しかし、製造業成功の方程式は寿命を迎えたとの警告が以前から出ていた。韓国は先進国に並ぶ技術を確保できない状態で中国の急激な追い上げを受けるようになった。社会的対立やモラルハザードがまん延し、直接・間接の生産コスト、非効率があまりに大きくなった。一時的な問題ではなく、構造的な問題であり、このまま手をこまぬいていれば破局を迎えるのは明らかだ。
製造業は国と社会の総合競争力の結果だ。労働市場と教育を変革し、人材の質を高めなければならず、金融改革で優秀な企業に資金が流れるようにすべきだ。放漫経営の公共部門には果敢にメスを入れなければならない。しかし、あらゆる分野の利害関係がぶつかり、改革を決意できないか、改革のまねだけしている。
政府、与野党など韓国のリーダーシップは火を見るより明らかなこれら問題を事実上放置してきた。過去には国家リーダーシップが国の問題を解決するのではなく、助長する方向に作用したことも多くあった。現在も製造業の後退を世界的な景気低迷による一時的減少のせいだと決め付ける人が少なくない。彼らは今後も当然なすべきことをせず、なすべきではないことを続けるだろう。韓国製造業が建国以来初めて後退したというニュースにショックを受け、自らの責任を問う政治家は一人もいない。警報音が鳴り響く間に改革で問題を正さなければ、結局どうなるかは明らかだ。