり上げるには、これら当然のことからまずはしっかりと実践していかねばならない。

政治部=権大烈(クォン・デヨル)部長
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