連邦公開市場委員会(FOMC)では現行の0~0.25%のフェデラルファンズ・レートが維持されました。

しかし声明文の中で「次のFOMCで利上げすべきか進捗状況を見極める」という強い表現で利上げの示唆がありました。

これは明らかにいままでより一歩踏み込んだ表現です。

また中国経済の鈍化に伴う8月以降の世界市場の荒れに関しては、もはやFRBは余り気にしていないことがシグナルされました。

その反面、インフレ・リスクは最近一段と後退した観があり、「2%のインフレ目標にむけてリーズナブルに自信が持てる状況」とはかけ離れていることが指摘されました。

労働市場に関しても「もう少し改善を見たいところだ」としています。


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さてここからは僕の感想ですが、最近出たベン・バーナンキの回顧録「The Courage to Act」でバーナンキは:

Making politically unpopular decisions for the long-run benefit of the country is the reason the Fed exists as a politically independent central bank.
(長期で見て国にとって良いことを、たとえ不人気な政策でも決断することが、中立な立場を堅持するFRBのような中央銀行の存在意義だ)


と語っています。いまイエレン議長はまさしくその不人気な決定をしなければいけない局面に来ているというわけです。

タイミング的にはそれをやるには絶妙かつ適切な瞬間だと思います。