水天宮前駅徒歩1分の場所にある「くんかれ」は、なにもかも燻製してしまっているカレー屋だ。
燻製ベーコンや燻製肉をトッピングできるところはちらほらあれども、ここのカレーはルーまで燻製しちゃってるのだ。
店内に入るとカレーの匂いがするのが普通のお店だろうが、くんかれはカレー臭をしのいで、スモーキーな燻製の香りが漂っている。
カウンターとテーブル席が5つばかりで、ちょっと薄暗い内装はバーのような雰囲気だ。
カレーばかりではなく、サイドメニューも充実している。
燻製オイルのアヒージョ、燻製ソーセージに燻製ホッケ、燻製ポテサラに燻製ポテトフライとサイドメニューもことごとく燻されている。「そんなものまで燻してしまうのか!」と燻製愛好家の奥の深さにおどろいた。
▲いぶりがっこ150円
燻製ポテトフライも気になるところだが、今回はカレーを待つあいだの前菜として、いぶりがっこを注文した。大根の漬け物を燻したもので、秋田の名物だ。1本丸かじりでがぶがぶ食いたいぐらい、なんだったら、バスケットにいぶりがっこを突っこんでピクニックに出かけたいぐらいの好物。居酒屋で見かけるたびに注文している。
ボリボリとした小気味いい食感と、燻製の香ばしさがたまらない。
カレーは燻製度が選べるぞ!
▲燻製カレー全部のせ 980円
一番人気の「全部のせカレー」は、燻製チーズ、燻製卵、燻製チキン、燻製ベーコンがのっかっている。白米以外はすべて燻されているという、燻製好きにはたまらない一皿だ。 もちろん、ルーも燻製されていて、「辛さ」のみならず「燻度」まで選ぶことが選ぶことができるのだ。燻度は1~3で、が高ければ高いほどよく燻されているという仕組み。 「中辛のSサイズ」「燻度2」で頼んでみた。
ルーをすすってみると、これがもう、最高にスモーキー。香ばしい匂いがほわっと口中に広がるのだ。カレーのスパイシーさと燻製の香りってこんなに合うのか。一般的なカレーとは、似ているようでまるで違う、不思議なウマさだ。
いったん白米で舌をさっぱりさせてから、燻製チーズや燻製チキンといったトッピングも食べてみると、とてもよく燻されていて香ばしい。
食べすすめるほどに、燻製の香りが蓄積されていく。食べ終わるころには、なにもはいっていないのに、口の中がスモーキーだ。
カレーのあたらしい領域、ぜひとも試してみてください。
取材したお店
作者:松澤茂信(まつざわしげのぶ)
東京別視点ガイド編集長。
るるぶとか東京ウォーカーが積極的に載せないようなとこばっかし巡ってます。
そういう人生です。けっこー楽しいです。
(編集:編集プロダクション studio woofoo by GMO)
東京別視点ガイド:http://www.another-tokyo.com/
Twitter:https://twitter.com/matsuzawa_s