【ラスベガス=稲井創一】米IBMが米証券取引委員会(SEC)から売上高の計上法を巡り調査を受けていることが27日、分かった。IBMが27日にSECに提出した四半期報告書の中で明らかになった。調査の行方次第では経営のリスク要因になりかねないとの見方から、27日の米国市場でIBMの株価は4%安と大きく下げた。
提出した報告書によると、IBMは今年8月にSECから、米国と英国、アイルランドでの一部取引の売上高処理についての調査を知らされたという。IBMは調査に全面的に協力している。
IBMが今月19日に発表した7~9月期決算で、売上高が前年同期比13.9%減と14四半期連続の減収となった。IBMの業績先行きに不透明感が出ていただけに、27日の昼すぎにSECによる調査のニュースが市場に広がると、投資家は敏感に反応した。
27日の朝方には追加で40億ドル(約4800億円)の自社株買いを実施すると発表した。前回発表した自社株買い計画の残り分を合わせると、今後、合計64億ドルの自社株買いを実施することになる。
IBMは12年から3年間で約400億ドル(約4兆8000億円)を自社株買いに投じてきた。業績の本格回復が遅れるIBMにとって、結果的に高水準の自社株買いが株価の下支え要因になっていた。引き続き自社株買いに積極的に取り組む姿勢を示したものの、27日はSECの調査リスクへの懸念が勝った形だ。
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