【社説】韓国製造業、初のマイナス成長が示す構造的問題

 韓国銀行はこのほど、昨年の韓国の製造業売上高が1726兆ウォン(約183兆円)で、前年を10兆ウォン以上下回ったとする統計を明らかにした。製造業売上高が前年を下回るのは1961年に政府が統計を取り始めて以来の55年間で初めてだ。それ以前は製造業の基盤が弱かったため、建国以来初めて製造業がマイナス成長したと言える。

 2010年時点で韓国の製造業売上高が18%以上成長していた。しかし、それから4年でマイナスに転落した。11年の欧州金融危機以降、世界貿易の規模が横ばいで推移したことが主因だ。米国を除く先進国経済は今も0%台にとどまり、周囲には商品を勝ってくれる国は決して多くない。しかし、経済専門家は韓国製造業の後退を2-3年後と予想していた。それが急に到来した格好だ。

 業種別の実績はさらに衝撃的だ。携帯電話、家電製品、鉄鋼の売り上げが軒並み10%以上減少した。船舶、自動車も6%以上落ち込んだ。輸出主力業種がいずれも不振だ。最近には30大企業グループの系列企業の20%が営業利益で利払いも賄えないという分析も示された。存在する理由がない企業だ。状況が改善する兆しも見えない。韓国の貿易全体の25%を占める中国の経済が8月以降、完全に減速している。韓国の輸出は今年2月以降、8カ月連続で減少を続けている。昨年に続き今年も製造業売上高が減少しかねないとの懸念は既に示されている。

 製造業は大韓民国を現在の地位に押し上げた絶対的な動力源だった。女性の髪でかつらを作っていた小さな工場がやがら鉄鋼、化学、造船の基地へと変貌した。1980年代以降は自動車、半導体が成功を引き継いだ。領土が狭く、産業基盤がない国が製造業の全分野を短期間に育成できた例は世界にほとんどない。世界の最貧国は世界11位の経済大国となった。

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