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耕作放棄地再生事業 122か所で農業行われず10月29日 4時02分
「耕作放棄地」と呼ばれる荒れ果てた畑や田んぼを再び使えるようにする、農林水産省の交付金事業で、再生されたあとも農業の担い手が見つからないなどの理由で、1年以上にわたって作付けが行われなかった農地が全国に122か所あることが、会計検査院の調べで分かりました。
農林水産省は、「耕作放棄地」について、雑草を取り除いたり用水路を整備したりして、再び農地として使えるようにする取り組みに、交付金を出す事業を行っています。
会計検査院が平成21年度から6年間にこの事業の対象となった全国の耕作放棄地の状況を調べたところ、21の県の122か所では、自然災害などのやむをえない理由がないのに、1年以上農業が行われていない期間があったということです。
このうち鳥取など6県の10か所では草刈りなどをしないまま放置され、使えない状態に戻っていたほか、宮崎など10県の25か所では、昨年度末の時点で、農業の担い手が見つからないなどの理由で作付けが再開されるめどが立っていなかったということです。
これについて農林水産省は、「会計検査院の指摘を受けて、先月、農業者を支援する地域の協議会に対し、再生した農地の耕作状況を毎年確認することや管理を徹底することを周知した」としています。
会計検査院が平成21年度から6年間にこの事業の対象となった全国の耕作放棄地の状況を調べたところ、21の県の122か所では、自然災害などのやむをえない理由がないのに、1年以上農業が行われていない期間があったということです。
このうち鳥取など6県の10か所では草刈りなどをしないまま放置され、使えない状態に戻っていたほか、宮崎など10県の25か所では、昨年度末の時点で、農業の担い手が見つからないなどの理由で作付けが再開されるめどが立っていなかったということです。
これについて農林水産省は、「会計検査院の指摘を受けて、先月、農業者を支援する地域の協議会に対し、再生した農地の耕作状況を毎年確認することや管理を徹底することを周知した」としています。
6年間で約121億円投じられる
農林水産省によりますと、全国の農地面積はことし7月現在、およそ450万ヘクタールで、住宅地への転用などによって、昭和36年のピーク時のおよそ4分の3に減っています。
農地のうち、以前は作物を作っていたものの、1年以上作付けが行われなくなった耕作放棄地の面積は、平成22年は農地全体の1割近いおよそ40万ヘクタールに上りました。この耕作放棄地の面積は20年前に比べ、農家の高齢化などにより2倍近くに増えていて、地形などの条件が悪い農地を中心に作付けを諦めるケースが増えているとみられています。
農林水産省は、食料自給率の強化などのために耕作放棄地を有効利用しようと、再生する取り組みに交付金を出す事業を始め、平成26年度までの6年間でおよそ121億円が投じられています。
農地のうち、以前は作物を作っていたものの、1年以上作付けが行われなくなった耕作放棄地の面積は、平成22年は農地全体の1割近いおよそ40万ヘクタールに上りました。この耕作放棄地の面積は20年前に比べ、農家の高齢化などにより2倍近くに増えていて、地形などの条件が悪い農地を中心に作付けを諦めるケースが増えているとみられています。
農林水産省は、食料自給率の強化などのために耕作放棄地を有効利用しようと、再生する取り組みに交付金を出す事業を始め、平成26年度までの6年間でおよそ121億円が投じられています。
交付金で整備した耕作放棄地は
国の交付金を活用して耕作放棄地を農地として整備した土地がある、鳥取県北栄町では、平成21年度から昨年度までに国の交付金事業に14件申請し、これまでに町内のおよそ5ヘクタールの耕作放棄地を農地として再生させてきたということです。
町によりますと、このうち1件の土地が、後継者がいないため、現在耕作できなくなっているということです。
およそ14アールのこの土地は、以前は耕作放棄地で、平成21年の11月ごろまでは草木が生い茂っていました。町が国の交付金を受けて雑草を取り除くなどの整備を行った結果、次の年には農地として整備され、農家の男性がネギなどを栽培していたということです。ところが、農家が亡くなったあと、後継者が見つからず、おととしからはほとんど耕作ができなくなっているということです。今は土地の所有者が年に数回程度耕しているということですが、再び草が生い茂っています。
これについて北栄町は、「交付金を使って整備した土地が再び耕作放棄地に戻ったという認識はないが、後継者がいないのは事実だ。今後は土地の環境や後継者が少ない地域の現状なども考慮して、計画的に再生させていきたい」と話しています。
国の交付金を受けていったんは再生された、宮崎県延岡市にあるおよそ110アールの農地は、去年の夏ごろから耕作されておらず、今は雑草で荒れ果てています。
延岡市によりますと、この農地は、後継者不足やイノシシなどの動物による被害の多さから耕作放棄地となっていましたが、6年前の平成21年度に、国からの交付金30万円余りを受けて、延岡市の第三セクターが牛の餌となる牧草の畑として再生させ、利用してきました。しかし去年、この第三セクターが経営難で解散して以降、耕作されておらず、後継者も見つかっていないため、再開のめどは立っていないということです。
延岡市は「直接の原因は担い手の解散という予期できない事態だったが、山間部の農地が厳しい状況にあることは事実だ。ただ、市内のほかの耕作放棄地は交付金を活用して解消を進めている」と話しています。
町によりますと、このうち1件の土地が、後継者がいないため、現在耕作できなくなっているということです。
およそ14アールのこの土地は、以前は耕作放棄地で、平成21年の11月ごろまでは草木が生い茂っていました。町が国の交付金を受けて雑草を取り除くなどの整備を行った結果、次の年には農地として整備され、農家の男性がネギなどを栽培していたということです。ところが、農家が亡くなったあと、後継者が見つからず、おととしからはほとんど耕作ができなくなっているということです。今は土地の所有者が年に数回程度耕しているということですが、再び草が生い茂っています。
これについて北栄町は、「交付金を使って整備した土地が再び耕作放棄地に戻ったという認識はないが、後継者がいないのは事実だ。今後は土地の環境や後継者が少ない地域の現状なども考慮して、計画的に再生させていきたい」と話しています。
国の交付金を受けていったんは再生された、宮崎県延岡市にあるおよそ110アールの農地は、去年の夏ごろから耕作されておらず、今は雑草で荒れ果てています。
延岡市によりますと、この農地は、後継者不足やイノシシなどの動物による被害の多さから耕作放棄地となっていましたが、6年前の平成21年度に、国からの交付金30万円余りを受けて、延岡市の第三セクターが牛の餌となる牧草の畑として再生させ、利用してきました。しかし去年、この第三セクターが経営難で解散して以降、耕作されておらず、後継者も見つかっていないため、再開のめどは立っていないということです。
延岡市は「直接の原因は担い手の解散という予期できない事態だったが、山間部の農地が厳しい状況にあることは事実だ。ただ、市内のほかの耕作放棄地は交付金を活用して解消を進めている」と話しています。
専門家「活用できる土地の見極め大切」
農業政策に詳しい東京大学大学院の安藤光義准教授は、「日本の農業の労働力が高齢化し減少しているなか、条件が悪い農地を再生して耕す人を見つけるのは大変だ。農業者を支援する地域協議会は、毎年農地の調査をして、どの土地が有効活用できるか見極めることが大切で、守るべき農地に金をかけ、誰が耕すかもしっかり決めて、事業を進めていく必要がある。そして、地域の農業をどういう方向に持っていくのか戦略を考えることが、協議会には求められている」と話していました。