クルマのヘッドライト、テールライトは、普通の電球からハロゲン、HID、LEDへと進化してきました。昔に比べてかなりデザインの凝ったものが増え、単なる照射するものではなくアクセントとして利用されるようになってきています。そしてさらにそのデザイン性を加速させる「レーザー光」や「有機EL」を利用したランプが次に控えているそうです。
いまやヘッドライトもLEDランプが主流になってきました。LEDは指向性が強い性質のためまんべんなく照射するのは難しかったのですが、複数の光源を必要方向に付けるなどの工夫がなされたことにより、今後のクルマはほとんどLEDランプにとって変わることでしょう。
ようやくLEDの時代になったところで、メーカーの開発部隊は次世代を見つめています。このLEDに取って代われるかはわかりませんが、小糸製作所が東京モーターショーでレーザー光を用いたヘッドランプと有機ELを用いたリアコンビネーションランプを展示していました。
「照らすから表現する」と称するように、レーザーヘッドランプ「奏 Resonance」は、白色レーザーやRGBレーザーでロービームやハイビームなどに利用しています。レーザー光は高輝度で、遠方視認性に優れた配光ができるのが特徴。超小型で革新的なデザインのヘッドランプが可能だそうです。RGBレーザー光を用いると、フルカラーが表現できるので、虹のグラデーションも自由に演出できるようになります。
リアコンビネーションランプ「Ray Motion II」は、ファイバーケーブルにレーザー光を照射して、流れるようなテールランプを表現。ターンライトは、有機ELを用いて透明なパネルの上に面発光させるので、普段は透けて見えるデザインが可能になります。自由な形で曲面にも利用できるので、これまでにない光の演出ができます。ただ、有機ELの明るさは保安基準を満たしていないため、もう少し明るくする必要があるようです。
これらのランプは、現在の保安基準を満たしていないため、このまますぐにクルマに採用はできませんが、自動車メーカーからは問い合わせがきているそうです。規制緩和されれば近い将来、カラフルでさまざまな演出の光が道路を、街を賑わすかもしれません。