諏訪和仁
2015年10月29日17時25分
東京一極集中が加速するなか、大阪の「地盤沈下」が目立つ。原因はどこにあるのか。どうすれば大阪を立て直せるのか。大阪府知事、大阪市長のダブル選を前に、財界人や文化人たちに聞きました。
――大阪は衰退しているように見えます。
「大阪の地盤沈下は、もう50年前からです。それから改善されないまま、今に至っています。そのころ、大阪は東京に追いつき追い越せという勢いで、堺市の海岸に重化学工業地帯をつくることばかり考えていたんですね。後追いはしょせん後追いで、追いつけなかったのです」
「そのうち高度経済成長が終わりを告げ、デザインやサービスといったソフトに産業の重点が移ってきているのに、大阪はそれについていけませんでした」
――行政は手を打たなかったのでしょうか。
「その間、自治体はほとんど何もしなかった。財界が強かったからですね。(関西の大企業などでつくる経済団体の)関西経済連合会は、今でこそとても東京の経団連に及ばないが、当時は関西電力を中心に関西には力のある企業がたくさんありました」
「戦前は、大阪市長に関一(せきはじめ)さんという人がいて、御堂筋をまるで飛行場みたいな巨大な道路にしたように、イニシアチブをとっていました。それが戦後は、無為無策です」
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