伊方原発:愛媛知事、過酷事故で進退懸けるのは「当然」
毎日新聞 2015年10月26日 12時32分(最終更新 10月26日 12時46分)
◇再稼働同意 四国電力社長、知事に「9項目、確実に順守」
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は再稼働に向けて大きく前進した。焦点となっていた地元同意手続きで、同県の中村時広知事が26日、「総合的に判断した」として再稼働容認を表明。一方、県庁周辺では反原発団体のメンバーらが「再稼働ありきで手続きが進められた」などと怒りの声を上げ、伊方町の住民からは賛否の意見が聞かれた。
同日午前、中村知事は四電の佐伯勇人社長と県庁知事応接室で面会した。午前9時半ごろに中村知事が入室すると、直立不動で待っていた佐伯社長は緊張した面持ちで二礼。カメラのフラッシュがたかれる中、2人は硬い表情のまま着席した。
中村知事は表情を崩さないまま「国の考え方や四国電力の取り組み姿勢、地元の議論などの状況を総合的に判断し、愛媛県知事として事前協議を了解することとした」と表明。佐伯社長は「(要請された)9項目については、確実に順守・実行していきます」と答え、面会は10分程度で終了した。
中村知事は続く記者会見で、パネルを使いながら同意に至る経緯を説明。視線を落とすことなく「国や四国電力には、考えられる限りの要請を全てぶつけた」などと語った。記者から「過酷事故が発生した場合は進退を懸けるのか」と質問されると「当然です」と即答した。【伝田賢史、伊藤遥】