ＶＷ、赤字２３００億円　７～９月期、リコール響く

　独自動車大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）が２８日発表した２０１５年７～９月期決算は、純損益が１７億３１００万ユーロ（約２３００億円）の赤字だった。前年同期は２９億２８００万ユーロ（約３９００億円）の黒字だったが、排ガス規制逃れの不正問題を受けてリコール（回収・無償修理）費用などを計上したことが響いて大幅赤字に転落した。

　リコール費用などの不正問題の対策費として６７億ユーロ（約８９００億円）を７～９月期に引き当てた。９月時点の発表では６５億ユーロを引き当てるとしていたが、２億ユーロ上積みした。ロイター通信によると、ＶＷが四半期ベースで純損益が赤字に転落するのは、２０００年以降では初めて。

　売上高は前年同期比５・３％増の５１４億８７００万ユーロ（６兆８４８０億円）。不正問題の対策費を営業損益段階で計上したため、営業損益も３４億７９００万ユーロ（約４６３０億円）の赤字に転落した。

　ＶＷは世界で不正の対象が１１００万台に上るとしており、来年１月から始めるリコールの対象車は欧州連合（ＥＵ）の２８カ国だけで８５０万台になる見通し。米当局が制裁金を科す可能性もあり、欧州の金融機関には、不正に伴う負担額が全体で３００億ユーロ以上に上るとの見方もある。