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MUSIC

取材中も言い争うCICADA。チーム内のライバル関係が生む魅力

インタビュー・テキスト:三宅正一 撮影:永峰拓也(2015/10/28)

ヒップホップやR&Bをはじめとするクラブミュージック由来のサウンドを生音で構築する5人組バンド、CICADA。完璧主義とも言えるようなイズムがうかがえる過不足のないストイックなサウンドプロダクションの一方で、ボーカリストの城戸あき子の声質もあいまって、その歌はJ-POPにも通じるポピュラティーをはらんでいる。

今年2月にリリースした初の全国流通盤『BED ROOM』であきらかになったCICADAの音楽像は、1990年代から2000年代初頭にかけて勃興し、ポピュラーミュージックとしても位置づけられたドメスティックR&Bと、黒いグルーヴに意識的な近年の音楽シーンの潮流を橋渡しするような趣がある。今回、枚数限定でリリースする7インチアナログ盤『stand alone』には、ドラムンベースに列なる人力ビートをフィーチャーした表題曲と、城戸がしなやかなフロウのラップを披露する“back to”の2曲を収録。

若林ともと及川創介という二人のソングライターは、インタビュー中も絶え間なく互いに悪態をつくほど明確なライバル関係にあり、その有り様からも妥協を許さない姿勢の一端が垣間見えて興味深かった。若林は臆面もなく「売れたい、売れないと意味がない」とも言う。そんなCICADAのバンド哲学を、若林と及川、城戸の三人に聞いた。

PROFILE

CICADA(しけいだ)
2013年4月現在の編成となり活動を開始。HIPHOP/R&B等のブラックミュージックからtrip hop/エレクトロニカ等のミニマルミュージックをルーツとした死角無しのアンサンブル、Vo.城戸あき子の艶やかで時にキュートな歌声は正にニューポップスのドアを叩く逸材。2015年2月4日に初全国流通盤『BED ROOM』をリリース。HMV「エイチオシ」に選出され全店舗プッシュ、TOKYO-FMを初めとした各地ラジオでのOA等、注目度は高く「新世代都会派ミニマルポップバンド」との呼び声も多い。
CICADA

制作中は特に(若林とは)バチバチですね。基本的にお互い自分のほうが上だと思ってるので。(及川)

―若林さんがmixiでメンバー募集したのがCICADAの始まりなんですよね。

若林(Gt,Key):そうですね。「トリップホップが好きで、Massive Attackみたいなバンドをやりたいです。ギター、鍵盤以外のメンバーを募集」って載せて。僕はもともとX JAPANが好きで、ブラックミュージックはそこまで聴いてたわけではないんですけど、Massive Attackを聴いて、ブラックミュージックを通過した白人音楽への興味が一気に増したんですよね。

―CICADAはヒップホップやR&Bの要素も内包したクラブミュージックを、ストイックなバンドサウンドで再構築してるじゃないですか。それはメンバー同士が音楽的な共通言語を多く持っていないとなかなか難儀なことだと思うんですけど。

若林:最初はそこまで深く考えてなかったから、そういう不安はなかったんですよね。及川とはmixiじゃないところで出会ったんですけど、彼が加入してアレンジを任せるようになってから、サウンドの構築力は上がったと思います。プロ仕様になったというか(笑)。僕は、曲は書けるんですけど、アレンジが全然ダメで。

及川(Key):いや、アレンジもできるんですけど、苦手意識を持ちすぎてるんですよ。

若林:ふっ(冷笑)。



―及川さんとはどういう出会いだったんですか?

若林:彼がライブしてるところを見ていいなと思ったんです。キーボードの装飾的な音を作るのが上手いなって。そのとき彼はヒップホップバンドをやっていたんですね。

及川:生のヒップホップバンドをやっていたんですけど、そのバンドの初ライブに若林とベースの木村(朝教)が来て。「君、いいね」っていきなり言われたんですよ。そこからバチバチの二人(若林と及川)の関係が始まったという感じです(笑)。

―この二人は常にバチバチなんですか?

及川:制作中は特にバチバチですね。基本的にお互い自分のほうが上だと思ってるので。

左から:城戸あき子、若林とも、及川創介
左から:城戸あき子、若林とも、及川創介

―たとえばそれはどういう部分において?

若林:僕は作詞作曲の能力ですね。

及川:まあ、俺も作詞作曲なんですけど。

一同:(笑)。

―でも、若林さんはアレンジ能力においては及川さんを完全に認めてるんですよね?

若林:アレンジにおいては信頼してますけど、作詞作曲に関しては僕自身のことを100%信じてます。


僕はとにかく音楽で飯を食いたいんです。アンダーグラウンドではなく、オーバーグラウンドな存在になりたい。(若林)

―ボーカリストは、100人くらいオーディションした中から城戸さんを選んだとか。

若林:男女問わず100人から150人くらいかな? 初対面で、カラオケに1時間入って、好きな曲を歌ってもらうということを3、4年かけてやりました。いろんな人に会いましたね。池袋の日サロでバイトしてるギャルとかもいましたし(笑)。

―3、4年ですか! それだけの年月をかけてボーカリストを探すって、かなりの執念ですよね。

若林:ボーカルは何がなんでも自分が納得する人を探してたので。その間に個人的な音楽の趣味も少しずつ変わっていって、やりたいことがどんどん明確になっていったので、結果オーライかなと。

若林とも

―若林さんはどういう歌声を求めてたんですか?

若林:UAさんみたいな歌声が好きで。それとは別に柔らかい声の人も気になってたし。男性でたとえるなら、チバユウスケさんやベンジーさんみたいな絶対的な声を持ってる人がいいなと思ってました。

―城戸さんの決め手は?

若林:アーティスティックすぎずポップすぎず。60点くらいの感じがちょうどいいなと思って。

―すごい言い様ですね(笑)。

及川:とにかくこの人はいつも上から目線なんですよ(笑)。

―60点って言うけど、完全に納得するボーカリストを探してたわけでしょう?

若林:アーティスティックな面で100点を出せる人が好みではあるんですけど、ポップな部分もないと音楽で飯は食えないと思ったので。僕はとにかく音楽で飯を食いたいんです。アンダーグラウンドではなく、オーバーグラウンドな存在になりたい。彼女はアーティスティックな面も、ポップな面も、どちらにおいても60点を出せる、バランスのいい人だと思ったんですよね。

城戸(Vo):これも結果オーライですね(笑)。


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