本日2015年10月20日、ジョコ・ウィドドとユフス・カラの政権は発足からちょうど1年を迎えた。ジョコ大統領とユフス・カラが組閣した勤労内閣は様々な野望と共に動き始めた。「働け、働け、働け」というスローガンも、その全ての野望を追求すべく定められた。
例えば経済分野においては3年以内に7%の成長を遂げるという目標を設定した。2015年1月にはジョコ大統領が、経済成長目標は2015年の間に5.8%を達成できると表明した。
その野心的な目標は達成されていない。2015年の4期中、第1期と第2期で経済成長率は5%に届かず、4.71%から4.67%の範囲内に収まっている。目標は達成されていないが、ジョコ大統領は諦めていない。大統領は前向きな姿勢を強調するどころか、経済成長率が9月から年末までに急上昇すると主張している。
「9月10月に少し上昇を始め、ほら、11月ちょうどにはこのようになり得るさ」と手を上に指し示して、ジョコ大統領は去る8月5日に語った。(参照:ジョコ大統領、9月からインドネシアの経済は急成長すると説明)
経済問題のみならず、政治問題においてもしばしばジョコ大統領は前言撤回を強いられることがある。選挙運動の際、ジョコ大統領は彼が結成する予定の内閣は政党の議席配分が自由になると言い続けた。多くの面において、ジョコ大統領のこの発言は人々に、ジョコ大統領が政党の誘惑に耐えられるだろうかと疑問を抱かせた。
内閣結成の際に、政党の次期指導者の分布と党との提携が、ジョコ大統領とユスフ・カラ氏の形成する勤労内閣にとても感じられた。そのことは国民民主党の次期指導者であるジャクサアグン・HM・プラストヨ氏、元闘争民主党総裁メガワティスカルノプトリの副官であるカポルリコムジュンブディグナワン候補、その当時インドネシア正義団結党のトップだったスティヨソ氏の国家諜報機関長指名にいたるまで続いた。
ジョコ大統領が、支援党である開発統一党の次期指導者で満たされた大統領諮問委員会を形成する時に、その空気は政党代表率だけでなくジョコ大統領、ユスフ・カラ氏の支援団体にまでとても感じられた。
その他に、食料主権分野での問題もある。ジョコ大統領は、ベトナム大統領に話しかけられ、いつインドネシアがベトナムから再び米を輸入するのか聞かれた際に、彼がいかに恥ずかしかったかという問題の話を何度も投げかけた。
その話をした時、ジョコ大統領は米の輸入はせず、3年間の米の自給目標を定めたと言明した。しかし実際のところ、エルニーニョ現象は長期化し、多くの農家では不作が続いている。また、乾季は今後、12月まで続くことが予想されている。政府は国の需要を満たすためにも米の輸入という選択肢を開かざるを得ず、その輸入元の1つにはベトナムが挙げられることになるだろう。
ジョコウィ政権が始動して1年、ジョコウィ政治のコミュニケーションパターンは批判されてきた。演説と相容れない内容の実現は大衆の信用を揺るがした。上述の内容は、コンパス紙と今朝2015年10月20日火曜日に連絡を取った際、ポル・トラッキング政治調査機関の批評家アグン・バスコロ氏によって伝えられた。
「ジョコ大統領を国のトップ、政府のトップ、国の最高位の象徴であると鑑みた場合、このような政治的コミュニケーションパターンは正しさに欠ける。つまり、ジョコ大統領は今から、繰り返し大衆を失望させることのないよう、より現実的になる必要がある」とアグン氏は述べた。
アグン氏によると、現実的とは、ジョコ大統領が約束を守らないことや、絵空事をもって、このように力強い民族の社会政策状態と、未だにインドネシア経済に強い影響を与える外部の力をはかりにかけることを意味するのではない。
「終わりに、現実的な目標が定められた時、大衆における政府に対するイメージはゆるやかに改善し、大統領の正当性はすぐ回復し得る」とアグン氏は述べた。
Kompas紙(2015年10月20日付)/ 翻訳:安藤友希
■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。
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