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「年収=人の価値」ではないはずだから 大人の男性に、立ち止まって考えてみて欲しいこと

「年収=人の価値」ではないはずだから 大人の男性に、立ち止まって考えてみて欲しいこと

ジェーン・スー氏と『<40男>はなぜ嫌われるか』の著者である田中俊之氏が、どうやって中年男性を「生きづらさ」から解放していくのかについて話していきます。女性が旦那さんに向かって「自分の父親はこうだから、あなたも」という感覚を抱いてしまうことは、もしかしたら男性を生きづらくしているかもしれません。田中氏は、男性にとっての評価軸は、仕事以外にないことを例にあげ、仕事でのポジションや年収によって自分の価値を決めてしまうことを指摘しました。そこで「予定を決めずに、有給をとってみる」という1つの提案が生まれます。

ログ名
『<40男>はなぜ嫌われるか』発売記念トークショー
2015年10月5日19時のログ
スピーカー
武蔵大学 社会学部 助教 田中俊之 氏
作詞家/ラジオパーソナリティー/コラムニスト ジェーン・スー 氏
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男性にとっての仕事という存在

ジェーン・スー氏(以下、スー):『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』とか、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』とかいう本を書いていて、その時にもお話ししたと思うんですけど。 今正確なデータが手元にないんでアレですけど、日本の自殺の7割は男性なんだそうです。私はそのデータを見たときに結構ギョッとして。そのデータの一番怖かったところは、7割超えてる年代っていうのが20から60の間ですよ。つまり就業期間にあるとき、自殺全体に占める男性の割合は7割を超える。 それぐらい男の人にとって仕事って大きいものなんです。でも構造として社会がそれを受け入れられなくなったら、女の人は絶対に追い立てちゃダメだと思うんですよ。だって焼け野原みたいなところに行って「草刈って来い!」っていうのは……。 草が枯れないことが自分の価値とイコールになってしまうぐらい煽ったり追い込んだりっていうことだから。今は手と手を取り合って、「どちらかが草を見つけたら手を挙げて!」みたいな(笑)。

男と女の理想像を追い求めてしまう

田中俊之氏(以下、田中):自分の父親を想像して、自分のパートナーを見ちゃうと。自分のお父さんが自分のお給料だけで家族を食べさせていたりしてるときに、「どうして自分のパートナーにできないんだろう」という感覚を抱いちゃうかもしれないですけど。経済構造上仕方がないことだと思うんです。 自分の家族しかみんな知らないので、「父親ってこういうものだ」っていうのを父親がやってたら、それが夫像になっちゃったり。あるいは母親像。女性の人はあんまり出世したくないとか、そういう話もあるじゃないですか。 自分の母親が専業主婦だったり、働いていても途中で辞めていたりする、女の人ってそういうものかなと思うんですけど。時代が変化してるんで、現実を見なきゃいけないというのは、男女関係ない気がするんですけどね。

どうすれば生きづらくなくなる?

スー:今日話していて、現状としての社会はこうだとか、傾向としてこうであるというのは、わかって皆さん来ていらっしゃると思うんですけど。実際に「どうすれば生きづらくなくなるの」っていうところで。 個人的な意見としては、私は「隣人を許す」ところから始めるしかないと思うに至りました。具体的には父親ですね。本当に頭にくることはいっぱいあると思うんですよ。私も親もお互いに。 でも人には誰でも事情があるということを、一歩こちらで飲んでから、話をせざるを得ないところがあると思うんです。うちの父親は、私が子供のころは社員100人ぐらいの会社をやってて、それが母親が死んで金庫番がいなくなったら一気にひっくり返って。今は完全に禁治産者な状態ですよ。 私がお金をあげたりしてるんですけど、それが楽しそうなんですよね。それで一瞬ヤバイかなと思ったんですよ。「お金を稼げない自分を受けいれられるかな?」と心配していたら、夏は普通に電車乗って隅田川の花火を見に行ったりしていて(笑)。私よりリア充じゃないか。 男性にしては珍しく、厚かましく意識を変えることができたタイプではあったと思うんですけど。それでもやっぱり稼げなくなって、まるで金が無くなったときの落ち込んだ顔はすごかった。この人の全人生、これで支えられていたんだと痛感しました。 それからは稼ぎ手だと言う意識に付随する態度や言動、家族へのコミットメントの低さを少しずつ許せるようになってから、物事がうまく回り出しました。 田中:他者もそうだし、自分自身もそうだし、大人の男性の評価軸って仕事以外ないんですよ。少年時代とかだったら、もう少し評価の軸があったんですよ。「君は頭が悪いけど、運動ができる」とか、「君は絵がうまい」とか。「あの人の足早いね」って言って昇進できたりしないですよね。 (会場笑) スー:嫌だなそんな会社(笑)。

評価軸が仕事以外にないということ

田中:そんな会社があったら嫌ですけど。評価の軸っていうのは仕事しかない。でも仕事しかないって言いますけど、仕事の評価ってかなり偶発的じゃないですか。 能力があっても自分が所属している組織でたまたま評価されない人もいるし、明らかに能力以上に偉くなっていく人もいるし、偶発的なところも、運の部分もあるのに、それだけで自己評価が決まっちゃったり。 そうは言っても年収を気にしている男性ってすごく多いと思うんです。子供の頃の身長みたいなものだと思うんですよ。数字で具体的に現れちゃって、他者と比較可能じゃないですか。大小が簡単に比べられるので、すごい気にしていて。そこで自分の価値を測ってしまう人って多い。 そこから脱出するのは、相当うまい具合に着陸できるような補助線が必要で。そういう時に「強者の手助けをどうしてしなくてはいけないの?」みたいな論理があるんですけど。それはさっきスーさんが言ったことで、手助けしてうまく降りられると、女性や子どもにとばっちりもこない。さらに良い関係が結べるんじゃないかと。 女性のほうが非正規が多いし、お給料も安い状況で困っているわけですから、男の人の手助けをするっていうと、「女性で困っている人がいっぱいいる中でなんで?」っていう話になるんですけど。 社会全体を円満に回していこうと考えたときに、競争から降りたい男性には降りていただいて、そこのスペースが開けば、女性で入りたい人は入っていけるわけじゃないですか。 それでいいんじゃないのかなということを、やんわりと提案しているぐらいなんですけど。男性学っていうのは。 スー:「それは正論とは違うだろ」と言う人もいると思いますよ。ただ正論だけだと世間が回らないっていうのは、皆さんご存知の通りで。男性を威張らせてあげてうまくコントロールするるとかそういうことではなくて。 田中:全然違いますね。 スー:ありのままの状態を評価するってすごく難しいことだと思うんですけど。結婚していない私がいうのも違うんですけど(笑)。その辺がうまくできるようになると心を開いてくれる。 田中:そうですね。


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