アートディレクター佐野研二郎氏(43)がデザインし、盗作疑惑で白紙撤回された2020年東京五輪・パラリンピックの旧エンブレム問題を巡り29日、外部有識者による調査チームの第1回会合が行われた。
メンバーは和田衛弁護士(元東京地検検事)、森本哲也弁護士(同)、鵜川正樹公認会計士(青学大特任教授)、山本浩法大教授(現エンブレム選考委員、元NHK解説委員)の4人。
旧エンブレムの選考の関係者を聞き取り調査し、11月までに調査を終える予定。調査結果の公表は年内に行う。
調査の対象者はエンブレム選考への招待文書を送付した組織委の前マーケティング局長・槙英俊氏(出向解除で現在は電通)、審査委員だった組織委のクリエーティブディレクター高崎卓馬氏(同)、他審査委員7人。そして佐野氏を含めた招待文書を送付されたデザイナー8人らとなる見通し。
しかし、聞き取り調査を申し入れても断ることはでき、強制力はないため、どこまで真相に迫れるかどうかは定かではない。不正な選考があった場合でも「処分」を科せるかどうかについても、未定だという。
応募作品が「104→37→14→4」と絞られていく過程で、14作品の中に、招待状送付者8人は何人含まれていたかは既に事実として組織委の事務局が確認済みだというが、広報担当は「それも含めて全てまとめて12月に公表したい」と話すにとどめた。