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辺野古承認:国交相、取り消しの効力停止…代執行も

毎日新聞 2015年10月27日 11時57分(最終更新 10月27日 13時18分)

辺野古移設を巡る動き
辺野古移設を巡る動き

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に向けた名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を、翁長雄志(おなが・たけし)知事が取り消した処分について、石井啓一国土交通相は27日、一時執行停止を決定した。また政府は同日の閣議で、辺野古の埋め立て承認を代執行する手続きに着手することを了解。国交省は28日にも翁長知事に承認取り消しの是正を勧告する文書を送る。応じない場合は、公有水面埋立法を所管する国交相が代執行手続きに入る。中谷元(げん)防衛相は27日の記者会見で、執行停止の文書が沖縄防衛局に届いた後、速やかに埋め立ての本体工事を始める方針を明らかにした。

 27日午前の記者会見で石井国交相は代執行について「法的瑕疵(かし)がない承認を取り消すのは違法。普天間飛行場が抱える危険性が継続し、外交・防衛上も重大な損害が生じる」と述べた。

 翁長知事は13日に埋め立て承認を取り消し、沖縄防衛局は行政不服審査法に基づき知事の処分を不服として国交相に審査請求。裁決までの間、処分の効力停止を求める申立書を提出していた。防衛局の審査請求に対しては、翁長知事は21日、承認取り消しは法的に正当として、審査請求の却下を求める弁明書、意見書を国交相に提出。移設先として辺野古を前提とするのは不当▽環境保全策が不十分−−などと指摘した。記者会見では「防衛局長が同じ内閣の一員の国交相に審査請求をしたのは不当。不服審査は一般国民の権利を守るためで、防衛局が私人として請求するのはおかしい」と批判していた。

 一時執行停止の決定により、審査請求に対する国交相の裁決を待たず、防衛局側は中断している海底ボーリング調査を再開できる。政府は近く移設作業を本格化する構えだが、翁長知事は総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会に審査を申請することや、国を相手に訴訟を起こすことなどを検討する見通し。【坂口雄亮、内橋寿明】

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