Updated: Tokyo  2015/10/30 00:21  |  New York  2015/10/29 11:21  |  London  2015/10/29 15:21
 

任天堂:スマホゲーム提供開始を16年3月まで延期-株価は急落

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    (ブルームバーグ):任天堂は、年内に提供する予定としていた同社初のスマートフォン向けのゲームのサービス開始を2016年3月まで延期する。君島達己社長が29日、都内で行われた経営方針説明会で明らかにした。収益回復策だったスマホゲーム参入が延期されたことを受け、同社株は急落した。

君島社長は延期の理由を、年末商戦に経営資源を集中するためだと説明した。ただ、17年3月までにスマホゲームを5本程度出す目標に変更はないと述べるとともに、今期(16年3月期)収益への影響はほとんどないと話した。

ゲーム配信を自社ゲーム機に限ってきた任天堂だが、今年3月にスマホゲームへの参入を発表、スマホゲーム運営に秀でたディー・エヌ・エー(DeNA)と資本・業務提携した。ただ、ゲーム専用機は苦戦が続いており、立て直しが課題。

岩井コスモ証券の川崎朝映アナリストは、「収益の回復策が先送りになった点はネガティブ」と述べた。また、最初に投入するゲームに任天堂の強みであるマリオなどのキャラクターが生かされていないとして「本当に来期、任天堂らしい営業利益1000億円を達成できるか疑問」と述べた。

任天堂株価はスマホゲーム延期の情報が伝えられて急落、一時前日比12.7%安の2万85円まで下落した。日中下落率としては14年1月以来の大きさ。午後2時22分現在は9.8%安の2万755円で取引されている。またDeNA株は一時、ストップ安となった。

3月に最初に投入されるスマホゲームは「Miitomo(ミートモ)」といい、プレーヤー自身をかたどったキャラクターを使って、友人と遊べるものになる。開始時の課金はなく、ゲーム中でアイテムを購入することによる収益化を検討している。またスマホやゲーム機から接続できる新会員サービス「マイニンテンドー」を同時期に始める。

28日に発表した2015年7-9月期の純利益は前年同期比87%減の32億円となり、市場予想73億円を下回った。携帯型ゲーム機「3DS」用ソフトの販売が減速した。営業利益は78億円(市場予想100億円)、売上高は1140億円(同1027億円)だった。4-9月期(上期)の純利益は前年同期比20%減の115億円、営業利益は90億円で、上期としては5期ぶりの営業黒字となった。通期の業績予想に変更はない。 

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記事に関する記者への問い合わせ先:東京 天野高志 tamano6@bloomberg.net;東京 Pavel Alpeyev palpeyev@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: NSN mtighe4@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 中川寛之, 岡田雄至

更新日時: 2015/10/29 14:45 JST

 
 
 
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